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第十九話
午後1時30分、マディガン艦隊はケルン軌道上に到達すると直ちに降下作戦を開始した。マディガン艦隊に守られた帝国軍強襲揚陸艦隊は二手に分かれ降下を開始した。リヒャルト・アーベントロート大佐率いる第一装甲擲弾兵連隊は宇宙港へ、ディートリッヒ・ザンデルリング大佐率いる第二装甲擲弾兵連隊はケルンシティへそれぞれ降下した。

宇宙港にはまだ海賊たちが駐留していたが、主力は既に壊滅していたこともあり兵力はごくわずかだった。午後2時30分には宇宙港が完全に制圧された。

市街地もまた、守備兵力は少なく、午後2時45分頃には戦闘はほぼ終結に向かっていたが、銀河革命戦線正統政府中枢のあるケルンシティ放送局は頑強に抵抗を続けていた。

4個中隊が制圧に動員され、海賊との間で激しい銃撃戦が展開された。当初、武装に勝る帝国軍が優位かに思われたが、海賊側の抵抗を粉砕するにはいたらなかった。むしろ死兵と化した海賊たちにより、帝国軍制圧部隊は防戦一方となってしまった。ホルスト・シューラー少佐率いる第4中隊が海賊たちの攻勢を食い止めていたこと、市街地戦がいち早く集結し、担当していた部隊が合流出来たため、午後3時15分ケルンシティ放送局は帝国軍によって制圧された。

「ここが、執務室だ。心してかかれ」

扉を蹴破ってシューラーが突入すると、そこには恐ろしいほど静かな空間が広がっていた。広い執務室に反響したのは、侵入者の音だけだった。この部屋の持ち主は既にこの世のものではなくなっていたからだ。

ジェイムズ・アーロンはブラスターでこめかみを打ち抜き、既に絶命していた。ローエングラム王朝史上最も謎に満ちた男は謎のままその生涯を終えた。

新帝国歴20年7月14日、銀河革命戦線正統政府の歴史はその頭首の死によって幕を閉じた。


銀河の歴史がまた一つ紡ぎ上げられる……


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