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  西方派遣軍 作者:栗林
第七話,ラ・ロシェール上陸
それからしばらくして、艦隊はガリア、ノルマンディー付近を航行していた。
この艦隊には大アフリカより補給艦がついてきており艦隊の補給を行っている。

この補給艦がなければどうにもならないだろう。
西方派遣軍が目指すのはラ・ロシェール、山間の町で空飛ぶ船の拠点でもあるが西部には一応空海軍海上部隊の船舶もおり近代軍隊の軍港として使用するには不十分であるものの一応艦艇の停泊は可能である。


ただしトリステインの海上兵力及び航空兵力の拠点である為万が一の場合はトリステイン軍からの反撃をうける可能性があった、なので入港前には戦闘準備が行われた、万が一トリステインが攻撃してきた場合に備えてである。

陸軍の輸送船では。
「上陸用意!!!」

エルフ軍との戦闘で鹵獲したイギリス軍のXライターを参考に開発した甲式上陸用舟艇は試験の結果良好な性能を示した、クレーンで海上に投下され兵士達は縄梯子で下に降りる、舟艇に乗り込めば後は陸へ向けて上陸を敢行。

航空機と同様現在ある秋津州の兵器の中でもかなり進んだ兵器といえた。
明治時代の日本陸軍のものに似ている戦闘服に見を包んだ兵士は三八式歩兵銃などを持って迅速に作業を行っていた、その一方で海軍の艦艇はさらに軍港に近づいた。

「おいなんだあれは?」

「船?」

「木じゃないぞ?どうやって浮いているんだ?」

「鉄の城か?」

「えええ!?」

地元ラ・ロシェールの人々は流石に驚きを隠せなかった、しかもその鉄の城とやらには明らかに大口径砲が装備されていた。
これに対しさすがのトリステイン側も警戒態勢に入り空海軍の空飛ぶ船はいつでも出撃可能な状態になった。

「よし、装載艇を意してくれたまえ」

「了解!」
南郷の指示により旗艦『三笠』から内火艇が投下される。
付近の陸地に上陸させるためにこのような艦艇は搭載されている、また日露戦争頃の無線通信技術は初歩的であり同じ泊地でいろいろやるものあれで電波を傍受される危険性もある為それを避けるためにはやはり直接人員を移動させるほうがよいのだろう。

また脱出用にも使える。
南郷自身がこれに乗りラ・ロシェールに赴いた。

「お、おい人がいるぞ!!」

「きゃあああ!!!」

あまりの突然の事、そして余りに奇妙なものを使う彼らの前にトリステインの国民はパニック状態だった。
南郷自らが向うのは危険で自殺行為ともいえたが彼はどうしてもわかってもらうべく危険だとわかっていながらもやってきたのだった。

すぐさま空海軍の士官達が平民達にどけと叫びつつかけつけて来た。
「貴様、どこの国の者だ!」

「秋津州帝国、私は秋津州帝国海軍連合艦隊司令長官の南郷という者です」

「帝国?」

「艦隊司令長官?」

空海軍の士官達が話し合いを行う。
空海軍の士官の中には平民も混じっている、努力次第では平民でも士官になれるからだ、しかし貴族のほうがやはり多くしかも平民士官も部下の貴族にはきやすく命令できないという有様であった。

「艦隊司令長官…という事は将官であるか?貴様はメイジであるか?」
メイジの士官が南郷に問う。

「メイジ?我々の国ではかなり前に権限を大きく制限され平民と平等とされた輩の事ですな?」

「なにぃ!?」

「まあ話を聞きなさい、私はそのメイジとやらではない。諸君らの言うところの平民である」

「なっ!?平民だと!?」

再び場がざわめいた、提督が平民という常識的に考えてあり得ない事がおこったのだ、彼らの目の前で。
秋津州にもかつてハルケギニアの国々との国交もあったのでメイジという者は存在するが近代化を邪魔する者として憲法により権限は大きく制限され今や平民とほぼ同等、敷地も屋敷とちっょとした庭ぐらいに留まっていた。

しかも選挙権も貴族と平民、25歳以上の男子には絶対にありあまり貴族といった感じではなくただやたらとお金持ちであるというだけであった。
しかも最近は平民の資本家もいるので平民のほうが大富豪だったりする事態もありこれでは貴族になんらいい事がないではないかと貴族が反発。

ただし貴族にまったくいい所がないというわけではない、身分上・財産上の特権があり貴族院の議員になることもできる。
ただしやばい事をするとその特権もなくなってしまうので注意が必要との事だ。

「平民ごときがなんで!?」

「我が国は貴族社会から平民と貴族、両方あってこその社会になっているのです。古い考えにとらわれない社会を築いた事によりこのような近代化を果たしたわけです」

「近代化とかなんだかってしらないが、野蛮な奴らだ!平民が司令長官だはわけのわからないものに乗っていきなりやってくるわ!閣下!これは政府に連絡したほうが?」

「そうです!これは明らかな侵略です!」

空海軍の士官達は政府、つまりは王族とその重臣に連絡をとりどうするかを確かめるべきだと主張した、この時、国王は崩御しアンリエッタが国家の象徴的存在になっておりレコン・キスタに追われながら生活するウェールズを助けようといろいろと努力をしていた。

そのアンリエッタの決断次第では秋津州とトリステインは戦争状態に突入する、もちろん兵器の性能してトリステインは始めは圧倒されるだろう、しかし補給線が長すぎる秋津州のほうが不利ではある。

これを避けるべく南郷大将はこう説明した。
「我々は侵略軍ではありませんよ、いや。むしろ交渉ですな」

「交渉?」

「そちらの国王様と合わせていただけないでしょうか?」

「国王様?国王様は崩御したのでいない、アンリエッタ姫殿下が代行役だが…平民の貴様が姫殿下に会う資格などない!」

「ほう、しかしそれを決めるのはその姫殿下という人物ではないのか?」

「閣下!こんな奴ら!艦隊を総動員して叩き潰してやりましょう!!」
とある士官は秋津州と開戦するつもりであった。
しかし司令官は違った。

「馬鹿者!命令もなければ宣戦布告もしていない!貴様こんな所で戦争を起こす気か!?」
司令官は無意味な開戦は避けるべしと言わんばかりに士官に対し、激怒し怒鳴った。

「す、すみませんでした」

「私の部下が失礼した、南郷提督だったか?今から私自らがお城に行き交渉を行ってくる。それまで大丈夫か?」

「何時までかかりますか?」

「往復で数日はかかるかと」

「よろしい、艦には食料もある。気長にまっている、そしてよい回答を待っております」

「では…おい!俺の馬を用意しろ!それから平民だとしても相手は提督だぞ!俺の酒を樽ごと持ってこい!」

「しかし、こいつら平民ですよ?平民ごときに我々の酒を丸ごと…」

「馬鹿野郎!司令官の命令が聞けんか!?」

「了解!」

このような形で西方派遣軍の艦隊は数日ほど待つことになる。
はたしてトリステインからの回答はどのようなものであろうか?

御意見、御感想などお待ちしています。
次回あたりからようやくゼロの使い魔のキャラクター登場です。


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