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  西方派遣軍 作者:栗林
第一九話,上陸
ロサイス軍港攻撃成功直後、チェスターフェールドに多数の航空艦船が集結。最初に気がついたのはチェスターフィールドにあるレコン・キスタ軍の砲台にいた兵士達であった。
「なんだ?あれ?」

「アルビオンの艦船だろ?」

「…えっ!!」
近くに砲弾が命中したかのような轟音が響いた。
それは連続して、しかも近くで聞こえる。

彼らが気がついたのは隣の砲台に命中してからである。隣の砲台に1発が命中し全壊はしなかったが4人死亡、2人重傷という損害がでた。
「…て…敵だぁぁ!!!」

グワァァン!!!

それは……イーグル号から放たれる砲弾であった。
イーグル号はタルブ戦の後さらに近代化改装を受け28サンチ砲2門を搭載、さらに75mm野砲10門を搭載しまた28サンチ砲が砲撃する際の衝撃に耐えるべく艦体の補強が行われた(それでも不十分であったが)。

また28サンチ砲はもちろん75mm砲も重いため従来の風石の量では足りない事が判明し風石搭載量が増やされた。しかし重い砲と大量の風石のおかげで速力、航続力が低下してしまったが。


28サンチ砲を撃つ際には1発ずつ撃つことと決められていた。
それでも28サンチ砲の威力は凄まじくレコン・キスタ軍のチェスターフィールド砲台はあっさりと破壊される。兵士達もなににやられたかを知る事もなくに戦死していった。

砲台が破壊されたといっても念には念をという事で凄まじい砲撃が加えられた。
「あ…あれが28サントもある大砲……凄まじい威力だ。我々の使っている大砲とは次元が違いすぎる。射程も長い」

そう呟くのはコルベールだ。
ちなみにこの28サンチ砲は日露戦争で大活躍し日露戦争後は靖国神社で展示され日本人に馴染み深い火砲となる。

ここハルケギニアにおいても戦後製造されたはいいが実戦には送られなかった28サンチ砲1門は学院前に展示されトリステイン人にとっても馴染みの深い大砲になる。

さらにイーグル号にはルイズ、アンリエッタ、そしてウェールズも乗っていた。
「姫様!」

「勝てるわ!きっとこれなら!」

もちろん28サンチ砲がどんなものなのか理解していないお2人であるが28サンチ砲のあまりの威力に既に彼女達はトリステイン・西方・アルビオン王室連合軍の勝利を確信した。
その頃、竜騎士の1人が全速力でロサイスへ飛行、ハヴィランド宮殿で向いクロムウェルに直接、報告を行った。

「報告!敵主力チェスターフィールドに上陸!」

「それは一体どういう事だ?」

「つまり…アルビオン大陸に敵が上陸し、おそらくロンディニウムに向って南下してくるはずです」

その報告を聞きクロムウェルは机を叩き立ち上がり、怒鳴って近くにいた将軍に対し命令した。
「すぐにロサイスへ向わせた軍を引き返させチェスターフィールドに向わせろ!!敵の侵攻を食い止めるのだ!!」

「了解しました」

将軍が走っていくとクロムウェルは椅子に座った。
「なんてことだ………一体トリステインのどこにそんな力が…」

その頃、チェスターフィールドには見慣れない艦船が多数あった。
砲などはない、艦首に鉄製の大きな扉があった。これはトリステインとアルビオン、そして西方派遣軍が共同開発した航空艦船版「揚陸艦」である。

この揚陸艦は直接陸地に乗り上げ上陸兵を降ろす古いタイプの艦で揚陸艦というよりは戦車揚陸艦である。
「銃士隊!!前へ!!」

鉄製のスロープができ、そこからまず歩兵が降りてきた。
最初に上陸してきたのはアニエス率いる銃士隊である。装備は旧来のものでありながら錬度は非常に高い。メンバーは全員女性である。

「前へ!!!」

続いて西方派遣軍の兵士達が降りてきた。
ほかの艦からも一斉に降りてくるがこの艦と他1隻には秘密兵器が搭載されていた。それは戦車である。

今回レコン・キスタ戦に投入された戦車を含む車両は九七式中戦車6両、九五式軽戦車6両、九五式重戦車2両、ヴィッカース・クロスレイ装甲車3両、ホイペット中戦車3両、そして1934年式のフォードトラック5両である。

