メイド服と追いかけっこ(3)
……ええ〜……何ですかコレ。
あ、どうも、セルスです。知ってる? そ、そうですか。
「殺す……」
僕の目の前には、メイド服を着た小さなエリカさんがいます。
……僕も着てますけど……うう、嫌ですね……この格好……
大体メイド服って、いわば作業用の服ですよね? でもコレ、こんなフリルついてて……動きにくい事この上ないです。何のために……?
「殺す」
小さいエリカさんが、鉄パイプを振りかぶりました。
何ですかその武器。
「わっ」
危うく直撃するところでした。
……め、目が……
説明、してませんよね? 僕の体は、ある条件が満たされると強くなるんです。……殺されそうになる事、ですけどね。
目が赤くなって、【鬼神】の血が覚醒してしまいます。すると、血が硬くなって、大抵の刃物は刃がたちません。
後、戦闘能力が格段に上がって、それから、眠くなります。眠っちゃ駄目です。理性が吹っ飛んで、本当に大変な事になっちゃうので。
このままでもわりと大変なんですけどね……。
「殺す」
……〜っ、動きにくいっ! ロングスカート動きにくい! 大体、スカートって……!
「殺す」
余計な事考えてる場合じゃないですね!?
……大丈夫なのかな、倒しちゃっても。
「……」
……じゃあ、久しぶりに、【破壊】だ。
「鬼の手、発動……」
僕の手に、影が重なりました。
成人の男性の手でしょうか。とても強い……【鬼神】の手です。
ただ、破壊するためだけの手。
「力を貸してください……」
爪が伸びました。赤いオーラを纏います。
「……はあああああああ!」
鉄パイプを掴みました。
その高熱で、すぐに溶けていきました。
小さいエリカさんを、爪で切り裂きます。
「……悪く思わないで下さいね」
ふう。
「ありがとう、ございました」
【鬼神】が居なくなりました。
〜〜〜
……作者、全員書くつもりなのかな。
あ、私はフィーネ。
クレアのキャラと被ってるって巷で噂だね。否定できないのが凄く悔しいけど。
「小さいエリカ……」
私の前には、小さい、メイド服着たエリカが一体。
中々面白いけど、私殺されるのかな。
私は……。
あ、そうだ……。エリカは、気付いているのかな。気付いてるよね。
じゃあ、何で……
「殺す」
……今は、そんな事考えてる場合じゃない、か。
「……」
私は大きなコンパスを構えた。
私の武器は、魔法で出来ている。文房具の姿に変えられる武器魔法だ。
役に? 立つよ、それなりに。
「いくよ」
コンパスを開いて、針の方をエリカに向ける。
エリカは糸を持っていた。
糸対針……どうなるんだろ。
「殺す」
糸が私に向かってきた。まあ、普通、そうするよね。
でも、私もいつまでもコンパスのままにはしない。
分度器。
盾としてよく使ってる。
糸が弾かれた。硬いもんね、この分度器。
「……」
あ、分度器を避けてきた。
ここは、魔法を使おう。
「ボイスオブアタック、発動!」
これで、私の声は武器になる。
大きさ、言葉の内容、声の高さなどが威力に関係する。
「排除!」
糸が千切れた。
まあ、こんなものかな。
今度は、尖った小さい鉛筆を沢山出す。
「飛んでけ!」
声と共に、小さいエリカに直撃する。
小さいエリカが吹っ飛んだ。
そして動かなくなる。
「……解除」
耐久性が低めのやつだったのかな? まあ何にせよ、良かった。
〜〜〜
……おい、何の冗談だ、これ。
俺、ヴィルドの前には、メイド服を着た小さなエリカが……
俺も着てるんだよな、あれ。う、うわ……嫌だ!
「糞……」
「殺す」
小さいエリカがマシンガンを構えた。
そ、それなら……
「ダークフォレスト」
これでオッケーだ。
「殺す」
そんな事全然構わずに、エリカは発砲した。
銃弾が四方八方飛んでいく。
「ぬあ!?」
とりあえず当たりそうになったやつは避けたが、エリカにも当たっている。大丈夫かおい。
心配してもあれだが……
「殺す」
チッ!
俺はとりあえず、ボウガンを発射した。胸に当たるように。……ご丁寧にパットまで入れてあった……畜生! いや、胸の話はどうでもいい!
