マニアックですね〜
過激な描写が入ります。
「学園都市にはどの様なようで? 」
学園都市の門の兵士がそう言って父さんに質問した。
「息子達がここの学校に用事があってね。」
「了解しましたでは銀貨合計5枚です。はいちょうどですね。 では学園都市へようこそ! 」
父さんからお金を受け取った兵士は笑顔で両手を広げそう言った。
これまで回ってきた都市も全ての兵士が同じことをやっている。もう仕事でやっているってことで確定していいだろう。それにしても教育が徹底してるな。
俺たちの馬車はそんな兵士を尻目に学園都市の中に入った。
まず目に入るのは学生だ。至る所に制服を着た子供達がいる。
うわ、どんだけ居るんだよ。 エネルギッシュな雰囲気がムンムンと漂ってくる。
学生の、学生による、学生のための都市といった感じだ。
奥の方にデカイ建物幾つもが見えるが、まさかあれは学校なのだろうか?
ここから見えるとは相当な大きさだ。
俺がしていた想像とは少し違う様相を呈した学園都市に圧倒されていると、ヴィオラちゃんにチョンチョンと裾を引かれた。
「凄いね! ルディ! 」
元気一杯にヴィオラちゃんは言ってくる。
「うん、あちこち驚きでいっぱいだよ。」
「これから宿をとった後ルディ、エルザちゃんは王立リーデンブルグ学園に受験登録をガルフと行って来なさい。 ヴィオラちゃんは俺とアリアと一緒にシナス総合学校に入学手続きだ。」
これは予め父さんがガルフさんと決めていたらしい。
少しヴィオラちゃんが寂しそうな顔をしているが仕方ないだろう。
我慢してもらうしかない。
「ルディ‥‥。」
「ヴィオラ様、アリアが付いてますので大丈夫ですよ。」
アリアがヴィオラちゃんを慰めているので何とかなりそうだ。
こうして俺たちは宿を取りに行ったのだった。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
「ガルフさんどこにその王立リーデンブルグ学園はあるんですか? 結構歩きましたよね? 」
そう俺は歩きながらガルフさんに聞いた。宿をとった俺たちは王立リーデンブルグ学園組とシナス総合学校組に別れて行動している。
宿を出てからおよそ1時間ほど歩き続けているがそれっぽい所は全く見えてこない。
「ああ、言ってなかったかな? あそこだよ、あそこに見える一番大きい建物が王立リーデンブルグ学園だ。」
そう言ってガルフさんが指差した所は馬車の中から見えたデカイ建物のうちの一つだった。
うわ! 一番デカかったやつじゃん。
何に面積使ってるんだ?
「大きいですね。 ということは‥‥。」
「ああ、まだまだ歩くよ。」
まじかよ。浮いちゃおっかな。まあ、エルザちゃんが頑張って歩いているのでしないが。
俺がまだまだ歩くことにげんなりしていると暫く行った先で騒ぎが起きているのに気づいた。
「おいおい、嬢ちゃんこれどうしてくれる訳? 」
「この服高かったんだよな〜。 ざっと金貨10枚。 耳揃えて払ってもらわないとお兄さん困っちゃうな〜。」
「す、すいません。でもそんな大金‥‥。」
「あ!? 知らねえよ! 親呼んでこいよ! 親! 」
「ひ! 」
スキンヘッドをした如何にも悪人ですといった風貌の大男が服についたアイスを指差して大声で俺と同い年くらいの女の子に迫る。
分かりやすいな、おい。
あれじゃあ脅してますって言ってようなものだ。そもそもそんなボロ服が金貨10枚ならどれだけインフレしてるんだって話だ。
やるなら、もっと分かりにくくやれよ。アホめ。
しかし、見ているだけでも胸くそ悪い。
そんな悪いお兄さんにはお仕置きが必要だろう。
「ちょっと! ルディくん!? 」
「ルディ!? 」
エルザちゃん親子が俺を止めようとしているが少し遅い。俺はスタスタとにわかに集まり始めた野次馬を抜け大男と女の子に近ずく。
