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朝起きたときの話1
 朝起きたときの話
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 女子高生
 空
 おでん

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 休日の朝。ラーメンの出来上がりを知らせるアラームが鳴った。
 のそのそとソファより手を伸ばし、バンッとアラームを叩き割った俺は瞬速の動きでラーメンを啜り上げる。
 数口食べ、胃が嬉しい悲鳴を上げていることにほっと息を吐いた。
 それにしても、だ。
「さっきまで見てた夢は、妙に痛々しかったな……」
 最近の女子高生の、チラリズムの激しさについての論議だったか。
 俺としては生足を晒してくれていて良いと思うのだが。
「やっぱ生足だよなぁ……うんうん」
 剛直を挿む場所としても共通だし。
 視覚を刺激する場所としても、乳房と同じほどに素晴らしい。
 それが公衆の面前で当たり前に見れるのはとても良いご時世なのではないかッ。
「と、俺そのいちは力説したわけだ」
「ってことで、殴り飛ばしますよ〜♪」
 般若な面をしてウキウキと萌え萌えな声を発する優衣がいた。
「まて、優衣。もうちょい女らしい発言しろよ……口調はとても可愛らしいんだから」
「だって祐夜さん。ラーメン一口も残してくれなかったんですもの」
 ラーメンはいつの間にか完食されていた。
「……悪ぃ。今回は、本当の本当に悪気がない不可抗力だ」
「むむぅ」
「どちらかといえば、この寒空に募るどんより雲が悪いんだ」
「……今日は晴れですよ」
 馬鹿な。
「お天気お姉さんが今日は曇りときどき雪だって――」
 窓越しに見上げた空は、澄み切った青空をしていました。
 ――こりゃお天気お姉さんも真っ青だぜ。
 大はずれは許すまじ。まあ、可愛いお姉さんだったからいいか。結構応援してるしな。
 あの萌え萌えっぷりが――
「えっちなことはいけないんだからね弟君!」
「どこから湧いてきた、ブラコン虫」
 略してブラチュウ……なんかピカチュウっぽい。
 それにしても、俺の両脇を占める二人のお姫さまはとてもご機嫌ななめのようだ。
 優衣のほうは所以がわかっている。ということで、もう一人のお姫さまにお尋ねするとしますかね。
「美姫、さっさと吐いたほうが楽だぜ」
「なんで拷問っぽいの!?」
「出世したいだろう、グヘヘ……」
「セクシャルハラスメント反対反対はんた〜い!」
 というコントはさておき。
「ほんとのほんとになんだよお前等? そんなにラーメンが食いたいんなら、もうひとつ作れば――」
「祐夜さんが食べたのが最後です……」
 しくった。何かをしくってしまった。
 二人のジトっとした目線に、今更ながら耐えられなくなってきた。
 どうするか――自答するまでもない。
 かったるいが、仕方ないだろう。
「何が望みだ?」
「こたつ」
「無理だ。ってか自重してくれ、美姫」
 予算とか労働力とか置き場所とか、いろいろ考えて言ってほしい。
 優衣が、なぜか挙手して発言した。
「おでんとか、食べたいです」
「おでんか……うん、いいな。今日の晩御飯はそれでいこう」
 さて、自室にもどってCROSS!でも読むかな。
 ソファから立ち上がった瞬間、俺は二人目の般若に立ちふさがれた。
「なんだ、美姫」
「さり気ない優しさをもってくれたのかなぁって期待した私がバカだったよ……」
 何気に酷い。
 俺だって優しいときもある……対象の女性の、乳房の大きさに比例するが。
 何気に酷い性格してるな、自分って。
「お〜な〜か〜空いた〜〜」
「……」
 美姫のように大胆ではないが、優衣も買ってほしいって思ってるんだろう。
 美姫に失笑しながらも、目に期待の光を灯して俺をちらちら見てるからな。
「……わかったよ。おでんだな? おでんでいいんだな? お天気お姉さんを裏切ったこの快晴のもたらす暑さの中おでんを食べる、ってことでいいんだな? よし、わかった。俺はもうお前達を止めない。あばよっ!」
「といいつつ去ろうとしたら話が前に進まないじゃん!?」
 CROSS!が俺を呼んでるんだっ。
 まあ、おちょくるのはこれくらいにするかな……そろそろラーメンの施してくれた超満腹感が消えて、本当に出かけたくなくなる。
「仕方ない。話を前に進めるつもりはないが、とっとと買って来てやる」
「ワァイ♪ 弟君やっさスィ♪ やっぱり弟君は期待通りの男の子くんだなぁ♪」
 さっき、期待するのは止めたとか言ってなかったか?
「とりあえず美姫はおでんのスープだけに決定。優衣は何が食いたい?」
「スープだけって……ちょ……」
「よし。とくに要望がないみたいってことで、適当に買って来ることにする」
「待っ――」
「じゃあなっ! あばよっ!」
「無視とかひどー!」
 美姫を空気へと還し、そのまま玄関へ。
 靴を履き、振り返る。
「それじゃあ行って来る。優衣に文句たらすんじゃないぞ?」
「子供扱い!?」
 そろそろ美姫が可哀想に思えてきた。尤も、最後までスルーする所存なんだが。
 爽やかに片手を挙げ、言う。
「いってきます♪」
「何事もなかったかのように行くなー!」
 外に出て、ドアを閉め、じっくりと空を一瞥する。
 ……彼方のほうにどんより雲があるな。
 お天気お姉さんの言うとおり、今日は雪が降るかもしれない。
 快晴の今は少し暖かいくらいだが、雪が降り出せば、吐いた息が白くなるくらいに寒くなるだろう。
 振り返る。
 ドアのその向こうに待つ、二人の御姫様を思い描いてみた。
 出かけてすぐだけど、多分もう、まだかなまだかななどと言ってたりするだろう。
 ああ、なんかとっても幸せだなぁと他人事のように感じて。
 ちょっとでも早く帰ってこようかと思って――俺は歩き出した。
 白い息を吐きながら。
 暖かい我が家へと、温かいおでんを持って帰るために。
 持って帰ったときの、二人の嬉しそうな笑顔を思い浮かべて。

題名の意味は至極簡単。


朝方に読んだらその日一日良い気分、かも?


朝起きた瞬間の柔軟な脳で書き始める、という意味も兼ねてるかも。
まあとにかく、12月終わるまで不定期に朝起きたときの話、略して『きたときのシリーズ』を続けるッス。
SSSは、この作品集の展開とかから引用してって感じ。そこまでネタの泉が潤ってはいないというかなんというか。
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