チハとハ号以外は急造の兵士である為錬度には不安が残るもののレコン・キスタに勝利するには必要とされ実戦投入されたのである。さらに一部の部隊のみだが自転車も配備された。少数ではあるが戦車と自動車、そして自転車が配備され以前よりも機械化が進んでおりその分期待度は高い。


そして一応平地もあり数時間後には航空機も到着した。
陸軍航空隊である。九五式戦闘機2機と九七式戦闘機2機、そして熊野丸艦載機である一式戦闘機4機、九九式襲撃機2機。さらに海軍航空隊からも才人の零戦、清隆の九五艦戦、龍譲の艦爆6機と艦戦6機。これがアルビオン大陸にやってきた、地上部隊を支援する航空兵力である。

才人達が属する海軍航空隊は……
「気をつけぇ!!」

佐々木少尉の遺品を元に複製した日本海軍の飛行服に身を包んだ清隆と海斗もいた。また龍譲乗組員も同様の服装をしていた。
「我が航空隊は明日よりここから20km南にある地点の敵陣地攻撃を開始する!出撃時刻は0400!地上部隊の攻撃開始と同時刻である!なお陸軍航空隊との共同作戦であり陸海軍喧嘩せずに仲良くやってもらいたい。この陣地には6000人のレコン・キスタ兵が集結し竜騎士の迎撃の可能性もある。時間をかけている余裕はない、早朝から奇襲をしかける。なにか意見のある者は?」

若林は搭乗員達を見る。
皆きりっとしておりとても真剣であった。
「では、今夜はゆっくり眠ってくれ」

「敬礼!」
搭乗員達は一斉に若林に対し敬礼し若林もそれに対して答礼した。
その夜……航空隊の皆が寝ている頃、陸軍は既に進撃を始めようとしていた。なんせ大半はせいぜい馬車があればいい諸侯軍と王軍である。さらにアンリエッタやウェールズなどの王族もおりスピードが遅くなる事が予想されたからだ。

「第1中隊準備よし!!」

「第2中隊準備完了!!」

「戦車その他は!?」

「問題ありません!!」

「よし、進撃だ!!」

「急げー!!」

西方派遣軍はトリステイン軍よりも素早く動き彼らについていけるといえば銃士隊ぐらいである。彼女達は精鋭でありトリステイン軍で唯一自転車が供与されてぐらいであった。

隊長のアニエス・ミランも銃士隊の先頭に立ち西方派遣軍の戦車、そして銀輪部隊に続いて前進しようとしていた。
「ようし!行くぞ!」

「「「はい!!」」」

その光景を見ていた戦車隊隊長の本郷少佐は笑顔でその光景を見ていた。
「ははは、偉く気合が入っているな銃士隊の奴ら」

「そりゃあそうですよ。トリステイン軍で一番錬度が高いと噂の部隊ですから。なにより女性だけですよ?」

「ああ、華やかでええなぁ」

「少佐殿、また不純な事を?」

「女好きですなぁ少佐殿」

「馬鹿もん!男なら当然じゃ!俺には智恵子ちゃんに濱子ちゃんだって…あっ!」

「なんですか?浮気ですか?」

「うるせえ!!貴様らだって人の事いえないだろ!」

「うっ!!」
海軍では女付き合いが派手だったというがこの本郷は陸軍、しかも戦争も末期である。
なのにこの女付き合いの派手さは部下からも噂されており上官からも「国家の危機になんたるだらしなさ!」と怒られるほどである。

しかし彼の部下もハルケギニアにきてからというものの地元の女の子との付き合いが派手になったりとやはり男らしい一面を見せていた。しかし陸軍はまだマシで海軍は凄まじいらしい。

まあそんな余談はおいといて、陸軍は夜から進撃を開始、まもなく南へ20kmの所に迫っている頃、陸海軍航空隊は航空支援を行うべく出撃する。
御意見、御感想等お待ちしています。


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