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フリーザ様と灰原さん
作:おっとり



71.白い悪魔


季節はすっかり冬
冬と言えば空からの白い贈り物
それは地面をすっぽり覆い隠し
白銀に輝いて疲れた人々の心を癒してくれます
しかし・・・
そんな白い天使にも別の一面が・・・


第71話 白い悪魔


「ただいま〜」

発明のための材料の買い出しに行っていた博士が帰って来た
玄関をくぐると同居している二人の住人に声をかける
『おかえりなさい』
いつもは返って来るその言葉が今日に限っては返って来ない
どうしたのだろう?と博士はそそくさとリビングに向った

「・・・こりゃまた・・・なんとも」

寒い外から帰って来た博士は一瞬目眩に襲われた
部屋の中はまるで別世界
ガンガンに効いたヒーターのせいで常夏のリゾートのようだ

「あ・・・おかえりなさい博士」

あくびをかきながら哀が博士に気付いた
茶菓子とファッション誌を広げてソファーの上でごろごろしている
そしてその反対側のソファーではフリーザ様が寝っころがっていた

「博士さん・・・お茶いれなさ〜い」

「コレ!二人ともなんとだらしない・・・」

博士はだれた二人に一喝を入れるものの暖簾に腕押し
まったく聞く耳を持たない
ふ〜むと考え込んでから博士は思いたったように言った

「そうじゃ・・・哀くん・・・フリーザ様・・・
おつかいを頼まれてくれんか?新一の所まで」

「寒いからやーよ・・・工藤君に来させればいいじゃない」

「お前が行けよ」

ちょっと芽生えた殺意を抑えながら博士は続けた

「まぁまぁ・・・帰りにポアロに寄れば良いじゃろう
実はこの間割引券をもらったんじゃがあと2枚残っとるから二人で使うといい」

博士の手に握られた2枚の券
その券を見たフリーザ様の眉間にしわが寄る

「博士さん・・・あなたそれをもらっていて黙ってたんですか?」

「え・・・いや・・・まぁ・・・」

「帰って来たら罰を与えますからね・・・ハイバラさん!行きますよ!」

博士から券を奪い取るとフリーザ様は哀に言った
しかしポアロの割引券ぐらいで動くほど哀は安い女ではない

「いってらっしゃ〜い・・・」

気の無い返事が返って来る
怒ったフリーザ様は素早く哀の後に回り込むと哀の首根っこを掴み
そのまま引きずって玄関に向った

「ちょっと!せめてコートぐらい・・・」

「子供は風の子です!そのまま来なさい!」

「さっきまでこっち側だったくせに・・・風邪の子になっちゃうわよ」

わぁわぁ騒ぐ二人を見送り
博士を残したリビングには静寂が訪れた

「なんじゃ・・・二人とも元気じゃないか・・・」


しばらくして・・・
二人はコナンに博士の新しい発明品を届けポアロで一服していた
コーヒーを飲みながら梓やお馴染みのダイガクセイと談笑をする
そんないつも通りの時間がポアロに流れていた

「あら?」

ふと外を見た哀が声をもらした
窓にはいつもの景色・・・それをいくつもの白い粒が横切って行く

「わぁ!雪が降ってきましたね」

「そういえば今日は降るって天気予報で言ってたな」

突然の白い贈り物に四人は話に花を咲かせた
それぞれ雪にまつわるエピソードなどを面白おかしく話す
フリーザ様にはなかったが・・・
そうこうしているうちに大分時間が経ってしまった

「ねぇ・・・そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?」

時計を見ながら哀が言った
もう3時間もポアロに居座っている・・・

「おっと・・・もうこんな時間でしたか・・・梓さん!お勘定!」

店の外に出ると路面は白く覆われていた
天気予報では寒波が来ると言っていたから結構積もるのかもしれない

「さっさと帰りましょう」

哀はフリーザ様を促すと歩き始めた・・・


二人が家に向う間も雪はどんどん積もっていった
歩くたびにサクサクと音をたてる程である

「珍しいわね・・・東京でこんなに降るなんて」

「まぁでもなかなか美しいじゃないですか・・・このフリーザ様にぴったりです」

フリーザ様は自分をどんなキャラだと思っているのだろう?
そんな事を考えながら歩いていた哀だったが次の瞬間その思考はストップされた

キキキキキッ!!!グワシャン!!!

凄まじい音がしたかと思えば目の前の電柱に車が突っ込んでいる
ボンネットは哀れにもジャイアンに殴られたスネオの顔のようになっている

「うわ・・・台無しですね・・・」

幻想的な風景に見とれていたフリーザ様が溜息をついた

「馬鹿な事言ってる場合じゃないでしょ・・・運転手は無事かしら?」

哀は急いで車の方に駆け寄る・・・が

ドテッ!

