表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界最優秀民族が異世界にやってきました  作者: mk-3
第一部 世界最優秀民族が異世界にやってきました
18/37

クーデター

「ああ、戦争って素晴らしい! 私の手腕で黒字ですよ!」


 司令官であるキムはその太った顔に誇らしげな表情を浮かべた。

 眼鏡をかけて知的な顔つきながら、かなりの肥満体である。

 鼻息も荒く興奮している。

 キムは紅茶を飲みながらつばを飛ばした。


「我が財閥が北から輸入した覚醒剤を兵士に配りました! 次回からは全て有料です。戦闘が長引けば長引くほど黒字が大きくなるという天才的なアイデアですよ! 史上初めて長引けば長引くほど黒字になる戦争です! どうです素晴らしいでしょう!!!」


 パコの顔から怒りすら消えた。

 パコの抜け殻に残るのは後悔だけだった。

 誰だこんなバカを司令官にしたのは。

 どうしてこうなった?

 ガチガチとパコの手が震える。

 パコはまだ悪いことをしている自覚があった。

 そうパコは外国留学の経験がある。

 そこで日本人以外は無闇に殺してはいけないと学んだ。

 弱いものは全て奴隷というのが普通の韓国人としては破格の文明的な考え方を持っているのだ。

 確かに便宜上、異世界人を日本人として処理する必要があった。

 国内世論を納得させるには日本との戦争というファンタジーが必要だったのだ。

 それには多少の殺人も許されるだろう。

 なにせこちらは民間人を殺された被害者だ。

 1000年は恨む権利がある。

 だが本気で大虐殺を開始するバカがいるなんて思っていなかった。

 パコの考えは甘かった。

 韓国では日本を絶対悪として教育する。

 日本人なら殺してもいい。

 むしろ日本人を殺めれば英雄扱いされる。

 ただの民間人への殺害であっても日本人相手なら賞賛されるのだ。※


 (※http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E4%B9%9D)


 それが韓国という国なのだ。

 反日こそが絶対かつ唯一の信仰なのだ。

 それは安重根が英雄として奉られていることからも明らかである。


「兵士には福利厚生として奴隷を支給しました! みな喜んでます」


 一点の曇りもない目でキムが言った。

 それを悪いことだとは認識していない。

 それには理由があった。

 韓国は極端な競争社会である。

 そこで頂点に立つにはサイコパスになるしかない。

 一部のサイコパスは自分のやっていることが悪などとは認識しない。

 ブラック企業の経営者が社員をイビリ殺してもなぜかお涙頂戴のサル芝居をするのにその闇が垣間見えるだろう。

 彼らはそれが正しいと心の底から信じているのだ。

 キムも同じだった。

 財閥の一族に生まれた彼は、生まれながらか、それとも競争社会がそうさせたのか他人への同情心というものを持っていなかった。

 彼の世界には自分と奴隷しかいない。

 世界は勝者である彼を賞賛するためだけに存在し、敗者は彼の自由に扱ってよかった。

 取引先、下請け、会社の社員、いままで何人もを自殺に追いこんできたが、それが悪いことだとは全く思っていない。

 おもちゃが壊れた程度の認識である。

 むしろ人生の勝者という勲章だとさえ思っている。。

 彼には奴隷にされたエルフも兵士も等しくゲームの駒だった。

 彼はイスラム国のやり方を見て学んだ。

 庶民は暴力と欲望のはけ口を用意してやれば喜んで死んでくれるのだと。

 だからキムは兵士たちに覚醒剤を配り、麻痺した頭で少々のスリルを味合わせ、エルフを強姦させて兵士の性欲を満たした。

 暴力と薬物と背徳のテーマパークこそキムの目的だった。

 そう、キムは異世界を最高のテーマパークにしたのだ。


「ふふふ。北から買った覚醒剤で彼らはどこまでも強く残酷になれます。この世界を滅ぼして世界最強国家を作り、日本人を絶滅させましょう!」


 キムは自信満々に言った。

 ゲームでもやっているつもりなのか。

 パコは驚愕した。

 キムは完全に狂っている。

 キムを止めなければ!


