壊れ物第一弾
主人公=エロい三流芸人ノリ とおぼえてください
さまーすもーるすとーりー【SSS】1
『ブレックふぁ〜すと』
夢を見た……
個人的にはHな夢を見たくて仕方がない。
もしみれたら号泣モノなのだが、現実の神は無情らしい。
それでも、稀にみることがある。
宝くじのようなものだ。
自我ありまくりで期待していると――半分期待通りの夢だった。
「弟く〜ん♪」
「お兄ちゃん……」
いきなりハーレムな夢だった。
左右から俺がサンドされていた。
美姫と優衣……こういうのを姉妹丼って――
『いや、現実をよく見ろ!?』
俺は叫びをあげつつ目を凝らしてみた。
美姫と優衣からの熱烈な抱擁を受けている【俺】はまったく身動ぎひとつしていない。
サーと血の気が引き、足からゆっくりと見上げていくと……
泡を吐いている俺がいた。
『……』
撤回。
朝から……なんてグロテスクな夢を見たんだろう。
醒め切った心で夢から浮遊した。
「知らない天井だ……」
「どうしたの、弟君?」
自分の将来図を見て衰えていたところで美姫が覗き込んでくる。
トラウマ欄に追加された、甘美ながらも恐怖をそそらされる誘惑の君。
「朝からなんで退くのよ〜、よよよよよ〜〜」
「いやぁ……」
夢見が悪いんだ。
とはいえず。
「俺とお前の住む世界は違うんだよ……」
「好きなだけじゃだめだっていうの!?」
「……ごめんよ、俺が弱いから……」
「そんなの――そんなのおかしいよ!?」
会話自体がおかしいとは口が裂けてもいえない。
「ずっと一緒にいられなくて……ご………………め……………………ん………………」
ガクッ←ベッドに倒れこんだ音。
「いやぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」
ガシッ←覆いかぶさってきた音。
「ぐはっ!?」
夢が現実になろうとしていた。
というか怪力に加減がないことを痛感した。
そのとき、救いの手が伸ばされた。
「……二人とも、朝ごはんが冷めちゃいますよ……」
ビクッ←美姫の硬直音。
弾かれるように起き上がった美姫は、ポリポリとごまかし笑いを振りまく。
可愛いので許してやる←オヤジ。
それにしても美姫って――
「なんか変なこと考えてない?」
「まだ何も考えてないぞ!?」
ついに心の先読みまでされてしまった。
「………………まだってことは、やっぱり何か考えようとしてたのかなぁ?」
俺はとんだ失態を犯してしまったようだ。
回転する思考回路。テスト期間よりもこういう境地のほうが頭は回る。今にも焼き切れそうな回転速度で思考回路が答えを導き出そうとする。
美姫の輝かしい笑顔。今日の教訓、女の笑みには裏がある。
「今日の朝ごはんは炊き立てご飯に生卵、海苔に焼き魚、味噌汁です♪ ご飯は大盛と少なめとどっちがいいですか?」
「やっぱり『でかい』ほうがいいよな、うん」
途中挿入された大盛話に『でかい』は間違ってる気もしなくはないが、直前までの選択内容だったせいで『でかい』という単語がでてきてしまった。
「………………………………やっぱり私、胸ない?」
そしてそれは遠まわしの地雷だった。
美姫の笑みは輝きを増し、激しくヤバイオーラを倍増させていた。
俺は天井を見上げる。
「――どこでどう選択肢を間違えたんだろう」
「全部、だよ!!」
俺の視界がクルクルと回り、最終的には黒く染まった。
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