挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
こんなに大きくなりました 作者:佳絵

その後編(なろう版)

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

42/60

最終話 「永遠に共に」

 式を早めると伝えた時の、ガルディスの家族の反応は凄まじかった。
 結婚式で着る最高のドレスを作るんだと張り切るお義母さんとお姉さん。私たちの新居となる離れを建て始めると言うお義父さん。お兄さんたちも、最高の結婚式になるように全力を尽くすって、忙しなく動き出す。
 なんでそこまでしてくれるのかなって首を傾げていたら、長年勤めているという執事さんがこっそり教えてくれた。ガルディスはあの容姿だからお嫁さんなんて絶対来てくれないと諦めていたのに、美人の婚約者を連れて帰ってきたから家族は嬉しくて仕方がないんだって。
 家族も、ガルディスの容姿は強烈だと思ってたんだ……。まあ、だからこそ面倒な種族の私でも歓迎してもらえたんだけどね。
 私はどさりとベッドに腰を下ろした。
「リズ、疲れただろう?」
「ううん、全然」
 首を横に振れば、ガルディスは大きな手で私の頬を包む。
「疲れた顔をしている。無理をさせてしまったな」
「違うよ。ガルディスと離れるほうが、私には無理なことなの」
 実は今日、私とガルディスはマッパの街に戻ってきた。
 引き継ぎのために一度マッパの街に戻る必要があるというガルディスに、私は無理やりくっついてきたのだ。
 ドレスはどうするの、お肌のお手入れは、爪が、髪が、と嘆くお義母さんを振り切ってしまったことは申し訳なかったけれど、どうしてもガルディスと離れたくなかった。
 綺麗なドレスを着せられても、美しい歌を聴いても、そこにガルディスが居なければきっと私は何も感じない。それだけガルディスという存在は私の中で大きくなってしまったのだ。
「ガルディス……」
 腕を伸ばせば、顔が近づいてきて軽く口づけられる。
「今日はもうこのまま寝るか」
「うん」
 お風呂は明日の朝でいい。
 抱きしめられて、そのままベッドに横になる。
 鼻を刺激する殺人臭。私を抱きしめて必死に我慢しているガルディスが愛しい。
 ……というか、もういいんじゃないの? あと十数日もすれば式だし。
「駄目だ」
 心読まれた!
「もう少しの辛抱だ」
 いや、辛抱しているのはむしろガルディスでしょ?
 くすり、と笑うと、ガルディスが顔を顰める。
「愛しているわ、ガルディス」
 想いを口にすれば、ガルディスからも返ってくる。
「愛している、リズ」
 違う、と私は首を振る。
「リズリア」
「リズリア?」
「私の本当の名前」
 母さんからの贈り物。
 ガルディスは軽く目を見開き、それから私の髪を手で梳いて甘く囁く。
「愛している、リズリア」
 私はガルディスの胸に顔を埋める。
 きっと賑やかな結婚式になるだろう。ガルディスの家族も父さんも、大騒ぎをするに違いない。そして私たちは賑やかな家庭を築き、可愛い子供に恵まれて……。
 互いの命が尽きるまで、その後も永遠に共に――。
「愛している」
 私たちは、互いの思いを確かめ合うように、もう一度強く抱きしめあった。








+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