「き、貴様ぁッ! 我が国家を滅亡させるつもりなのか!」


 パコはキムに掴みかかった。

 日本人の絶滅。

 確かにそれは韓国建国以来の国是であり、絶対不可侵の信仰である。

 その信仰を満足させるために毎日のようにマスメディアは日本の悪口を報道し、日本政府を刺激しない程度に在日同胞には破壊工作を命じてきた。

 日本内部のテロリストを先導して国連にあることないこと陳情させ、日本の立場を悪くさせたこともある。

 だが日本人の絶滅が政治的に可能であるかと言えばそうではない。

 パコはわかっていた。

 韓国は建国以来日本に依存してきた。

 都合よく助けてくれるのは日本しかいないのだ。

 そう日本がいなければ韓国は滅亡することをわかっていたのだ。

 日本に災害があったときに大喜びしすぎて日本が本気で怒ったことがある。※


(※https://www.youtube.com/watch?v=TG3nvJQSXI4)

(※https://www.youtube.com/watch?v=VnHME_X2uFU)

(※http://horukanlite.com/blog-entry-50.html)


 その火消しに日本のマスコミに我が国がいくら払ったのか。

 赤日に報道させないためにいくら使ったのか!

 年金をつぎ込んでようやく火消しをしたというのに!

 そんなパコにキムは冷たく言い放った。


「あなたも親日派でしたか」


 ぞくりとパコの背筋に寒いものが走った。

 キムは暑苦しい笑顔のままだが目が笑っていない。

 これが反日教育だけを受けてきた世代だというのか。

 日本を恨み、日本人を殺すことだけを教育され、自分の人生を取り戻すには日本を滅ぼさなければならないと思っている模範的韓国人の姿だというのか!

 キムはパコを無視して手を叩いた。


「衛兵。裏切り者が出た。親日派を牢に入れろ」


 覚醒剤で虚ろな目をした2人の衛兵がパコをつかむ。

 親日派とは日本に親近感を抱く人物ではない。

 売国奴のことである。

 当然のように親日派の財産は没収され被害者に分配される。

 親日派には、なぜか朝鮮戦争やベトナム戦争当時のものまで含まれるがそこを考えたら負けなのである。


「お前、韓国は貴様のせいで滅んでしまうんだぞ! わかっているのか!」


 パコは喚きながら衛兵に連れて行かれる。

 その背中にキムはつぶやいた。


「滅ぶ? いいえ。誰もが為し得なかった世界最強の国家になるんですよ」


 キムは紅茶を口に入れた。

 その日のうちに韓国軍部はクーデターを宣言。

 数十年ぶりに軍事政権体制に戻った。

 キム・マルチャンは異世界の司令官として残留した。

 軍部もスポンサーには甘いのだ。

 軍事政権は親日派名簿に載っているスポンサー以外の一族郎党を逮捕。

 日本企業の韓国法人、その財産全てを接収。

 スポンサー以外の従業員を逮捕した。

 裁判を開かずに死刑判決を言い渡すつもりである。

 これに韓国国民は熱狂。

 正義政治の時代が到来したと大喜びした。



 アパートの一室。

 暗がりでパソコンのディスプレイが煌々と光っていた。

 その前には太った男がパソコンのキーボードへ向かい一生懸命タイプしていた。


 >さすがに今回はついていけない。頭おかしい。


 >うん。日本を本気で怒らせたら経済が破綻してしまう!


 >でも異世界に行きさえすれば僕たちの人生だって少しはマシになるんじゃないか?


 >それでも人殺しはいけない


 >日本猿だって僕らのものを盗んで大きくなったんだ! 僕らだって盗む権利はある!


 >違う。その前から日本は大国だった。日本と比べるのはもうやめよう。


 >この親日派野郎が! なにを言ってやがる! 日本さえいなければ我々は世界最強の国家だった。


 >現実を見ろよ。日本は敵じゃない! なんでみんなそうやって怒るんだよ!


 そこまでタイプすると男はため息をついた。

 ここのところこの国はおかしい。なぜ一番仲良くしなければならない国を滅ぼそうとするのだろうか?

