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フリーザ様と灰原さん
作:おっとり



6.違いの分る男


コーヒー・・・・・・
エチオピア原産のコーヒーの木からとれるコーヒー豆
そのコーヒー豆から抽出された漆黒の液体・・・・・・
人類とは非常に古くからの付き合いである
現在ではインスタントに缶 ペットボトルなどでも楽しめる
もはやお馴染みの飲み物である
そんなコーヒーの話・・・・・・


第6話 違いの分る男


その日 喫茶店ポアロは空いていた
店にいるのはマスターとウェイトレスの梓
そしてレポートをする大学生が一人と女子高生が二人だけである

「最近 新一君から連絡はあるの?」

「ん? う〜ん・・・・・・なんかまた事件が忙しいみたいで・・・・・・」

店の隅のテーブル席で女子高生二人はそんな会話をしていた

「あら? 彼氏の話?」

余程暇なのか・・・・・・そこに梓も加わってきた
梓の問いかけに女子高生の一人は顔を真っ赤にして手の平を振った

「そんなんじゃないですよ〜!」

「『彼氏』じゃなくて『旦那』よね?」

「もう! 園子!」

悪ふざけをする友達に向って 彼女が拳を振り上げたその時だった
カランカラン・・・・・・と ポアロの扉に備え付けられた鐘の音が響き渡った

「いらっしゃいませ〜!」

梓は そう元気良く言いながら来客の方に向き直った
すると そこにいたのは奇抜な格好のビジュアル系・・・・・・

「ほっほっほ・・・・・・また来てしまいましたよ」

「あっ! フリーザ様!」

フリーザ様だった・・・・・・
梓と二言三言交わすと フリーザ様は店内をキョロキョロ見回し
そしてカウンター席でレポートをしているその男を見つけると 隣の席に腰掛けた

「やぁダイガクセイ! テレポートとやらは順調ですか?」

「レポートです・・・・・・フリーザ様のおかげでそれはもう順調ですよ」

「ふむ! そうでしょう そうでしょう!」

ダイガクセイはポアロの常連で フリーザ様がポアロで顔を良く合わせる男だった
フリーザ様は彼に会う度にレポートについて助言をしているのだが
実際 フリーザ様のアドバイスが役に立ったことは一度もなかった
しかし ダイガクセイは敢えてそう答える・・・・・・
事なかれ主義なのだ
将来は公務員なのだ・・・・・・

「ちょっと蘭・・・・・・あの人この間新聞に出てたビジュアル系よ!」

「本当だ・・・・・・」

女子高生二人・・・・・・蘭と園子もフリーザ様の話を始めた

「おや? この私をご存知なんですか?」

それを聞きつけ フリーザ様はダイガクセイの隣を立つと
今度は蘭と園子が座るテーブル席に移動した

「新聞で見たわ! 女性を襲う暴漢をパンチ一発で倒したって!」

「あぁ・・・・・・アレですか・・・・・・
まあ おかげでこっちは三日間外出できなくなりましたけどね」

『目立つから外出禁止!』

そう哀に言われてからの三日間をフリーザ様は思い出した
そして その額の血管がピクリと動いた時
調度 梓がコーヒーを持ってやって来た

「そう言う訳で 今日は久々のポアロなんですよ」

「へぇ〜 ここには良く来るんですか?」

「えぇ・・・・・・このコーヒーと言う飲み物が気に入ってしまいましてね」

蘭の問いかけにそう答えると フリーザ様はコーヒーを口に運んだ
口の中に香ばしい味が広がる・・・・・・

「でも うちのはそんなに特別なコーヒーじゃないですよ?」

フリーザ様のあまりに幸せそうな顔を見て 梓は笑いながらそう言った

「でも家でハイバラさんが淹れてくれるコーヒーより美味しいですよ?」

「そうなんですか?」

何がいけないというのか?
フリーザ様と梓は「う〜ん」と考え込んだ
するとその時 二人の沈黙を破るように蘭が口を開いた

「ひょっとしてインスタントなんじゃないですか?」

「あぁ! うちのはレギュラーだしね」

「インスタント・・・・・・? レギュラー・・・・・・?」

聞きなれない言葉にフリーザ様は首を傾げた
どうやら一口にコーヒーと言っても色々あるらしい・・・・・・
困惑気味のフリーザ様を見ると 梓は説明を始めた

「『インスタント』って言うのはスーパーとかに売ってる お湯に溶かして飲むやつです」

「あぁ! それですね うちで飲んでるのは」

「それで『レギュラー』って言うのは・・・・・・こういうのを使って淹れるやつです」

そう言って 梓はフリーザ様の前にそれを持ってきた
年季の入ったサイフォン式のコーヒーメイカーである・・・・・・

「なるほど・・・・・・美味さの秘密はこれにある訳ですね!」

フリーザ様はそれを見て目を輝かせると
梓にコーヒー代を突き付けて 飛び出すようにポアロを出ていった


・・・・・・
リビングのソファーの上に寝転がって 哀はファッション誌を読んでいた
ゆったりとした時間・・・・・・
しかし 突然ドタバタと響き渡る足音によってそれは打ち壊された

