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午前零時のマティーニ
作:辰巳尚来



疑惑


疑惑

うちのお店の口開けは大体が西さんです。

今日はビールスタートで早くも3杯目のアイリッシュウィスキーを飲んでいます。

「大会のカクテルは出来たんかいな?」

「ばっちりです!マスターのGOサインもでましたよ」

「何ベースや」

「ウォッカです。洋ナシのリキュール使ったカクテルです。」

「もう、飲めるんか?」

「もちろんです。」

西さんはカクテルをオーダーしてくれた。

「ん〜、なかなか美味いで。」

「ありがとうございます。」

「今回は優勝せなあかんからな!」

「がんばります・・・」

この時期になるとお客様の応援はありがたいのですが、かなりプレッシャーかけられる

「ところで、チャーリーとはどうなんや。」

まぁ、順調ですって感じで西さんに報告しました。なんせ、西さんが経由で村田さんが来て、そこからチャーリーに繋がった訳だから、うそはつけません。

「そうか、いやな村田君のつれやからてっきり・・・」

「なんですか、その意味ありげな言い方は」

何だか口ごもった西さん

そんな話をしていると高島君が入って来た。

「ちぃ〜す、ハイボールください。」

「どないや、高島君元気かい」

「西さん、相変わらずですよ。ヨッシーはチャーリーとか言うわからん奴に取られるし、美佐ちゃんも村田さんにもっていかれそやし、最悪ですわ!」

「何や、美佐ちゃんも狙っとたんか?」

うなだれながら、高島君はグラスに口をつけた。

「何だか、ここへ来る意味が無くなってきたなぁ〜」

「こら高島!女探しにうちに来てたんか」

マスターの言葉に必死で言い訳していた。

「まぁ、ヨッシーはともかく、美佐ちゃんはたぶん大丈夫やで」

何で西さんがそんな事断言できるのか?

「あの2人あかんかったんですか?」

「ちゃうちゃう、村田君はゲイや!」

えぇ〜!マスターも私も前田くんも高島君も一斉に西さんに詰め寄った。

「マジですか、ほんまに!」

高島君の驚きは全員の代弁となった。

「ほんまやで、あの子はカミングアウトしてるで。」

信じられない!まさかあの村田さんがゲイだったなんて。

「確かに、あの目の綺麗さはそっちぽかったなぁ」

「て、事はチャーリーもやばいんちゃうん」

それで、さっき西さんは口ごもった言い方したんや。

いやいや、チャーリーは違うはず。そんな訳ない。

高島君はいいネタつかんだとばかりに、元気になり、お代わりを注文した。

私の頭の中は疑惑の文字が回っていた。

ゲイが悪いとは思わないけど、万が一チャーリーがそうだったら、せっかく春が来たと思ったのに・・・

でも、これを知った美佐の顔を浮かべると何だか微笑んでします自分が怖かった。












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