急いだのがまずかった・・・
雪に足をとられて転んでしまったのだ

「ぷっ・・・」

思わず吹き出したフリーザ様をキッと睨みつつ哀は運転席を確認した
そこにはエアバックに挟まれてモゴモゴともがいている運転手がいた
どうやら大した怪我は無いようだ・・・

「大丈夫?」

「えぇ・・・なんとか・・・」

フリーザ様も寄って来て運転席から引きずり出してやると
スーツ姿の冴えない男が一人出てきた
男は哀の言葉に答えながら車を見た
スネオ状態の愛車が目に映る・・・

「あぁ・・・何て事だ・・・」

男は頭を抱えてその場にうずくまってしまった
哀が心配そうに顔を覗きこむ

「車ぐらい・・・体が無事だったから良かったじゃない・・・」

「そうじゃないんです!」

哀を見上げた男の目は潤んでいる・・・何か訳ありのようだ
とりあえず警察を呼んで事故の処理を済ませると
哀とフリーザ様は男を家に連れて帰った

「どうぞ・・・」

海老原と言うらしいその男に博士がコーヒーを差し出した
どうもと言って受け取ったその顔は暗い・・・

「で・・・どんな訳があるの?」

哀が切り出すと海老原はコーヒーを一杯口に含んだ後口を開いた

「実はこれから秋田まで行かないといけないんです」

「この雪の中車で秋田まで?危ないわよ・・・事故ったけど・・・」

「電車とかいうやつで行けばいいじゃないですか・・・あれ快適ですよね」

フリーザ様の言葉に首を横に振ると海老原は続けた

「電車も飛行機もこの天気で停まってしまってますよ・・・
でもどうしても秋田まで行かなくてはいけないんですよ・・・」

海老原の話によると・・・
彼には訳あって離れ離れに暮らしている妻が秋田にいて
その妻が妊娠しているらしい・・・
それが今日になって急に具合が悪くなったらしく
身重の体に何かあっては・・・と休みをもらって秋田に向うことにしたらしい

「まだ予定日まで二ヶ月もあるのに・・・何かあったら・・・」

「で・・・心配だからすぐに行ってあげたい・・・というわけじゃな?」

黙って頷く海老原・・・
手の中のコーヒーは既に冷めてしまっている
それをテーブルに置くと海老原はすくっと立ち上がった

「お邪魔しました・・・これからレンタカー屋に行ってみます!」

そう言って立ち去ろうとする海老原
博士と哀は必死で引き止めた

「コレコレ!どうせこの雪じゃ車でも辿り着けん!」

「それにあなたの身に何かあったら奥さんとお腹の子供はどうするの!?」

哀の言葉にはっとした海老原は歩みを止めた
とはいえ秋田では妻とまだ見ぬ我が子が苦しんでいる

「くそ・・・どうすればいいんだ!」

「大丈夫よ・・・きっと向こうのお医者さんとかがうまくやってくれてるわ」

「甘い!!!」

そこで突然フリーザ様が割って入ってきた
この男が関わるとろくなことにならない・・・哀は頭を抱えた

「ハイバラさんにはこの方の苦しみが分からないのですか?
医者に任せて東京でのうのうとしていろと?
まさに渡る世間は鬼ばかりですね!」

「それはドラマのタイトルじゃ・・・」

博士のツッコミを無視してフリーザ様は続けた

「医者の手におえない状態で今夜が山だったらどうするんですか?
そうじゃなかったとしても医者が無能で医療ミスとか・・・
いや!病院に行く途中でさっきの海老原さんみたくドカンと」

ブシュウッ!!!

突然フリーザ様を茶色の霧が襲った
聞くに耐えかねると判断した哀がコーヒーを使って毒霧攻撃をしかけたのだ

「何するんですか?消し去りますよハイバラさん?」

「何不安にさせるようなこと言ってるのよ!」

海老原はそうとう効いたのか顔が青ざめてそわそわしている

「大丈夫じゃよ・・・きっと大丈夫・・・」

そんな博士の言葉も届いていない様子だった
重苦しい空気がリビングを支配し始めていたが・・・

「分かりました!」

再び口を挟んできたフリーザ様・・・哀は睨みつけて制止しようとしたが

ブシュウッ!!!

「きゃあああ!!!」

フリーザ様の逆襲の毒霧攻撃で目をやられてしまいそれは叶わなかった
フリーザ様はタオルで目を拭う哀を尻目に海老原の側に行くと言い放った

「私が運転して連れて行ってあげましょう!感謝しなさ〜い!」

果たして海老原は秋田に辿り着けるのか?


続く


おまけ:ショート劇場

エピソード7「蘭・・・観戦中」

「いよいよ始まったわね・・・」

「うわっ入った!あぁ・・・あ〜あ・・・日本人は完全に消えたわね」

「そこだ!行け!負けるな!はぁ・・・やっぱ強いなぁ」

「どっちなの?・・・ふぅ・・・とりあえず引退は持ち越しね・・・」

「結構ガンガン来るわね・・・あぁ!・・・すごい!一発で・・・
私もあれやってみたいわ・・・明日の部活で練習してみよう」

「うわぁ・・・やっぱ男の人だとあれはキツイわよね・・・」

「えぇ!!!・・・ってことはリザーバーが上がって来るんだ・・・」

「きゃああああ!!!・・・やっぱ強いなぁ・・・ってことはこれで引退か・・・」

「去年と同じ決勝になるのかしら?って・・・あぁ!効いた!
・・・・・・すごい!すごい!やっぱ暴君って言われる男ね・・・」

「がんばれ!最後まで諦めないで!・・・あぁ・・・
やっぱり強かったわね・・・でもあの向っていくスピリットはさすがね・・・」


「蘭姉ちゃん・・・何見てるの?」


さて・・・蘭は何を見ていたのでしょうか?







いやいや・・・
随分遅くなりました
何しろいろいろあったもので・・・
具体的に言うと
K−1のゲーム買って遊んだり
寝正月したり
K−1のゲームで遊んだり
昼過ぎまで寝たりしてました^^;











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