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100万ポイントの勇者(旧版)  作者: ダオ
第4章 最初の仲間
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第23話 森の巨人

○38日目


「キングパオームを一撃か。

流石に大したものだな」


「クリスタルドラゴンのアイシクルディザスターより威力があったぞ。

敵が使えば恐ろしいが、味方なら頼もしいのう」


「魔物で先の魔法を使う者が居たのか。

我も気を付けねばならぬな」


「凄い威力でしたね。

今頃身体に震えが来ます」


 カサンドラにかかっていたレジストマインドが切れたのだった。


「カサンドラさん、上級魔法の威力に恐怖を感じるのは当然のことなんだ。

その上で、その魔力をどのように使いこなすかが課題だと思って欲しい。

準備段階から何秒で発動し、攻撃範囲はどれだけで、どんな速度で相手に向かうのかよく理解して、その上で指示を出すんだ。

今は俺が指示をしてるけど、最終的には後衛のカサンドラさんが指示を出してほしいな」


「それは…私にできるんでしょうか。

今日のことで、単純に魔法攻撃をするだけなら自信がついたと思います。

でも雄介さんみたいに全体を見て指示を出せる自信はありません」


「う~ん、どうしたらいいかな。

経験を積めばある程度までは成長するよ。

それから、強化魔法で思考加速ができるのは知ってる?」


「え、あ、そんな使い方があるんですね」


「強化魔法って応用範囲が広いんだよ。

今日の狩りはこれくらいにして、強化魔法の応用を学ぼう。

身体を鍛えるのも悪くないけど、カサンドラさんはその魔力を如何に生かすかを考えた方が良いよ」


「狩りはもう終わりですか。

じゃあ、ステータスを出しますね」


カサンドラ・ディアノ


LV:9


年齢:21


職業:精霊魔法使いLV39・念動魔法使いLV23・時空魔法LV19・冒険者LV10


HP:480 (D)


MP:2166 (SS)


筋力:57 (D)


体力:122 (C)


敏捷:71 (D)


技術:26 (E)


魔力:446 (SS)


精神:414 (SS)


運のよさ:89 (D)


BP:160


称号:元管理者補助・プレイヤー・βテスター・バハムートの加護


特性:火炎属性中耐性・水冷属性高耐性・大地属性中耐性・風雷属性中耐性・聖光属性高耐性・状態異常高耐性


スキル:自動翻訳


魔法:ファイアーアロー(3)・フレイム(10)・ファイアーバースト(40)・アイスストーム(5)・ダイヤモンドダスト(40)・コキュートスアラウンド(120)・アイシクルディザスター(220)・アースランス(20)・ガイアシールド(40)・タイタニックノア(100)・エアスライサー(5)・エアロガード(20)・プラズマブレイカー(50)・ヒール(10)・レジストマインド(20)・ホーリーヒール(80)・ホーリーカルナシオン(180)・強化魔法(任意)・念動魔法(任意)・クロックアップ(150)・クロックダウン(150)・テレポート(距離次第)


装備:精霊石の杖・エレメンタルローブ・スターサークレット・精霊銀の腕輪・疾風のブーツ


所持勇者ポイント:72


累計勇者ポイント:72



「お、LV9になってる。

大幅LVUPだね」


「うむ、LVUP自体はかなりのものだ。

だがAクラスの魔物を倒しておいてLV9は低くないか?」


「LV1の時点でステータスの平均値はBクラス相当だったので、そのためだと思います」


「なるほどね。LV1だから、ではなくBクラス相当だから、で計算されたわけだ」


「マスターのBPの使い道はどうするのが良いであろうか?」


「そうだなぁ。体力・敏捷・運のよさだろうな。

筋力は上げる必要はないし、技術は訓練で上げた方が効率が良い。

俺が不運によって状態異常になったとき、カサンドラさんは状態異常高耐性と運のよさでカバーしてくれると嬉しいな」


「じゃあ、体力60・敏捷50・運のよさ50でどうでしょう?」


「そうだね。それで良いよ」


 カサンドラのステータスは体力:182 (B)・敏捷:121 (C)・運のよさ:139 (C)に上がった。


「勇者ポイントが72ということは、全体の勇者ポイントは144ということだね。

初クエストとして上々の結果と言えるな」


「うわあ、初クエスト成功なんですね。

やったです♪」


 雄介のステータスを確認すると勇者ポイントは72増えていたが、LVUPはしていなかった。


「俺のLVUPは無しか。まあ、手伝ってばかりだったし仕方ないか」

 

