crazy more crazy 〜すいません、ここは異世界です〜。(28/39)PDFで表示縦書き表示RDF


 料理でねえ!
crazy more crazy 〜すいません、ここは異世界です〜。
作:摩璃藻



グレン先生の料理教室☆(2)


「狩るって……何を狩ればいいんでしょう」

 とか言いつつ、もう僕の右手にはツノの生えた紫色のウサギみたいなモンスター、【マンデノウサギ】が三匹づつ握られてますけどね。
 ……人間の気配が少ないからでしょうか?
 思わず苦笑。




―――なら俺にくれ。人間ではないのなら、俺になるだろう




「嫌ですよ。僕は人間です。アンタとは違う」

―――本当に、か?

「ええ。少なくとも僕はそう思ってます」

―――最近は、俺の力ばかり使っているがな。いずれ、力ずくでお前の体を奪ってやる

「ははは。……出来るものならやってみて下さいよ。僕は貴方に屈したりしない。それぐらいなら、自分で自分を滅ぼしてやる」

―――まさか。出来る筈がない。お前は俺と同じ―――

「―――【最弱】でしょう。分かってますよ。弱いから、力を手に入れた。そして、もっとも臆病」

―――嫌な言い方だが、真実だからな。不思議だろう? いくら強くなっても、怖い。いつか俺は激痛に苛まれ、とても苦しむのだと

「僕も、嫌です。……ところで、何で出て来たんですか」

―――いや、いいのか? 殺されそうだぞ

「え」





「フィィィィイィイイイイィィ!」




 ……ええと。このマンデノウサギを大きくしたようなモンスターは……

―――【グーセスプリンセス】だな。大物だ

「いやそういう問題じゃねぇよ!? 何で、ここ、洞窟!?」

―――ボーっとしすぎ

「アンタが出てくるからでしょうが!」

―――グーセスプリンセスが居る洞窟がある。って言おうとしたんだが、遅かったな。……あ、死ぬなよ。死ぬなら俺にくれ

「死ぬか! うわっ!」

 グーセスプリンセスは、大きな前足で横薙ぎ。
 ギリギリでかわしたものの、上着の一部が破れる。

―――俺の力を使わなければ、お前は普通の少年だろう。シャドーナイフのレプリカがないと大変だな

「黙れ!」

 振り下ろした前足を掻い潜り、グーセスプリンセスの横の腹側にまわる。
 渾身の力で、蹴り。

「……」

「……フィイイイイイイイ!」

 はい駄目無傷!

―――弱っ

「ほっとけ! 僕はどちらかといえば弱い方の子なんですよっ! つーか勝てるかぁこんなのに! 誰かー!」

―――助けてやろうか?

「ニヤニヤすんな! ……糞っ」

 瞳が赤く染まってゆく。
 嫌だ嫌だ嫌だ。こんな……!

「っ、がっ……」

 僕の腹が、爪によって裂かれた。
 血が噴出す。意識が持っていかれそうだ。
 やばい。今回は、いつもとはわけが違う。【鬼神】が【起きて】いる。出てきてしまう。乗っ取られる!

―――必死だな

「あ、たりまえ、だっ」

 誰だって体は奪われたくないだろうが。

―――じゃあ、殺されてもいいのか?

 嫌だ。

―――全部嫌、か

 全部怖いからですよ。

―――死ぬ方が怖いらしいな? 爪も尖ってきてる

 ……そんなの。

「どっちにしたって、僕は、死んでしまうじゃないですかっ……」

―――誰かが助けてくれるまで待つか?

「……」

 僕は舌打ちした。誰かが来てくれる可能性は低い。
 このまま死ぬか、【鬼神】に体を渡すか―――

「……っふー」

 もしくは。
 この二つじゃ、確実に僕は居なくなってしまう。
 ならば、後、一つ。
 ……魔法を、使ってみようか。

―――おい。お前、それは

 わかってますよ。

「……多分、暴発、すると思う」

―――止めろ。止めとけ。本当に。それは。大体そんな事したら……

「はい。……大丈夫、です。多分。きっと。そう思いたい」

―――だから止めろ!? 下手したら……

「一か八か、いきますよ、高等魔法! ……プラムスウッド・ソード!」

 ……ふっ。
 僕は、異常に、魔法が下手糞です。
 魔力集中させるだけで、暴発します。
 叫んではみましたが、呪文なんて、効きはしません。
 というわけで、





 大爆発。





 洞窟がガラガラと崩れ落ちます。
 簡単なのだったら使えるんですけどねー。

―――ぁー……

 そして、しばらくの間、【鬼神】は封印されてしまいます。自己防衛本能で。
 ……。

「逃げなきゃですね!」

 猛ダッシュ。
 やっべー、結構広い洞窟だ! そして奥の方まで来ちゃってた! あ、入りぐt……閉じかけー!?

