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  西方派遣軍 作者:栗林
第五話,インドにて
海戦の結果、エルフ軍の撃退には成功しインド要塞での給油には成功。
しかし艦艇に若干の損害と若干の犠牲者が出てしまった。

しかし人員はインド要塞で補うことができまた艦船の損傷も航海に支障がない程度で、だが格好悪いからか応急処置は行われている。

「どうも、乃木です」

「連合艦隊司令長官の南郷であります」

「いやぁ、先ほどの海戦みておりました、流石というか。しかし船のほうは大丈夫なんですか?」

「ふふふ、航海に支障はないし戦闘を行う分にも支障はないですよ、あの型の戦艦は期待通りの防御力でありました」

実に丈夫な戦艦はエルフ軍の攻撃を食らってもそう容易く沈むこともないし大破して航行不能に陥ることもなかった。
これほどの戦艦が秋津州にある事はまさに、海軍にとっても、そして国民全体にとっても、嬉しく誇りある事であった。

「しかし、西方ハルケギニアですか………長いですな…」

「うむ、運河さえあればよいのですが封鎖されているという噂で…本土からアフリカという大陸をぐるっと回らねば」
とある国が運河をつくったのだがそこは今エルフが占拠していると噂されている。
最も真実かどうかは不明だが強行突破は危険であると感じた南郷はほぼ未開の地であるとされているアフリカという大陸をぐるっと回るという、バルチック艦隊の逆ルートで行こうとしていた。


危険な航海である、しかしこのルートしか安全な場所がないのだ。
また寄港予定地点も決まっている。
諜報機関が得た情報によると新しい女王の政策で新しい体制への移行しようとしハルケギニアの中から見ると比較的中立的であるトリステインにあるラ・ロシェール港への寄港が予定されている。


空飛ぶ船の拠点でもありながら一応水上を走る艦艇用の皆港もありかつハルケギニアの状況から考えて最も行きやすい場所であった。
(ガリアやロマリアの場合艦船拿捕、乗組員拘束、場合によっては処刑の可能性あり)

「しかし、いくらトリステインが比較的中立的とはいえ、我々を迎撃してくる可能性だって全くないわけじゃないですよ?」

「しかし、安全面では一番だ、少なくとも私はトリステインとの間で戦争があるとは思えない、あるとすればガリアかロマリア、特に諜報機関の情報が正しいのならばロマリアとの開戦はありえるでしょう。宗教がらみでね」

「やっぱりですか?あっちの世界じゃいろいろと弾圧がひどいときいておりますからな」
宗教がらみで小規模だろうが大規模だろうが、弾圧が行われているのは確かだ。
過去のトリステインでは虐殺すら行われロマリアでも諜報機関の噂では異端とした者をこっそり粛清しているという。

無論秋津州が知る情報は正確とはいえない。
長い間東西で遮断され秋津州の諜報機関が正しい情報を手に入れているかもぶっちゃけていえば微妙な所である。

「お、そういえば南郷さんや、いつ出航ですかい?」

「明日の早朝、つまり今日はインドで急速ですよ」

「ははは、そうですか、まあ安心してくださいや、この要塞。1日で陥落するほどもろいもんじゃないですから。敵ともまだ距離はありますよ」

「では、本日はゆっくりさせてもらいます」

「ははは、我が陸軍も大歓迎だよ」
秋津州はあれから大量に人を送り込み動員兵力も100万ちょっとから150万ぐらいになっていた。
ところでほかの場所が手薄なのになぜエルフ軍があまりやってこないか。


それはロシアにあたる国のおかげだ。
秋津州とそのロシアにあたる国はかつて、敵対関係であったものの秋津州がやられれば次は我々なのではと次第に危機を感じ始め秋津州と手を結ぶに至ったわけだ。


このような事がよく繰り返されているからこそ、東方と呼ばれる場所は争いの絶えない場所と呼ばれている。
一方主役である清隆は…

「おおお!!」

「あれが内地で新設された海軍航空隊でいばっている茂原少尉か、流石に上手だ」

清隆がインドにあった航空機で曲芸飛行を見せていた。
複葉機というやたら運動性能がいい機体で相当のベテランでないとできないような事をやっていた。
流石は内地で飛行機の操縦方法を教えていただけの事はある。


やがて着陸、盛大な歓迎をうけた。
「茂原少尉!!」

「ふぅ…」

「いやっ!すばらしい飛行でした!!」

「ありがとう、いやぁ久々に飛行機を操縦した」

「内地で散々していたじゃないですか」
っと整備兵は笑いながら言う。

「船にのっている間はしていない、まったくただでさえ船が苦手だってのに苦痛だよ」

「よ…よくそれで海軍に入れましたね…」

「黙れ、いろいろあったんだ」

「はっ!」
いろいろあって清隆はここにいる。
そうでなければこんな人、海軍なんかにいれるわけがないのだ。

*夜*

「…」
清隆は空を見つめていた。
今日は快晴で星がよく見える。
「………ふっ…」

彼はなにかを考えているようであった。
(……こうしていると、なにもかも忘れた気分でいれていいな。ずっとこういう平和な時間が続けばいいんだが…)

やはり彼も人間、平和というものを望んでいた。
ただし飛行機は好きなのでずっと飛ばしていたいという気持ちはある。
その後彼は戻るためあるいていた、その時であった、黒い影が飛行機の所にあった。

不審に思った彼は声をかけた。
「誰か!!」

「はっ!整備兵の山口であります!!」

「…なんだ、どうしたんだ?」

「こいつは発動機の調子がわるかったんですよ。っでいろいろ調べた結果交換の必要がありました、発動機さえ交換すればもう大丈夫です。インドの部隊所属機なので茂原少尉には直接関係はないのですが。我が国の工業生産力を考えれば1機だって貴重なんです。明日には立派な戦闘機にして搭乗員の皆さんによろこんでもらうのです」

「そうか…俺らが安心して操縦できるのもお前ら整備兵のおかげだな…いつもありがとうな」

「やですなぁ少尉殿…私少尉殿の飛行機は直した事ありませんよ」

「まあまあ、俺は整備兵全般に感謝しているんだ」

「ありがとうございます…」
こうして夜が明け、西方派遣軍の艦隊は航海を始めた。
ラ・ロシェールへ向けて。

そして、艦内では清隆が大人しく座っていろいろ考えていた。
彼が考えている事は誰も知れない、っが彼が考えている間にも船は西方へと進んでいた。
……しかしハルケギニアにつくまでにはまだしばらく、かかる。


御意見、御感想などお待ちしています。
あと何話でハルケギニアに到着するかな…


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