「うぅ、私のせいですみません。

足手まといにならないよう頑張りますから」


「カサンドラさんは足手まといなんかじゃないよ。

パーティなんだから、総合的な力量の上昇が大事なんだ。」


「雄介さん…」



 そこへドシンドシンという重たい足音が地響きとともに聞こえてきた。

雄介がマジックサーチを使うと、巨大な魔力が森の奥から感じられた。


「北東方向800mに魔物発見。

この反応はSクラスだろう。

黒王、偵察に行ってくれ。

今なら逃げられるだろうが、どうする?」


 ダークテンペストはすぐさま飛び出した。


「黒王さんが偵察するのを待ちましょう。

勝ち目があるなら戦う。

でなければ引く、で良いと思います」


 その時、ダークテンペストの念話が届いた。


「(フォレスト・ジャイアントを見つけた。

一つ目の巨人だ)」


 雄介とカサンドラの頭にクエストが浮かんだ。


クエスト:フォレスト・ジャイアント討伐


獲得勇者ポイント:127


 フォレスト・ジャイアントとは森に住む巨人である。

魔獣の森で今までに発見例はないが、今出てきたのは雄介の運の悪さのためであろうか。

それともカサンドラのアイシクルディザスターの物音を聞きつけてだろうか。

若緑色の身体で、目は赤く1つしかない。

体長20mの巨体で、見た目に似合わず頭が良く魔法を使う。

大地属性魔法が得意である。

凶暴で雑食で人間でも何でも食べてしまう。

Sクラス上位の魔物で、大木を棍棒として使っている。



「勇者ポイント127か。見逃したくないな。

俺がかき回して隙を作るから、カサンドラさんは強力な魔法で攻撃してくれ。

カサンドラさんは決して近づかないようにね」


 カサンドラはレジストマインドで心の準備をしておく。

雄介とカサンドラはブラインドハイディングで姿を隠し、近づいていく。

フォレスト・ジャイアントを発見した。

雄介とダークテンペストで挟み撃ちの形になり、カサンドラは雄介の後方に位置している。

ブルーダインはカサンドラの近辺に居る。


 先制攻撃として雄介はブラックエクスプロージョンを使い、ダークテンペストは黒炎弾を放った。

フィレスト・ジャイアントは動かない。

直撃かと思われたその時、ガイアシールドグレートを使いジャイアントの周囲がほぼ全て巨大な岩石の盾に覆われた。

ブラックエクスプロージョンと黒炎弾が盾に直撃し、火炎を伴った大爆発が起きた。

雄介は岩石の盾と大爆発でフィレスト・ジャイアントを見失う。

気が付いたとき、ジャイアントは空を跳んでいた。


「あのでかさでジャンプするなんて」


 一足飛びに雄介に近づく。

いや、雄介の後ろのカサンドラを狙っていた。カサンドラが弱点だと見抜いたのだろう。

大木の棍棒を振り上げ、カサンドラへと近づく。

雄介は黒竜鋭牙の大剣を握って巨人の前に立ちふさがるのだが、ジャイアントはあまりに大きく、足止めは難しかった。

真・疾風覇斬でフィレスト・ジャイアントの右足を傷つけただけだった。

距離を取るため、ブルーダインがカサンドラを咥えて飛行する。

野球のバットでボールを打つような形で、ジャイアントはブルーダインを大木の棍棒でフルスイングした。

カサンドラがエアロガードで防いだが、それでも衝撃がブルーダインの身体を貫いた。

ブルーダインがカサンドラを庇い、カサンドラは軽傷だった。


 フィレスト・ジャイアントがブルーダインに追撃を加えようとする。

ジャイアントは雄介に背中を向けていた。

雄介は金剛力を発動させ、真・天竜落撃でジャイアントの右足首の後ろを狙った。

巨人の構造は人体に似ている。

右足の靭帯が切り裂かれ、ジャイアントはバランスを崩した。

ジャイアントが叫び声を上げる。

カサンドラがレジストマインドを使っていなければ、恐怖で動けなくなっていただろう。


 カサンドラはホーリーヒールを使い、ブルーダインの傷を癒していく。

完治するまであと1分ほどだろう。だが、その1分が長すぎる。

カサンドラはジャイアントが倒れた隙に攻撃すべきだった。

ジャイアントが片足で立ち上がろうとする。

雄介はディメンションエッジを使い、ジャイアントの首筋を狙った。

だが、ディメンションエッジが不発で、皮膚を切り裂いただけだった。


 ジャイアントが立ち上がった瞬間、ダークテンペストが新スキル・黒炎魔弾をジャイアントの顔面目がけて撃ち込んだ。

ジャイアントの顔が黒い炎に包まれる。

ジャイアントはパニックになり、大木の棍棒をやたらに振り回した。

