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午前零時のマティーニ
作:辰巳尚来



奇跡の予感


奇跡の予兆


11時もまわると電車で帰られるお客様がバタバタと席を立つのが普通だけど、今日は金曜日。いつもよりも動きがゆっくり。

美佐や高島君をはじめとする常連さんが5組ほど残ってる。その他のお客さんが2組の11名が週末のバータイムを楽しいんでいた。

「だいだい、ヨッシーも美佐ちゃんも何で彼氏がいないの?」

高島君がけっこういい感じで酔って絡んできた。

「居ないといけなって事はないやんか?」

美佐の言う通り!私達は今は仕事が彼氏みたいなものやからね。

「でもや〜、二人とも結構綺麗やと思うんやけどな〜。俺やったら完璧OKやのに」

「あんたがOKでもあたしらはNOやわ!」

美佐って結構気が強い!だから彼氏が居ないんじゃないかと思う。まぁ、私も変わらんけどね、

「きついなぁ〜美佐ちゃんは!マスター助けて〜。」

「飲め!高島。この辺にはまだまだお前では太刀打ちできんわ」

マスターは高島君を慰めながらこっちに来た。

「でも、ヨッシーはともかく美佐ちゃんは本当にいないんか?」

ちょっとマスター!どう言う意味ですか!

「居ないですよ。本当に!」

わかりやすぅ〜。今までどエス満開の目で高橋君見てたのに、何、頬赤らめてるかなぁ〜

「じゃぁ、俺と付き合ってもおうかなぁ?」

やばいんじゃないですか、マスター!冗談じゃすまなくなりますよ。

「えぇ〜、どうしよっかなぁ〜、マスター奥さんいるしなぁ〜。」

げげぇ、そんな声だすんや。もったいぶって。超〜うれしいくせにこの女!

「あぁ、マスターずるいわ!口説いてるやんか」

高島のちゃちゃに美佐の目が変わった。おぉ〜こわっ!

「まぁ、美佐ちゃんもヨッシーも俺ら常連のアイドルやからなぁ」

今日はめずらしく遅くまでいる西さんが話しに入ってきた。

「おもろい店やろ?」

お連れさんの男性に西さんが聞いた。

「本当に、店の雰囲気もいいし、カクテルも美味いし、会話も面白いですわ」

西さんのお店を新しくデザインするデザイナーさんの森川さんと言う方で落ち着いた50代の紳士。野球がお好きみたいでマスターと盛り上がっていた。

「あっそうや!西さん!うちの若いの呼んでもええですか?」

「おぉ、近くに居るんやった呼んだりや。」

森川さんは携帯で誰かを呼んでいた。

「うちのホープなんですけど、元高校球児ですわ。無類のマティーニ好きなんです。飲食店のデザインやらしてますねんけど、ここは勉強になりますわきっと!」

うちのお店はオーセンティックな木目を基調にしたデザイン。マスターのデザインなのだ。

時間はもうすぐ午前零時!












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