「ちょっと素敵なお兄さんいいですか? 」
「なんだよ!? 今忙しいんだよ! 関係ない奴は引っ込んでろ! 」
俺を突き飛ばそうと伸ばしてきた腕を取りに捻りあげる。
ビキビキと骨が折れた音がするがどうでもいい。
クズの骨の1,2本そこら辺の石ころと同じだ。
「いでえええ!! 」
「ねえ素敵なお兄さん。 次は足いきますか? それとも肋骨? 鎖骨? 選んでください。
僕が綺麗に折ってあげますよ? なに大丈夫。すぐに終わりますから。怖がらないで。 」
ガタガタと震えだした大男に徐々に重力を掛けていく。
男からしたら俺から心理的重圧を受けているように感じるだろう。
「お、俺が悪かった! だ、だから離してくれ! 」
顔を青くさせながら必死に言ってくる大男だがまだ足りない。
もっと恐怖を与えねば、また同じことをする。
「なに言ってるんですか? 選んでくださいって言ってるんですよ? 誰も謝罪を要求していません。お仕置きです。」
そう言って捻り上げていた腕に力を入れ骨を砕く。
「アガアアア!! 」
無様に泣き叫ぶ大男。
だが休ませるつもりはない。俺は弱い者から強引に奪う奴があいつと重なって殺意しかわかないからだ。
「さあ、選んで。」
「け、警備隊を‥ああああ!! 」
自分がしでかしていた事も忘れ助けを求める大男の脛骨を蹴り砕く。
「脛骨ですか、マニアックですね。 ほら終わりましたよ。」
そう言って俺は拘束していた腕を離す。
だがまだ終わりではない。
俺は地面に蹲り腕を押さえている大男に近づきしゃがみ込む。
「今回はこれで終わりですけど、次こんな事をやったら全身の骨折って殺しますからね? 」
殺気を込め小さい声で忠告する。
俺の忠告を聞いた大男はもう声も出ないのか泣きながら必死に頷いていた。
それを見た俺はようやく納得して女の子に向け歩き出す。
「大丈夫だったかい? 」
そう言った俺に女の子は頭を下げた。
「ありがとうございました。助かりました。 」
それを見て俺は少なくない驚きを感じる。
「驚いた。結構残酷なことやっていたから、怖がられるものかと。」
この年の女の子なら目の前でバッキバキ骨折られている所を見たらショックのあまり気絶するか、よくても俺を怖がるはずだ。
「いいえ、道場では日常茶飯事でしたし、それにあれは少々過激でしたが必要な事です。」
頭を上げた女の子はそう笑顔で言った。
「そう、じゃあ僕はもう行くね。 人を待たせてるし。」
俺は一方的に女の子に告げエルザちゃん親子のところに戻っていく。
ルディが去ったあと、その女の子はポツリと呟く。
「あの人強かったな〜クロエ様とどちらが強いんだろう? それにしてもカッコよかったな〜名前聞いておくんだった!」
そう言って頭を抱える女の子にその女の子と同い年ほどの綺麗な青髪を腰まで伸ばした女の子が近づく。
「なにやってるの? キリカ。ってこれ貴方がやったの? 」
「あ! クロエ様! これは颯爽と現れた同い年くらいの王子様みたいな人が私を助けるためにやってくれました。」
どうやら頭を抱えていた女の子はキリカ、青髪の子はクロエと言うらしい。
「へ〜その王子様えげつないわね。 この人もう心が壊れてるわ。」
蹲っている大男をしゃがみ込んで覗き込んだクロエはそう言った。
「その人物凄い強さでしたよ? クロエ様とどっちが強いかな〜?」
その言葉を聞いたクロエはニヤリと口元を歪める。
「同い年、か。それほどなら王立リーデンブルグ学園を受けに来た子かしら? 楽しみね。 フフフ 」
するとクロエとキリカが話しているところに誰かが呼んだのか警備隊が駆けつけてくる。
「げ! 警備隊! 逃げるわよキリカ! 」
「はい! クロエ様! 」
それを見たクロエとキリカは焦って逃亡したのだった。
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