この隙を逃さず、雄介が指示を出す。


「(みんな、ジャイアントから100m以上離れろ。

カサンドラさん、離れたらホーリーカルナシオンを)」


 ダークテンペストもカサンドラを乗せたブルーダインも高速飛行でフィレスト・ジャイアントから距離を取った。

カサンドラがホーリーカルナシオンを発動させた。

荘厳にして清らかな浄化の光がジャイアントに降り注ぐ。

パニックになっていたジャイアントもそれに気付き何とか身を護ろうとする。

光り輝くホーリーカルナシオンに対し、両腕で身を護った。

浄化の光を浴びたジャイアントの腕がひび割れ砕け散っていくが、胴体部は軽傷だった。


 ジャイアントがホーリーカルナリオンを防いでいる時、雄介はアビスグラビティを発射した

その胴体に雄介のアビスグラビティが直撃する。

黒い水晶玉のような暗く半透明な球体が段々と大きくなり、ジャイアントを飲み込んでいく。

直径30mほどになったとき、球体は停止した。

その中では超重力の嵐が巻き起こっていた。

地上の数十倍の重力がジャイアントの肉体を圧縮していく。

そしてぐしゃりと押し潰されたのだった。



「ふう、流石Sクラスは強かったね。

でもクリスタルドラゴンのような苦戦はしなかったし、良かったんじゃないかな」


「雄介さん、怖かった。

レジストマインドが終わったら、急に震えが止まらないんです」


「よしよし、カサンドラさんはよく頑張ったよ。

そりゃ、あんな巨人は地球じゃあ映画くらいでしか見れないからね」


 討伐確認部位としてジャイアントの耳を探す。

大きく損傷していたが、一応耳だと判別はついた。

雄介たちはステータスを見ると、雄介はLV2、カサンドラはLV3上がっていた。



滝城雄介


LV:41


年齢:22


職業:冒険者LV33・精霊魔法使いLV30・強化魔法使いLV25・念動魔法使いLV19・時空魔法使いLV15


HP:1635 (S)


MP:1594 (S)


筋力:321 (S)


体力:331 (S)


敏捷:410 (SS)


技術:306 (S)


魔力:318 (S)


精神:320 (S)


運のよさ:-999 (評価不能)


BP:40


称号:プレイヤー・βテスター・三千世界一の不運者・黒不死鳥王(ダークテンペスト)の加護・黒不死鳥王(ダークテンペスト)の寵愛・スラティナ王国の勇者・スラティナ王国武術指南役・スラティナ王国情報管理指南役・竜殺し(ドラゴンキラー)


特性:火炎属性絶対耐性・水冷属性至弱・風雷属性中耐性・聖光属性至弱・暗黒属性絶対耐性


スキル:自動翻訳・疾風覇斬(100%)・天竜落撃(100%)・フレアブレード(100%)・サンダーレイジ(100%)・ブラッドブレイク(100%)・思考加速(100%)・流水(100%)・韋駄天(100%)・記憶力上昇(100%)・金剛力(90%)・真 疾風覇斬(50%)・真 天竜落撃(50%)・ディメンションエッジ(20%)・超回復(100%)


魔法:ファイアーアロー(3)・フレイム(10)・ファイアーバースト(40)・クリムゾンフレア(150)・エアスライサー(5)・エアロガード(20)・プラズマブレイカー(50)・ライトニングインパクト(120)・ブラインドハイディング(5)・シャドウファング(20)・マジックサーチ(5)・ブラックエクスプロージョン(80)・アビスグラビティ(220)・強化魔法(任意)・複合魔法(魔法次第)・クロックアップ(150)・クロックダウン(150)・シルバーゾーン(200)・テレポート(距離次第)


装備:黒竜鋭牙の大剣・地竜大鱗の鎧・光王虎のマント・氷精の小手・烈風の具足


所持勇者ポイント:1284


累計勇者ポイント:1284


「俺は前衛として強くなろうと思うから、筋力を上げるよ。

カサンドラさんはどうする?」


「私はBP60ですから、体力20・敏捷20・運のよさ20上げます」


 雄介は筋力:361 (SS)に上げ、カサンドラは体力:202 (A)・敏捷:141 (C)・運のよさ:159 (B)に上げた。


「じゃあ、そろそろ戻ろうか」


 雄介はダークテンペストに乗り、カサンドラはブルーダインに乗って王都に帰ったのだった。



次回の投稿は明日0時となります。

サブタイトルは「武術指南」です。


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