さまーすもーるすとーりー【SSS】8
やっぱり夏は暑い。
まあ、俺の家にクーラーなる冷房がないからなんだが、とにかくこの暑さを耐え切るために俺はどういう選択をしたか……
「図書館、いっといずべりーまっち!!」
高校生とは英語に自分で少し凹む。
とりあえず、風宮島にひとつだけある徒歩一時間自転車三十分の巨大図書館――もちろん、冷房はかかりまくり。
俺は息を吹き返した。
ちょっと感動した。
「あれ、祐夜さん?」
俺は顔を向けた。
一度も本編で描写をなされていない小倉瑞樹がいた。
つまりサブキャラか、実はサブキャラだったのか。
と言うことで、描写をしてやることにする。
ショートヘアの髪を、ツインテールのちょっと上側を二箇所括っている。一歩間違えればへなちょこな髪型になってしまうのだが、似合っている。
服はラフ、肩掛けのワンピースのようなものと、サンダル。
……露出好き?
まあ、描写終了。
「なんでこんなところにいるんだ? ドーベルマンはいっしょじゃないのか?」
「ええと……私ってそんなお金持ちさんに見えます? 神社に住んでるんですけど?」
「それは仮の姿……まさか、サブキャラから主要キャラに上がるために巫女キャラという形態をっ!?」
「何の話なんですかぁ?」
ボケは通じないようだ。
「いや……瑞樹は、冷房の中でぐっすりと休まるために来たのか?」
「あ、はい、少しはそんな感じです。宿題ももってきたんですけど」
頭が良いやつは一味違った。崇めたくなった。
とりあえず髪をくしゃくしゃと撫でるだけにしておく。
「でさ、本題に入ると」
「はい?」
「閉館時間まで俺の話し相手になってくれ、逃げるな」
「あぅ〜」
撫でるから掴むに変わった。
「だ、だって、祐夜さんといたら漫才師にされるって噂が〜」
あながち間違っていなかったので否定はしない。
「大丈夫だ。お前は本を読んでればいい。俺が本の禁断さをしっかりと教えてやる」
そんな系統のものが図書館にあるのかは問題外。
瑞樹の表情が強張る。
「えっと、えっと、とりあえず……回れ〜右っですっ」
反射的に回ってしまった。
そして鬼をみた。
「あ、天宮……」
ドーベルマンはいっしょじゃないはず――瑞樹のドーベルマンが天宮に該当するかを疑うべきだった。
青筋を額に浮かせて、眩い笑顔を見せ付けてくる。
「祐夜……言いたいことがあるんだ」
「天宮……なんだ?」
「あなたはもう死んでいる」
……。
……。
……。
俺はもう死んでいた。
神速は覚れないのだと痛感した。
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