「19」決断
あたしは、新たな道を歩いていた。キャバ嬢。慣れない事だらけの世界。
飲めないお酒を飲んで、ひとみしりをかくして必死になって話してた。でも、なかなかとれない指名。なんども、慣れないヒールにつまずく姿はまるで自分の人生そのもの。
毎日、くやしくて、もどかしくて泣いた。
ドラマのような綺麗なだけの世界なんかじゃない。世間が思ってるような、楽な仕事なんかじゃない。でも、悪いもんでもない。あたしは、自分がこの仕事をやってるうちに、同業にあたる今まで通ってたホストクラブのことを思い出した。なんとなくは、わかってたこと。でも、こうもハッキリわかると、急に今までの自分がバカらしく思えた。
でも・・・あたしは行くことを止めなかった。寂しさを、もどかしさを、惨めさを紛らわすために。
そして、仕事もなんとか慣れ始めかけもちで、体は凄く疲れていたけど、こんなに楽しい毎日は初めてで、初めて生きててよかったと思い始めた頃、あたしは誕生日を迎えた。
「あげはちゃんお誕生日おめでとう!」
「あげはちゃん、やっと19歳だねー!」
「ほんとにおめでとう!」
少ないながらも、わざわざあたしなんかのために来てくれたお客さん。ほんとに嬉しかった。どうしようもなく嬉しくてこんなに感激した誕生日は初めてだった。
この仕事をしててよかった・・・ホントにそう思えた瞬間だった。
「みんな、ありがとー!!」
そして、丁度この時期あたしは、決断した。明確な目標をたてた。行きたい学校をみつけて、両親と逃げずに向かいあって話をして・・・。
きっと、まだ遅くない。今からでも・・・・
真弥、只今20歳。私は今も働いている。夢のために。いつかどんなに時間がかかっても叶えようと思う。
相変わらず、ライブには通ってる。でも、歌舞伎町は卒業できたかな。たまに遊びにはいくけど、前みたいに中毒みたいになっては通ってない。
あたしの、犯してきた過ちは消えない。手首に残る傷跡も、消える事はないだろう。
まだまだ、所詮は20。知らないことも沢山ある。きっとこれからも、辛いことはあるだろう。
でも、あたしは戦ってみようと思う。もう、逃げてばかりの人生は嫌だから。支えもある。何より1人じゃない。
やらないで、後悔するよりは、やってから後悔したい。
こんなに変われた。あたしは、悲劇のヒロインなんかじゃない。
これから先、待っているのはハッピーエンドか、はたまたバットエンドか。
それは全部あたし次第。
生きるって、こんなにも楽しいことだったんだね。
END
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