「ハイバラさん!」

「おかえりなさい・・・・・・もっと静かに入って来れないの?」

そこに現れたのはポアロから帰ってきたフリーザ様だった
フリーザ様は怪訝そうな顔で見てくる哀を発見すると 息を整えてから口を開いた

「コーヒーメイカー・・・・・・」

「へ?」

「コーヒーメイカーを手に入れるんですよ!」

「いきなり何よ?」

帰ってきて一番に「コーヒーメイカー」
一体外で何を吹き込まれてきたのか・・・・・・
哀がそんなことを考えていると 奥の部屋から騒ぎを聞きつけた博士が出てきた

「はて? コーヒーメイカーじゃったら 昔ビンゴの景品で当てたのがあった気がするぞい」

「本当ですか博士さん!? 今すぐ持ってくるんですよ!」

そう言ってフリーザ様は 嫌がる哀と博士に無理矢理物置の発掘をさせた
そして 凄まじい埃と格闘する二人を腕を組んで仁王立ちで監督する・・・・・・
そんなこんなで数分後
誰からも忘れられた 少し寂しげなダンボール箱の中からそれは発見された

「ほっほっほっ! 素晴しい! さっそくコーヒーを淹れてみましょう!
ハイバラさんはコーヒー豆を買ってきなさい! 淹れるのは私がやります
さぁ・・・・・・楽しいコーヒータイムの始まりですよお二人さん!」

その後・・・・・・
コーヒーメイカーは三人の生活の一部に溶け込んでいった
忙しい朝の一時に・・・・・・
ゆったりとした昼過ぎに・・・・・・
皆が寝静まった夜遅くに・・・・・・
いつでも それはどこかホッとできる味を三人に与えてくれた


そして数日後・・・・・・
フリーザ様と哀はポアロへ向っていた
ポアロのコーヒーを飲むために・・・・・・

「自分で淹れるのも良いですけど やっぱりポアロのコーヒーも良いですよね」

「そうね・・・・・・喫茶店で飲むとまた一味違うものね」

そんな話をしながら 二人はポアロの扉を開いた

「ほっほっほっ! パーフェクトなコーヒー通のフリーザ様ですよ〜!」

そう言ってフリーザ様が店内に入ると 梓がいつものように出迎えてくれた

「やぁ! 君もコーヒーが好きなのかい?」

そして 見慣れぬ客も出迎えてくれた・・・・・
カウンター席に座って梓と話し込んでいたその男は フリーザ様を自分の隣の席に招いた

「いやぁ やっぱりコーヒーはモカだよね! 私なんか一日に五杯は飲んでいるよ!
なんと言ってもこの深い味わい・・・・・・もう病みつきだよ! 君もそう思うだろ? なんと言ってもこの・・・・・・」

男はコーヒーについて熱く・・・・・・熱くフリーザ様に語った
それこそフリーザ様に出されたコーヒーが冷めてしまうまで・・・・・・
あまりにマニアックな話にフリーザ様は適当に相槌を打つのがやっとだった

「・・・・・・ってことでやっぱりモカは・・・・・・って もうこんな時間か
モカの話をするといつもこれだ! ハッハッハッ!」

一時間後・・・・・・男はそう言って席を立つと 会計を済ませて店を出ていった
怒りに震えるフリーザ様を残して・・・・・・

「ああ言うのを本当の『コーヒー通』って言うのよね・・・・・・」

哀はそう言ってクスッと笑った
フリーザ様のプライドは丸潰れである


一週間後・・・・・・
新聞の隅に小さな記事が載った
行方不明だった男性が栃木の山中を彷徨っているところを警察に保護されたというものだ
男性はかなり錯乱しており
「モカはもういらない・・・・・・モカはもういらない・・・・・・」としきりに呟いていたらしい
この件にフリーザ様が関与していたかどうかは・・・・・・不明である・・・・・・


続く


おまけ:今日のスカウター

ピピピ・・・・・・榎本梓 戦闘力3

さすがに女性ですね
戦闘力はこんなものですか
しかし彼女は雰囲気が良いですね
ポアロに行った時はいつも笑顔で・・・・・・
え? 作者の初恋の人に似てるですって?
あぁそう・・・・・・





ってことで6話でした。
修正しました。
修正前の後書きでは「少し真面目に書いた」とか書いてありました。
すげぇ・・・・・・
これを書いていた頃は、これが真面目だったのか・・・・・・
過去の自分は限りなくアホな気がして仕方ありません。
でも、そんなアホだった頃に戻りたいような気もする今日この頃です・・・・・・
性的な意味で・・・・・・

あ・・・・・・今もアホだ^^;












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