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さまーすもーるすとーりー【SSS】6
「ついに我が家にも電子機器がぁぁぁぁあああ!!」
 泣きそうになった。
 惨めかもしれないが、嬉しさで泣きそうになった。
 旧型。最新の○ィスタどころかエックス○ーですらないOSだ。我が家の経済事情に悶えそうになる。
「とにかくは、起動できればいいんだ……」
 正確には、男の欲望を満たす何かを見ることができればいいんだ。
 などと本能にまっすぐなことを考えつつ、PCを起動させた。
 ガーガー、ギーギーなどといっているが、どうせなら美少女系の声を漏らしてくれないだろうか←馬鹿
「祐夜さん、パソコンさん動きましたか?」
 小さく舌打ちしつつ振り返ると、キョトンとしてPC画面を覗き込もうとしている優衣。
「優衣。このパソコンは俺とフルシンクロしてるんだ。触れるんじゃないぞ」
 凄い嘘を無駄についてしまった。
 そこを信じるのが優衣、コクリと頷く。
 起動が終わり、デスクトップが現れるのを確認すると、マウス(無線仕様)を動かす。
 インターネットエクスプローラーを見つけ出し、クリックする。
 ホームとなる大型検索サイトが開くのを確認し、ワイヤレスネットワークがしっかり作動していることを知った。
「なんか調べることあるか? どうせなら聞いとくぞ?」
「えっと……お父さんとお母さんがやってるブログらしきものがあるらしいんで、それでいいですか?」
「親父か……」
 子供を捨てて旅行にいくのはともかく、旅行先のことを記入してるならおもしろくはあるだろう。
 俺の肩越しにカタ、カタと文字を打っていく優衣。
 手伝ってやろうかと思いつつ、思いとどまった。
 ……それにしても、優衣は女っぽくなったなぁ。
 背中に押し当てられているモノが気になって仕方がない。
 記入し終えたらしい優衣がマウス(無線仕様)を慎重に動かし、ページが移動した。
 どれどれ、と言って覗き込む。

 バナナ神存在論とその実証性

 題名から見るのを諦めたくなった。
 というか、普通の神よりもバナナの神を優先するか。
「……やめとくか?」
「……そうですね」
 困ったように苦笑いを浮かべる優衣が頷くのを見て、別のアドレスを打ち込もうと試みる。
「輝弥のページでも見るか……」
 前に聞かされた六文字にドットシーオードットジェーピーを付け加える。
 移動はすぐだった。
 だから故に――俺は悶絶した。
 輝弥のページは、男にとって嬉しすぎるページだった。
 いや、まあ、つまり、そういうページだったわけだが。
「優衣、見るなよ。見たら目が汚れる」
 優衣の両目を隠し、マウス(無線仕様)でスクロールさせる。
 俺はなぜか速読の力を手に入れているようだ。自分で断言するが、エロに努力は惜しまない。というか晴れ晴れと開き直る。
 最終的にひとつの項目で手が止まった。

 〜年間二千円で会員になれます。今ならM.Sの写真付(風宮学園生徒限定)〜

 プルプルと震える手でクリックし、キーボードに頭を打ち付けた。
 ダミーだった。ウイルスではないが、それ以上に欝な画像だった。
「良い根性してんじゃねぇか……」
 御劉の裸体が写されていた。
 マッチョポーズらしきものをしつつ、目元だけが隠されていた。
 【ひっかかった人乙】という文字を見てぶちギレそうになった。
「あ、えと、私はそろそろご飯作りにいっていいですか……?」
「ああ、いってら。今日もおいしいご飯をヨロシク」
 優衣から手を離し、軽く髪を撫でてやる。
 部屋から出て行くのを確認し、本腰を入れることにした。
「エロ画像……女子校生……後輩も入れとくかな」
 それでいいのか? と問われたら、もちろんと答える人間だった。
 検索結果が表示される。

 エロ画像 女子校生 後輩 で検索した結果 1〜10件目 / 約19,600件 - 0.55秒

「う〜ん。今日中に全部見れっかな……」
 馬鹿らしい伝説でも作るつもりなのだろうか。
 それでもこの意気込みは無意識に作られていた。もしかして俺は天性的なエロなのだろうか。
「弟君〜♪」
「ちっ」
 近づいてくる気配を感じ、即行でウィンドウと履歴を消去する。
 まるで熟練者のような早捌きだが、前にも言ったとおりエロに関しては超人なのだ。
「パソコン買ったんでしょ? みせてよ〜」
 優衣とは違って完全に抱きついてくる美姫。
 だが少し視点を変えて考えれば、俺の身体は美姫のせいで身動きできず、美姫の瞳は声とは違ってマジモードだということがわかった。
 というか、俺の速読術を超えるような鷹の目だった。
「エッチなページとか見てるでしょ?」
「見てないって」
「履歴は消してるねぇ」
「まだ何のページも見てないからな」
「一時フォルダにも履歴っぽいものって残るんだよ」
「……」
「……」
「……」
「……」
 ジーザス。
 ごまかすことも何もできずに、美姫の手によって表示ページの年齢制限をかけられた。
 後日談だが、美姫はポエムを書いているだけあって自分専用のモバイルノートを持っているらしく、本当の熟練者だった。
フォントいじりがしたい小説
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