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  西方派遣軍 作者:栗林
第四話,危険な給油
インド要塞……そこは現在秋津州陸海軍最大の要塞でありまた南方資源を守る最後の砦でもあった。
資源が乏しい秋津にとってここを突破され南方の要所を占領されることはお国の終了といっても過言ではない。


そのため現在この要塞付近には70万近い秋津軍がいた。
さらに増援として内地の戦力を20万ほど送る予定でいた、これは内地の防衛能力のほとんどでありそこまでしなければいけないほど、このインド要塞は重要な拠点であった。


そこまで努力をすれば流石のエルフ軍もなかなか攻め落とすことができず一進一退の攻防戦が続いていた。
実質エルフ軍の犠牲の多くはこのインド要塞攻略作戦での犠牲者であった。
それほどまで堅固な要塞なので安心…かというとそれはNoである。


エルフ軍だって複葉機ながら航空機はもっている。
流石に船を沈めるのは困難だが爆弾を落されたらそれなりに損害は出る。
西方派遣軍にとってそれは許されない事だ。


ちょっとでも損害をうければハルケギニアで万が一戦う破目になった場合必要な戦力がなくなる可能性があった。
秋津州の予想ではハルケギニアの国々はアームストロング砲ぐらいはあると考えていた。
実際はないのだが。

さらに火縄銃が主流ながらも一部の精鋭部隊には近代的な銃があるとも考えていた。
実際にはないのだが。

そして少数ながらも超兵器があると予想していた。
これは正解であり500km/h以上の速度で飛ぶ事ができ20mmという秋津州の航空機から見ればありえないほど大口径機銃を装備している日本の零式艦上戦闘機五二型(おそらく甲)。


100mmという分厚い装甲、砲塔がぶっ飛ぶほどの威力がある88mm砲を搭載し当時連合軍兵士からは見れば恐怖の存在であったドイツのⅥ号戦車ティーゲル。
いずれも弾薬の補給は現段階では無理であるものの零戦に限ってはコルベールが開発した『空飛ぶ蛇くん』が機銃のかわりに攻撃をしかけてくる。


燃料はすでに自給が可能となっておりしかもパイロットはガンダールヴの力によってあらゆる兵器を下手なベテラン以上に使いこなせる事ができる平賀才人だ。
もちろん才人の存在は秋津州の人々が知るはずもないのだがこれほど秋津州にとって恐ろしい超兵器はないであろう。


零戦にしてもティーゲルにしても当時最強とまでいわれた事のある兵器だ。
零戦はパイロットの腕もあって寄せ集め旧式の中国軍機にはもちろん戦争初期の段階では米英軍の戦闘機すら圧倒することができた機体だ。
やがて新鋭機の登場などで不利に追い込まれてもベテランが乗る零戦は最後まで恐れられていた。


ティーゲルは火消し役として活躍しシャーマンが零距離射撃を行っても撃ちぬけない装甲を持ち逆にこっちは88mmの火力をもって1000m先のあらゆる敵戦車を撃破できた。
もっともまともな搭乗員は才人しかいないため同時に作戦行動を行うのは不可能であろうがまさに、秋津州が恐れるにふさわしい超兵器達(秋津州からみれば30~40年先の未来の兵器)だ。



そのような相手との戦闘も視野にいれなければならないのだから今回の給油で敵襲にあい部隊を損耗するわけにはいかないのである。


さて、この作品、まだ主役が登場していない気がする。
それはそうだ、南郷提督は主役ではない、真の主役は軍艦に囲まれて後悔している第1櫻丸という船に乗っているからだ。

「おお、茂原少尉殿。あまり元気がなさそうですな」
茂原清隆、24歳、海軍少尉。
現在空母というものを試験的に配備しようと企んでいる海軍、そのために新設された海軍航空隊の軍人だ。
新設された海軍航空隊だが空母はまだないため陸上基地でパイロットを育てていた。


その彼、いま元気がなさそうである。
どうしたことかと従軍カメラマンである荻野が心配そうに話かけた。

「いや……船に酔っただけだ」

「おいおいあんた海軍さんでしょ?めずらしいなぁ海軍さんなのに船酔いするって…飛行機は大丈夫なのに?」

「飛行機と船じゃ全然違いますよ」

「そうですか?いやあ私は飛行機にものったことがないのでよくわかりませんが…そんなものなんですか」

「そんなものですよ」

海軍なのに船に弱い彼は当初馬鹿さりていたが飛行機にのると誰よりもすごい腕を発揮しおちこぼれがいつのまにかもてはやされるようになっていたのである。
「……」

「…あの、本当に船に弱いんですか?顔色悪いですよ」

「本当だ…」

「敵襲!!3時の方向エルフ軍軍艦5隻!!」
その時、艦内スピーカーが敵襲を知らせた。
「えっ?えぇぇ!?だ、大丈夫なのか!?」

「私にきかないでくださいよ!!!」
突如インド要塞の軍港にエルフ軍の軍艦がせめて来たのだ。
3隻は木造だが2隻は近代的な戦艦である。

*旗艦『三笠』*
「長官」

「うむ、木造船じゃない今の戦艦を狙え」

「はっ!」
今の戦艦といっても秋津州の基準なので日露戦争頃の軍艦である。
旗艦『三笠』も敷島型戦艦と同じ構造で同じ戦闘力を誇るものだ。

ドン!!!ドン!!!
外から砲撃音が聞こえてくる。
海戦の始まりを教えるようなものであった。
第1櫻丸にもその音はしっかり聞こえていた。

「ううう…始まったようですね…」

「ええ」
海戦はいよいよ始まった、三笠含む秋津州の戦艦の砲は命中率が低い。
しかし乗組員の錬度がそれをカバーしていた。
すぐさま戦いは艦隊決戦へと移った。

*三笠*
「撃て!!!とにかく撃ちまくれ!!!」

ドン!!ドン!!
次々と放たれる、っが相手も近代的な戦艦ならこちらも無傷ではいられない。
とうとう三笠にも敵弾が命中した。

「うわああああ!!!!」

「山口!!!おいしっかりしろ!!!」
グワーン!!」

「うう!!」
それは日本海海戦を描いた某映画のようであった。
このあたりはすっかり血の海と化してしまった。
それでも三笠含む数隻の戦艦やその他艦艇は戦い続けた。

「おもーかーじ!!!」
戦艦vs戦艦…それはまさしく、皆大好きな艦隊決戦である。
双方とも砲撃はすさまじいものであったが数で劣るエルフ軍は近代艦2隻を損失、木造艦も2隻が撃沈され1隻はどこかへ逃げていった。

海戦は比較的短時間で住んだものの三笠は死者53名と船体の一部を損傷するという出す大損害を出した。
そのほか後方の日進などでも死傷者が出た。
しかし沈没艦はなくまたいずれもまだ航行可能な状態であった。

「どうやら…おわったようですね」

「これで無事インド要塞の軍港につけそうですね」

「はぁ……しょっぱなからこれで…この先どうなっちゃうのやら」
清隆はそう呟きつつ気持ち悪そうにしていた。
回避行動のせいでさらに船酔いしてしまったのである。


この後艦隊は無事軍港に到着し給油を行った。
またここで休憩もとられた。



御意見、御感想などお待ちしています。
戦闘シーンの三笠艦内は海ゆかばのほうを参考にしましたが相変わらずの描写不足で…

本番のハルケギニアシーンはもうちょっとだけお待ちください。


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