22.高原の風
吹きぬける爽やかな風
青く澄んだ空
静かに揺れるシラカンバの林
そして優しくそびえ立つ山・・・八ヶ岳
そしてそこに立つビジュアル系がひとり・・・
彼は今標高1000mの高原の町
清里に来ていた・・・
第22話 高原の風
ある夜・・・
フリーザ様と2人の部下はテレビを見ていた
どうやら旅番組のようだ・・・本日のゲストは沖野ヨーコである
「・・・あ!おいしぃ!このソフトクリーム!」
「ここのソフトクリームは皆清里の牧場にいる牛の乳から作られてますから」
本日紹介されているのは山梨県の北部
八ヶ岳南麓の町清里である・・・ソフトクリームがおいしいらしい
「いいですねぇ・・・旅ですか・・・
よく宇宙船で他の星へ行ったりはしましたが・・・
地べたを歩いていく旅はまた格別でしょうね・・・」
フリーザ様はすっかり見入っている
哀や博士もなんだかんだで旅番組は好きみたいである
博士は次のキャンプ地の候補として考えているようだ
「・・・と言うことで今日の『行こう!田舎を馬鹿にしに』
いかがだったでしょうか?本日のゲストは沖野ヨーコちゃんでした」
番組が終わった
CMが始まる・・・その時突然フリーザ様が立ち上がった
かと思ったらそそくさとリビングを後にした・・・
「あれ・・・何かたくらんでるわね」
翌朝・・・
「ふぁ〜・・・おはよう・・・」
「大変じゃ!哀君!こ・・・これを!」
朝一でうるせぇじじいだな・・・
そう思いつつも哀は博士が手に持つ紙に目をやる
置手紙か何かのようだ・・・
なになに・・・キヨサトニイッテキマス フリーザ
・・・・・・!?
「清里って・・・本気!?」
はたしてフリーザ様の運命は?
さてさて・・・旅立ったフリーザ様は・・・
まず米花駅から新宿へ・・・そして中央線に乗り換え小淵沢まで
そして小淵沢でディーゼルエンジンのイカス電車
小海線に乗り換え30分ほど電車に揺られると・・・
フリーザ様は清里に到着していた・・・
新宿からは本当にある経路なので皆さんも是非やってみましょう
「ここが清里ですか・・・初夏だと言うのに涼しいですね・・・」
八ヶ岳南麓の町は都心から電車で1〜2時間・・・
また標高1000mという高地故の涼しさで避暑地としてにぎわう
「とりあえずおなかが空きましたね・・・
そうだ!ヨーコちゃんが食べていたホートーとか言うのを食べましょう」
ホートーではなく「ほうとう」
山梨県の・・・早い話がうどんの一種である・・・
野菜がたっぷりと入ったヘルシーな田舎の味
フリーザ様はお気に召したようである・・・
「さ〜て・・・食後のデザートはもちろんソフトクリームです・・・
たしかこの道をまっすぐ登って行けばあると言っていましたね・・・」
フリーザ様はとぼとぼ歩き始めた・・・見渡す限り森と牧場・・・
たまにすれ違う馬や牛を眺めながらフリーザ様はソフトクリームをめざした
歩くこと20分・・・目的のソフトクリームをゲットした
爽やかな風に吹かれながらソフトクリームを舐め
そのまま気の趣くままに高原の道を散歩する・・・
「やれやれ・・・こんなにのんびり出来るとは・・・気に入りましたよ」
いつも好き勝手にやっている人のセリフとは思えない
「おや・・・なんでしょうか?真っ赤に塗られて・・・素敵な橋ですね・・・」
フリーザ様はいつの間にか赤い橋に来ていた
ここも清里の観光名所・・・山と山の間にかけられた真っ赤な橋
秋になると紅葉も綺麗である・・・
山と山の間の谷を渡るようにかけられた橋なので
当然その手の輩も引き付けることになる・・・
「よ〜し!よ〜し!飛ぶぞ〜飛ぶぞ飛ぶぞ〜!
バンジーだ・・・ヒモの無いバンジーだ!」
そう言う輩である・・・
橋から山の景色を眺めていたフリーザ様は
あまりのやかましさに声をかけた
「うるさいですね・・・何をわめいているんですか?
せっかくの気分が台無しではないですか・・・」
「なんでぇ!しゃらうるせぇな!もう飛びてぇんだよ!
そうすりゃあ開放されるずら!?こんな人生からも!
そして何もねぇこの田舎からも!」
どうやら死ぬ気らしい・・・フリーザ様はここでやっと気づいた
「何が不満なんですか?何もない?ありますよ
ソフトクリームとホートーが・・・」
「へっ!そんなもん!満ち足りたおめっとーら都会の人間のためのもんだ!
実際に住んでみろし!ゲーセンもカラオケもろくにねぇ!
デパートや大型のスーパーに行くのだって車で20〜30分!
不便なんだよ!田舎はよ」
でも自殺するほどじゃ無いだろ・・・
フリーザ様でもそう思った・・・しかし話を聞くとそれだけでは無いようだ
田舎を出ようと都会の大学を受験したがみごとに落ち
親に農業を継ぐように言われたらしい
「おれはこんな田舎で一生を終える気なんてねぇ!
今こそ開放の時だ!見ろ!これがコードレスバンジーの真髄だ!」
飛んでしまった・・・がフリーザ様のサイコキネシスでまた元の位置へ・・・
「こんなところで死なれたらせっかくの景色が台無しです」
「うるせぇ!邪魔しちょし!」
方言たっぷりに言い放つとまた飛び降りた・・・が
また戻される・・・これは楽しい・・・
フリーザ様はいつの間にかそうやって遊んでいた・・・
そして1時間後・・・コードレスバンジーは99回を数えた
「あ・・・あと1回で・・・100回ずら?」
「そうですよ・・・頑張るのです若者よ!」
さすがに疲労の色が隠せ無い若者・・・
しかし最後の力を振り絞り橋の真っ赤な手すりに足をかける
本来の目的はすでに忘れたようだ・・・
「うおおおおお!バンジー王に・・・俺はなる!」
飛んだ・・・とそこへ・・・
「やっと見つけたわよ!」
哀と博士が予備の追跡メガネで探しに来たようだ
「あ・・・ハイバラさん・・・」
一瞬気が散ったフリーザ様・・・
「あれ・・・止まんないんですけど?
・・・・・・・・・ぎゃああああああああああ!
おれはまだ死にたくねぇよ〜!!!」
全力の雄叫びは何とかフリーザ様に届き
後30cmの所で助かった・・・それにしても本当は死にたく無かったようだ
「フリーザ様・・・ありがとうよ・・・おれはもう一度親父と話してみる・・・
バンジーで度胸もついたし・・・見ててくりょ・・・
いざとなりゃ親父を殴ってやらぁ!」
爽やかな顔で去っていく若者を見送る3人
日が傾き始めた高原に爽やかな風が吹きぬけた
「帰るわよ・・・」
「そうですね・・・結構楽しんだし・・・もう良いでしょう
あ・・・あとこれお土産です・・・」
それは近くの店で買った山菜だった
今日は山菜御飯にでもするか・・・などと話しながら
フリーザ様たちは清里を後にした
続く
おまけ:今日のスカウター
ピピピ・・・高木渉 戦闘力32
フリーザ様から一言
まぁ・・・並の刑事さんですね・・・若干ドジです
野球でもやっていたのか缶を相手に投げて倒したこともあります
しかしなんと言ってもあの悪運の良さが特徴ですね
私もあやかりたいですよ・・・ふっふっふ
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