「殺っ……」
よし、刺さった。
でも動いている。何故!?
「殺す……」
そして、また乱射し始めた。いい加減にしろ。
「く……」
「殺す」
胸、足、腹、頭。
小さいエリカに跳ね返る銃弾。
俺は無傷。
……一体、何がしたいんだ?
やがて、小さいエリカは倒れた。
〜〜〜
うーん……何だろうこれ。あ、グレンです。
メイド服を着た、ミニサイズのエリカ……でいいのかな?
可愛いけど、これはどうなんだろう。
「殺す」
発言は怖いし。
でも、殺されるのは嫌だからね……。
俺は黒い剣を抜いた。
この剣には魔法がかかっている。……魔力を上げるのと、切れ味上がるだけだけど。
十分だ。
「黒刃剣杖一刀流……」
チャキ、と音を出して、剣は小さいエリカを狙う。切っ先を向ける。
「魅せる闇……」
剣を持つ右手はそのままに、左手は添えるだけ。
「闇華乱舞!」
俺は走った。
小さいエリカはグレネードランチャーを乱射する。遠慮無しに飛んでくる、手榴弾を切り裂き薙ぎ払う。
爆発音で耳が痛い。
「はっ!」
小さいエリカの元に辿り着き、右肩を狙う。
あっさりと避けられたが、そのまま切り上げた。小さいエリカは空中へ飛ぶ。それが狙い。
「ライティングフォース!」
俺の左手から、光が飛び出す。
小さいエリカは避ける事も出来ずに、直撃。
その腹に大きな風穴が空いた。
〜〜〜
何じゃこれは。
私か? 私はトーカじゃ。
うむ、私の目の前には小さいエリカがおる。例によってメイド服じゃな。
カッカッカ! メリケンサックはどうかと思うぞ!
「殺す」
ふぅむ。私に格闘で挑む気か?
まったく、身の程を知らない奴じゃ……グレン? ち、違う! あれは負けたわけではない! 違うったら違うのじゃ!
しつこいわ! 【ガチャ○ン】のような顔にしてやってもいいのじゃぞ!? 【ムッ○】でも構わん! ……そうじゃ、わかればいい。
……こ、こ、恋する乙女!?
わ、私の事かそれは!? え? フィーネ? ……。……ふんっ……可愛げがなくて悪かったのぅ……
「殺す」
おお、そういう場合ではないな。
「カカカカカ! 甘いわ!」
小さいエリカは私の懐に飛び込む隙を窺う。
ふふむ。
私は意外に強いんじゃぞ! 自分で言ってて悲しくないのかって? 黙れ!
「爆炎拳!」
炎を纏った拳を、思いっきり小さいエリカの腹に叩きこむ。
まだまだ行くぞ!
「激滅掌! 覇断蹴! 轟壊派!」
掌底、蹴り、衝撃波の順で打ちこむ。
「うらあああああああ! 烈波弾んんんん!」
トドメの技、烈波弾!
どうじゃ! これが私の最高コンボじゃ!
「カッカッカ! メイド服は動きにくいがな!」
〜〜〜
あら、ごきげんよう。
コケコ=グレネード=コッケよ。こここ!
私の前にはメイド服を着た、三体の小さなエリカがいるわ。
まったく、エリカは切れるとああなるのね。
『殺す』
無理よ。
「分身なんぞが私にたてつこうなんて、甘いわ」
私は空中から、大剣を呼び出す。
この重量が心地良いわ。
「【天使】のクレヨンにお成りなさい?」
くるくる回す。
そして走る。
一撃のもとに、沈める。
「せめて……そうね、二千体はいるわよ、私を倒すとしたら。本物だと、ちょっと無理だけれどね。そんなに作ったらエリカ禿げちゃうし。それは困るわ、格好良いのだから」
私は一人ごちる。
やれやれまったく、こんな事してる場合じゃないのよ、本当は。
「何かが近づいてきてるもの。まあ、はっきり言うと【組織】の一員だけれどね」
小さなエリカは粒子よりも小さくなって、もうどこにいるのかわからない。
「私も参戦するのかしら? まったく……正直な話面倒ね」
ちょっとした戦争ってところ? この国と【組織】がぶつかるのね。
ま、死者が出ないように努めましょう。そんな事ができるのかって? やるのよ。私にはそれが実現できる力があるもの。
それじゃ、もうすぐだし、参りますか。 |