 そんなことができるはずがない。

 もし輸出産業主体の我が国が仮に日本と戦争をしたら株価は一瞬で暴落し、日本に辿り着く前に経済が崩壊して戦争をする金はなくなるだろう。

 そんなことになったら、日本は絶対に助けない。人を憎むことの虚しさはキリスト教徒ならみんな知っているはずだ。

 過去に実利は存在しないというのに何を考えているんだ……


「どうしちまったんだ……?」


 男がそうつぶやいた瞬間、ガシャーンという音と共に窓ガラスが割れた。

 男は椅子から滑り落ち尻餅をつく。

 ロープ、ヘルメットを被った警官。

 警官が屋上から突入したのだ。


「動くな! 逮捕する!」


 男は一瞬警官が何を言ってるのかわからなかった。


「貴様には国家保安法7条、敵国への讃揚・鼓舞罪の容疑で逮捕状が出ている」


「へ?」


「この薄汚い親日派が!」


「ちょっと待ってよ! 僕が親日派だって? それに日本はまだ敵国じゃないだろ?」


「うるさい! 貴様には与敵罪の疑いもある。有罪なら死刑だ!」


「ちょっと、ちょっと待ってよ! どうして? どうして日本と戦わなきゃいけないんだよ! おかしいだろ?」


「うるさいこの豚が!」


 警官が男の顔を蹴っ飛ばした。

 そして警官は特殊警棒を取り出し男を滅多打ちにした。


「死ね! 死ね! 死ね! 死ね!」


 男はこのあと収容所に搬送され、拷問を受けることになる。

 だが民衆は喜んでいた。これで世界はもっとマシになると喜んだ。

 なぜなら親日派が消えるからだ。

 これは魔女狩りと同じである。

 反日という信仰への反逆者を倒すための一手なのだ。

 行き着く先は言論の自由の消滅。

 彼らはそんなことを考えず、わけもわからず熱狂していた。

数々の応援メッセージありがとうございます(嫌味じゃない方)


とりあえず完結までの予定が立ちました。

なんとか完結までお休みせずに投稿できると思います。

こういう書籍化だけは絶対にないネタ小説は勢いが大事です。

ポイント欲しいとか欲張ってはいけません。

なので10万字ちょいで終わる予定ですが予定よりオーバーしそうです。


感想のお返事コーナー


中国の掲示板でネタになりましたので書込んでみました。

中国語できないので日本語で突撃です。


http://homu.komica.org/35/index.php?res=314977


>銃で撃たれた道彦に関して


ここは完全に演出の都合上です。

自分で倒さない方が絶対にリアルなんで一般向けの公募だったらリアルに舵を切ります。

でもここなら倒しちゃった方がいいと判断しました。

この辺がフルメタルジャケットかプラトーンかを分けていると思います。

リアル寄りがフルメタルジャケットで、アメリカ軍が比較的かっこよく敵を倒すのがプラトーンですね。

貫通は経験ないので比較対象が骨折ですが、被害はたいしたことないのに動けなくなりますよ。次の日とかは地獄です。

内視鏡とかもやはり一週間は動けませんよね。

熱も出ます。人間はやはり脆いものです。


>キ●ハラ、ASU●A


TAS●IRO……

最近そんなのばっかりですね。もうがっかりです。

あの世代はMDMAとか脱法ドラッグの出始めのころに金持ってたんです。元気なうちはいいんですけど年を取ると影響が出るわけです。

……致死量飲んで無事だったキ●ハラさんは化け物だと思います。


>韓国って国を理解しろ。理解したなら、自重などするな。本能のままコメントを打て。荒らせ、叩け。

だって


彼らが荒らしてくれたおかげで楽しいコメント欄になってくれたんだと思います。


>セキュリティ業界の総力


あ、無理無理。ちゃんと身バレ対策してるから。TORとか野良WIFIとかじゃなくてちゃんとお金をかけたやり方で。確かに総力挙げればできるけど調査だけでかなりお金かかりますよ。


>ぬるすぎ


フルスロットルでがんばる!!!

今夜は覚醒剤まみれ!

感想欄は逆に面白いので晒します。

カクヨムじゃあこの展開はないですからw


>その他いろいろ。


数話先から始まる後半戦はエンディングに向けてドイヒー場面の連続です。

今20話まで投稿してるので40話くらいで終わりだと思います。

最後まで書き終わったら連続投稿します。


ところで悪役はまとめて地獄に落ちるのは決定として、道彦はハッピーエンドと生々しいバッドエンドっぽい何かのどちらがいいですか?


終わったら10話くらいのチチブ外伝できたらいいなあと思ってます。魔王米帝を蹴散らすヒロイックファンタジーです。(大嘘)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