第18話 魔法の盾(改良型)
ラウルから盾を渡してもらい以前、コートを脱がせた案山子に盾を装備させた
「じゃ次リルム、魔法を盾に打ち込んで!」
「分かった・・・行くわよ!」
リルムは両手を掲げファイアーボールを詠唱し案山子へ向けて打ち出した
今回は魔法の杖を装備していないため30cmくらいの火球が出来上がった
火球は盾に当たると同時に盾に吸収された
「じゃリルム、盾の裏側に隙間があるから手を置いて精神を集中して」
リルムは案山子に近寄ったあと盾を手に取り裏返す・・・
そして言われたとおり盾の隙間に手を置き精神を集中させると、盾が吸収した魔力を取り込んでいった
「お疲れ様リルム、ラウル、ゼルス、此れで実験は終了だよ」
ラウルは攻撃の受け側だったが慣れてきたのか普通に2本の足で立っていた
ゼルスはというと折れた剣とにらめっこをしていたが今は鎧を脱いでいる
リルムは魔法の盾を掴んだまま爪を噛み何かを考えている・・・
実験は終了しラウルとゼルスは宿屋の方向へと歩き出したがリルムは未だ工房の前に佇んでいた
「リルム、行かないのか?」
「ごめんラウル 先に宿屋に戻ってて、私ダイに用事があるから・・・」
「分かった、先行ってるぞ」
リルムはラウム達にそう言うと工房の横にある居住スペースへと足を運んだ
「ダイ!ちょっといい?」
「リルム?どうしたんだい忘れ物?」
「ちょっとダイに聞きたい事があって・・・」
「少し待ってね、今お茶を淹れるから」
コップに以前作ったお茶を注ぎリルムへと手渡した
「ありがとう・・・」
「それで・・・聞きたい事って何?」
「それなんだけど・・・ダイは最近、魔法の盾とか杖とか強力な装備ばかり作ってるけど
商売相手は何処の誰なの!?」
「どうしたの突然?」
「いいから質問に答えて!!」
「客の信用に関わる事だから僕の口からは言えないんだけど、でも・・・」
「でも?」
「2日後の工房にて装備品受け渡し日にばったり会えばしょうがないよね」
「分かったわ・・・そういうことなら、でもダイって見かけによらず・・・」
「人聞きの悪い事を言わないでよ、僕の口からは喋ってないでしょ?」
「確かにね・・・・・・・・・ウフフフフ・・・」
リルムは納得した様子で宿屋へと歩いていった
そしてこの日から2日後の朝・・・
「ダイおはよう!」
「リルム・・・こんな朝早くから来るなんて」
僕は目を擦りながらリルムを出迎える・・・
「ダイ、眠たそうね・・・駄目よ夜更かししちゃ」
「誰のせいだと・・・」
リルムは色々と工房の中を歩き回りながら「アレ何?コレ何?」と質問をしていた
そうして時刻は昼近くになったとき鉄扉を叩く音がした
僕は静かにリルムに声を掛ける
「リルム着たようだよ・・・さりげなくね」
リルムは声を出さずに頷いた
「ダイ殿おられますか?」
「はい、今開けます
お疲れ様です、お待ちしておりま・・・!?」
鉄扉を開けたと同時に思いも寄らなかった人物に遭遇した
「やあダイ、装備品を取りに来たよ今回は何をくれるのかな?」
「ダイ来たよ~~~」
「な、何故!?」
「あらダイ、お客さん?」
リルム、タイミング悪すぎ・・・
「おや?ダイもすみに措けないな・・・この娘は誰だい?」
「え? ラグロス様!? それに・・・ルミリア様まで!?」
あろうことか近衛騎士副団長と魔法騎士が装備を受け取りに遣って来たのだ・・・
「何故ラグロス様やルミリア様が此処に?」
「ダイ堅い堅い、普通にラグロスって呼んでくれよ俺とダイの仲だろ?」
「そうだよボクのことも呼び捨てでいいのに・・・」
仲もなにも10日前に会っただけなのだが・・・
リルムの居た方を見ると片手を上げたまま顔が引きつっている・・・
「えっと・・・ら、ラグロス?」
「おう!」
「ル、ルミリア・・・?」
「は~い!」
近衛騎士を呼び捨てにするなど・・・ああ心臓の鼓動が
「それはそうと・・・うしろの君は?」
「ははは、はい!わ、私は・・・ぼ、冒険者のリルみゅ・・・リルムと申します!」
「噛み噛みだねえ・・・普通でいいのに・・・ああダイ、装備は出来上がったかい?」
「はい、今回は魔法の盾をお渡しします」
そう言って壁際に置いてあった3個の新・魔法の盾を差し出した
「これがそうか!噂に聞いてたけど綺麗な色をしているな」
「説明すると此れは改良型で剣戟も魔法も受け止める事ができます
相手が鉄の剣ならば壊れる事はありませんし魔鉱石を材料に使ってますから自身の魔力を回復する事も可能です」
「なるほど・・・注意点はあるかな?」
「魔法の盾ですが魔法を吸収して裏側の隙間に手を置く事で自分の魔力を回復する事が可能です・・・ただし魔法を吸収していない状態で魔力を回復し続けると普通の盾に戻ってしまいますから、その時は工房まで持って来てください」
「ああ、分かった・・・それはそうと槍ありがとな」
「使い心地はどうでした?」
「軽いし攻撃力は高いし大満足だよ」
「それは良かった・・・」
「ボクも良かったけど陛下に怒られちゃったじゃないか!」
「だから衛兵に託頼んだでしょ?『室内で使わないように』って」
「でも新しい装備は使ってみたくならない?」
「それはそうだけど・・・でも気をつけないと」
「そうだぞルミリア、気をつけないと・・・」
「そういうラグロスだって槍で壁に穴開けちゃったじゃないか」
「わぁ!?バカッ!」
ラグロスは大慌てでルミリアの口を塞ぐが一足遅かったようで
「ラ・グ・ロ・スゥゥゥゥ?」
「ははははは・・・・忘れろ!!」
ラグロス達と色々と話しているといつの間にやら夕暮れ時になっておりラグロスは城へ戻る事となった
「あ、そうだダイ」
「ん?」
「別に誰に頼まれたか秘密にしなくてもいいからな?」
「もしかして気づいてた?」
「勿論、バレバレ」
「やっぱり・・・・・・」
「工房に入る時、気配が2つ感じたからな確信はなかったが声を掛けられたときに確定した」
「はぁ~~~~あ、そうだ次回は重量があるからできれば3人で」
「わかった」
「じゃあねダイ!」
ラグロスとルミリアを笑顔で見送り未だに緊張が解けないリルムを解凍した
「リルム、ラグロス達・・・気づいてたみたいだよ」
「え?なに?私何してたの?」
「リルム?」
「そ、そうだラグロス様が工房に来て・・・ってキャー私、私・・・」
「大丈夫だってラグロスとルミリア、笑ってたし」
「そう?それならいいんだけど」
「更にラグロスがリルムが工房にいる事を最初から知ってたみたいだし」
「そんなぁ~~~~~」
落ち込んでいるリルムを慰めながら宿屋へと送って行きラウルへと引き渡した・・・
タイトルに悩みました・・・
読者の方より途中からラウルの名がラウムになっているとの御指摘を受け全話を見直しすべて訂正を行いました
他の事でも何か気づきの点があれば遠慮なく仰ってください
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