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レベル0の冒険者  作者: 須賀いるか
冒険者の時代
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銀の手の行方5

深い意味はありません。

『かみさまのまほう』


むかし、にんげんはとてもよわいいきものでした。


きょだいなけものやばんぞくになかされつづけました。


あるとき、かみさまがあらわれ、ふこうへいなせかいにせんげんしました。


もっとえがおになるようにまほうをかけてあげましょう、と。


かみさまのまほうをかけてもらったにんげんは、ばんぞくをたおすことができました。


きょだいなけものをくっぷくさせることもできました。


にんげんはせかいでいちばんつよくなりました。


かみさまはよかったね。とわらいます。


でも、こんどはにんげんがにんげんをなかしました。


かみさまはくびをかしげます。


かみさまはないているこにまほうをかけました。


ひきょうなにんげんはばんぞくにしたがい、おなじにんげんをなかせました。


ひきょうなにんげんはきょだいなけものにしたがい、おなじにんげんをなかせました。


ひきょうなにんげんはわらっていたのです。


だからにんげんはひきょうなにんげんをなかせつづけます。


かみさまはこまってしまいました。


にんげんをえがおにしたかったのに、にんげんがそれをこばんだのです。


こまったかみさまはないてしまいます。


ないたかみさまをみたにんげんは、ひきょうなにんげんをもっとなかせます。


かみさまはもっとないてしまします。


だれかがいいます。ひきょうなにんげんはにんげんじゃない。ついすとだ。と。


にんげんはむかしばんぞくにいわれていやだったあだなを、ひきょうなにんげんにつけました。


にんげんはいいます。ぼくたちにんげんはえがおだよ。ないているのはついすとだよ。と。


かみさまはおどろきます。


にんげんはなにもわかっていなかったのです。


かみさまはまほうをかけたことをこうかいしました。


かみさまのだれかがいいました。


にんげんはあくまになったんだよ。


あくまはてきだからやっつけないと。


かみさまはにんげんをやっつけることをけっしんします。


それをきいたにんげんはあわてます。


わるいことをしていないのに、やっつけられるわけにはいきません。


にんげんはかみさまをやっつけるためにちえをねります。


けれど、かみさまはとてもつよいのです。


どれだけちえをねろうとも、どれだけすごいぶきをてにしても、むだでした。


にんげんはなすすべもなくやっつけられます。


けれど、たったひとりのついすとがいいました。


ぼくはかみさまのおかげでえがおになれたよ。


ぼくはかみさまのせいでないてしまうよ。と。


かみさまはこんわくします。


にんげんはあくまです。ついすとはにんげんなのでしょうか。


ついすとはかみさまがなにをしてもえがおになります。


ついすとはかみさまがなにをしてもないてしまいます。


かみさまはついすとをえがおにできません。


かみさまはついすとをなかせるだけです。


あくまがつくったついすとはかみさまをこまらせます。


なんでもできるかみさまはなにもできなくなりました。


こうしてせかいは、えがおになりませんでした。


にんげんはなくことはなくなったけれど、ついすとをなかせます。


ついすとはわらうことはあるけれど、にんげんになかされます。


かみさまはなにもできません。


かみさまがきづけば、せかいはむかしよりずっと、ないてるにんげんがおおくなっていました。


だから、かみさまはなにもできません。


もうなにもできません。


なお、これを書いてる間に何度か自分のこと大丈夫かなって思いました。

絵本作家って、芸術家だと思います。

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