「おわあああああああああああああぁあっ!」

 ジャンプして、滑りこみ。光に当てられる。出れた!

 と同時に、洞窟が完全に崩れた。

「……」

 右足が埋まった。

「……」

 引っ張ってみる。抜けない。

「……誰かー、助けてー」

 僕の声は、むなしく、誰もいない空中に吐き出されたのだった。


 〜〜〜


「……」

 ……。
 これは、一体、何だ?

「……」

 ……いや、わかってはいる。
 認めたくないだけだ。しかし、何でこんな辺境の小さな森に……

「グルルルルルルル……」

 ドラゴンが居るのですか?

「……ぅおおおおおああああああ!」

 踵を返して、走る。ドラゴンは追いかけてきた。大きな体のわりにはえー。

「グルオオオオォォォォォォォ!」
「だあああああああああすいません!」

 つい敬語になるぞ!?
 ドラゴンの種類は【ブラッドリース】。赤い体に大きな翼。その翼に白い丸があるのが特徴。
 非常に凶暴。

「グゥルルルルルルォアアアアアア! グルルルル! がおー」
「最後の何!?」
「……。……! グルルルルルラァァァァァアアアアアアアア!」
「怒ったー!? 触れて欲しくないとこだったー!?」

 走った。とにかく走った。殺される! っていうか、食われる。

「グァッ!」

 光のわっかが回転しながら飛んで来た。咄嗟に避ける。
 すぐに赤い刃。髪の毛を刈られそうになった。何とか避けきる。
 やばいしまずい。

「あ! ヴィルドー……って何に追いかけられてんですか!?」

 逃げる先には、セルスが居た。足が動かないらしい。

「……。後は任せた!」
「はあああああ!? 助けてくださいよ!」
「それどころじゃねーんだよ!」

 ちなみに距離は結構遠い。俺の視力なめるな。

「酷い、最低だー! 仲間を餌にするなんて!」
「友情なんてそんなもんだ!」
「何ソレ? ゆうじょう?」
「……。……」
「何でもいいから助けて下さいよ!」
「無理!」

 セルスの瞳が赤く染まった。

「……。リリーバイトー!」

 リリーバイト。可憐な花が対象に巻きついて動きを止める技……のはずだが、




 大爆発。




「よっしゃ!」
「何が「よっしゃ!」だ!?」

 あやうく巻きこまれそうになった。
 ドラゴンが炎に包まれる。

「助けてください」
「……」

 しょうがなく、蹴りで埋まった部分を砕いてやった。
 その際、セルスの足にも衝撃が伝わったらしい。

「!? 〜〜〜!」

 いつもの仕返しだ。

「何するんですか! もうちょっと優しくして下さいよ!」
「我慢ができなかったんだよ! 普段お前も酷いくせに! やり返しただけだ!」
「血が出てるじゃないですか!」
「お前もそれぐらいやっただろーが!」
「今気付きましたが、会話だけ聞くと怪しいですよ!」
「気付くなそんなもん!」

 いちいちいちいち!

「本当にお前嫌いだ……」
「奇遇ですね、僕もです。……でも」
「あ?」

「……今は、協力しなきゃ駄目みたいです」

 後ろを振り返ると、無傷で俺達を睨みつけるドラゴンの姿。

「……」
「……」


「……グルォアアアアアアアアアアアア!」


 ……。

「不本意ですけど、やるしかないですね」
「そのようだな」

 恨むぞ。誰をか知らんが。


 心底この二人が好きみたいですね、私。


















 気付いた貴方はエクセレント。

 グレン=フィクティ もしくはクレア=フィクティ
 身長170センチ 意外に高いのに女の子に見えるんだ
 主夫
 女装は好き
 おばあちゃん子
 かなりマトモな方だったりする
 仕込み杖を使う 刀身は黒い
 魔法、格闘技、剣技と、かなり技が豊富
 実はどろどろな世界を経験済み……?
 当初はマジで女の子設定だった 後金髪だったんだけどね











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