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【所長】 3.ひまつぶし
作:ミズキシホ


またまた所長ネタです。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

何を見たのか知らないけれど、
所長が、
「すごいよね〜。パイロットってさぁ、すっごい給料もらってるんだねぇ。」
と口火を切りました。

K課長、I課長は、
「いま急いでやんなきゃいけない仕事があるのに…。」
と心なしかウンザリです。
ゆえに、相槌も打ちません。
うっかり返事をしちゃったら、
最後まで相手をしなきゃいけなくなるからです。

そんなの【おかまいなし】の所長です。

飛行機についていろいろ【好きなだけ】喋っていました。

わたしはあんまり聞いてあげていなかったのだけど、
ふと耳に飛び込んできたこのセリフ ↓

所長:「おれさー、こないだ乗った飛行機がさー、
    すっごく着陸が上手で、
    感動してさー、
    降りるときに客室乗務員に、
    『すばらしい着陸でした!、と機長にお伝えください。』
    って言って降りてきたよー。
    いやー、あれは素晴らしかった!」
 
着陸に感動ですか 笑

わたし:「えっ!
     着陸のうまい下手、ってあるんですか?」

所長:「あるさ、そりゃー。
    うまいひとはさ〜、なんての、

    『絹を滑らすような』
 
    着陸なんだよ。」

さらに、
所長:「でさー、
    あとでチラッと見たら、
    ハゲの結構年配のひとでさ。
    
    やっぱ、年の功かな〜。」

そしてさらに、
所長:「でさー! そうそう!
    すっごく着陸の下手なやつがいてさ〜!
    
    今度乗ったら言ってこようかな、下手です、って。」


▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

ある日、
支店から荷物が届きました。

香典返しのようです。

さっそく包みをほどいた所長が吹き出しています。

「ちょっとちょっと! 見てこれ。」

香典返しは、
おせんべいの詰め合わせ。

そしてそのおせんべいがすべて、
ことごとく、

粉々。

所長、苦笑いです。

「ま、置いといてさ、みんなで食べよ、これ。」

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

ブラインドの紐の向きがお気に召さない、ということで、
またまた管理人のおじさんにご足労を願いました。

所長も微力ながら手伝っています。

途中、
わたしのところにきて小声で、

「あのさ、今朝のせんべいの詰め合わせの中に、
 飴玉の袋があったでしょ。
 あれさ、おじさんにあげよう。
 会社の封筒にいれといてよ。」

内心、
子供のおつかいじゃないんだよ? マジっすか!
と思ったけど、
ま、言い出したの所長だし。
言い返すのもあれだし。
長いものには巻かれておきます。

ブラインドもすべて気に入った通りになり、
ご満悦の所長です。

おじさんが帰るときに、

所長:「これ、お茶うけにどうぞ。」

おじさん:「あ、すみません…。」

おじさんは、
どうせまたしょーもない用事で呼ばれるんだろうな…、
という影を引きずって帰っていかれました。

▽ ▽ ▽ ▽ ▽ ▽

所長:「さっきさ〜、
    おじさん来てくれてよかったよね。」

わたし:「そうですね。
     スッキリしましたね (所長の気持ちが 」

所長:「今朝の香典返しの中のあの飴玉。
    誰も食べないじゃん。
    飴玉なめながら電話に出るわけにいかないんだからさ。
    グッドタイミングだったね、おじさん。」

わたし:「(そこですか!)そうですね 笑
     
     でもあの飴、
     『ひまつぶし飴』
     って名前でしたよ 笑」

所長:「ブッ!
    なんの嫌味かと思っただろうなぁ 笑」














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