「芳彦よ。おぬし、さては女のとこへ行っておったな?」
ぎくり。な、なぜバレてしもうたんや。さすが、たけし様。勘が鋭い。
「い、いえ。そのようなことはございません。マジでございます。せっしゃ、ちょいとパチンコに行っていただけでございまする」
「うぅむ。ホントかなぁ。ホントはわしに飽きたから女とイチャイチャしてただけではないかのう」
たけし様が潤んだ瞳でオレを見つめる。なんか、せっしゃ、キュンときちゃうなぁ! なんて可愛いんだ、たけし様。78歳とは思えぬ。
せっしゃは、たけし様をギュっと抱きしめた。
「く、苦しいぞ。芳彦。やめてくれ。やめてくれ」
「いやだ! せっしゃはたけし様を離さないぞ!」
「く、苦しい!」
思いっきり老体を抱きしめたのでポキッとかいやぁな音がする。
でも、抱きしめずにはいられない、この男心!
ポキッ。ポキッ。ポキッ。
ついには、たけし様、キレ始めた!
「こら! やめんかい! 芳彦、てめえ、ぶっ殺すぞ!」
せっしゃはぶっ殺されたくないので離れた。
たけし様は、はぁはぁはぁ息をはずませている。
「おぬしがわしにぞっこんなのはわかっておる。しかし、年齢というのを考えよ。マッチョな十代のおぬしが老人のわしを強く抱きしめたりなどしたらどうなるかくらいはわかっておるだろう」
「申しわけございませぬ」
せっしゃは深々と頭を下げた。
「もうよい。頭を上げよ」
「は」
せっしゃとたけし様は、恋人ごっこに飽きたので、城から出てゲーセンに向かった。
途中、野良犬が追いかけてきた。
二人は逃げた。
「お、おい。芳彦。この犬、なんでわしらを追いかけてくるのじゃ」
「わかりませぬ。わかりませぬ」
汗だく。ついには、たけし様が犬につかまった。
「ああ! たけし様ぁ!」
「た、助けてくれえ! 芳彦ォ!」
犬に連れていかれたたけし様は今だに城に帰ってこない。おそらく、犬の奴隷となり、ソープランドで働かされているのだろう。
その話をしたらカノジョが「大変じゃない! よっくん。助けにいかないの!」
「だって、せっしゃ、犬が嫌いなんだもの・・・・」
「キライって言ったって主君のピンチなんでしょ? 家臣がそんなことでいいの!」
「しかし、犬が・・・・」
「バカ!」
カノジョがコーヒーをせっしゃの顔にぶっかけた!
「あ、熱っ! 熱い!」
オレは床にのたうち回った。
「はぁはぁ。このアマ、調子にのりやがって。ぶっ殺してやる!」
「ちょ、ちょっと! よっくん! 言葉遣いが何か変よ! そんな目であたしを見ないでちょうだい!」
「うるせぇ!」
オレはカノジョをボコボコにした。
慣れない時代劇口調でストレスがたまってたんだ!(了)
|