フリーザ様と灰原さん(19/144)縦書き表示RDF


フリーザ様と灰原さん
作:おっとり



19.恋は梅雨前線と共に


誰しも人生に一度は味わうであろう
甘く切ない衝動・・・
人はそれを恋と呼ぶ
そして恋は突然にやってくるものである
それこそ一目で・・・
シェークスピアは自身の作品「お気の召すまま」の中でこう述べている
「恋する運命にある者は誰でも一目で恋をする」と
そしてここにも一人
一目で恋した者がいる・・・


第19話 恋は梅雨前線と共に


カランカラン・・・

今日もポアロのドアが鳴る
いつも通りの音で・・・
しかしそれを見つめる者の瞳はいつもと違っていた

「行っちゃった・・・はぁ・・・」

梓は大きく溜息をついてボーっとしている・・・
あまりにボーっとしているのでマスターが咳払いをした
我に返り仕事に戻る梓・・・
しかし傍から見ても身が入っていなかった

カランカラン・・・

またポアロのドアが鳴った・・・
そこにはもはやいつも通りとなった光景
今日も面白いことを探す宇宙の帝王フリーザ様がやって来たのだ

「こんにちは・・・やぁダイガクセイ!
この間は大変でしたね・・・ふっふっふ」

「あ!フリーザ様!
まぁ俺は焼きそば焼いてただけなんだけどね・・・」

こちらもいつも通りのレポート魔
ダイガクセイは今日もレポートである

「もう焼きそばの話は良いわ・・・青のりがまた夢に出てくる・・・」

完全に青のり恐怖症に陥った哀もやって来た
3人はコーヒーやサンドイッチをつまみながら談笑している
しかしいつもなら一緒に話をしている梓は今日はうわの空
まったく話に加わってくる様子もない
フリーザ様が声をかけた

「梓さん・・・どうかしたんですか?」

「・・・・・・・・・・・・へ?なんですか?」

様子がおかしいだろ・・・
ダイガクセイとフリーザ様は梓にどうかしたのか聞くことに
しかし梓は別になんでもないとしか言わない

「その様子は・・・ずばり恋ね」

哀がずばり言った
梓は否定しているが思いきり顔に出ていた
面白そうなことを発見したフリーザ様は嬉しくて仕方がない
どんな人か?などと梓を質問攻めにする

「あの・・・マスターには内緒ですよ・・・
ここ最近良く来るようになったお客さんなんです・・・」

「・・・聞こえてるんだけど」

しっかり聞いていたマスター・・・はさておき
梓の恋の相手は
最近来るようになった年上の男性で
いつもブラックのコーヒーを頼むだけらしい

「で・・・その様子じゃ告白もしてないんでしょ・・・」

哀が突っ込む・・・今日の彼女は某占い師のようだ・・・

「しかしボーっとするまで夢中とは・・・
死環白でも突かれたんですかね」

ダイガクセイが言うと・・・

「・・・アハラ」

フリーザ様が返す・・・

「あ!ヌメリでしょ!ヒョウにやられた所だ!」

フリーザ様とダイガクセイはマニアな会話を始めてしまった
やれやれと呆れる哀

「とりあえず想いだけでも伝えなきゃ・・・いつごろ来るの?」

「みなさんよりちょっとだけ早い時間にいつも来るけど・・・告白なんて」

梓は顔を赤くしてもじもじしている
そしてマスターの顔をチラチラ・・・
たしかに従業員が客に告白なんてあまり好ましくない

「恋に店員も客も関係ないわよ・・・ねぇマスター?」

「えぇ!?いや・・・その・・・」

突然の哀のキラーパスに言葉に詰まるマスター

「良いわよね・・・」

あまりの哀の気迫にこのままでは地獄に落とされると思ったマスター
彼には「はい」と言うしか選択肢は残されていなかった・・・


次の日・・・

フリーザ様たちはいつもより早めにポアロに来ていた
梓の恋をいじって遊ぶ・・・じゃなくて応援するために・・・

「にしても最近良く降るわね・・・」

空は生憎の雨模様である
梅雨だから仕方ない・・・

「お客さんが来るようになったのも梅雨の始めごろからだけどね・・・」

梓は言った
表情はどこか幸せそうであり
恋をしている人のそれであった

「ふっふっふ・・・良いではないですか!
雨に降られる2人の男女!ラブロマンスの王道です!」

フリーザ様もダイガクセイも楽しそうである
人の恋ほど面白い物はない
人間の悲しい性である・・・
そんなことをしているうちに目当ての人物がやって来た

カランカラン・・・

「いらっしゃ・・・いませ・・・」

そこに立っていたのはくたびれたスーツを来た30歳くらいの男だった
ところどころ雨に濡れているが本人は気にしていない
ワイルドである・・・

「いつもの・・・」

「あ・・・はい!」

緊張で梓の声が裏返る
それにしても・・・渋い・・・裕次郎か?
男は出されたブラックコーヒーを飲みながら新聞に目を通している

「ちょっと・・・さっさと告白しなさいよ!」

哀がGOサインを出す
しかし梓は勇気が出ない・・・言おうとしても言葉が喉で止まる
そんな彼女を見守る3人・・・だが段々イライラして来た
裕次郎はタバコを吸い始めていた・・・ちなみにハイライトである・・・
ハイライトの紫煙がモクモク
フリーザ様たちのイライラもモクモク
そして梓はもじもじ

「そこの君!モクモクしすぎだよ!この裕次郎気取りが!」

突然フリーザ様がブチギレた

「なんだお前?・・・悪いが俺は愛煙家でここは喫煙席だ・・・
俺とこいつを切って離すことはできねぇぜ・・・」

クールに言い放つ裕次郎・・・
フリーザ様とメンチの切り合い・・・激しく火花を散らす

「やめて!」

梓が叫んだ・・・静寂が店を包む・・・
と・・・裕次郎が帰り仕度を始めた

「迷惑かけちまったな・・・もう2度と来ないでやるから勘弁してくれ・・・」

そう言って去ろうとする裕次郎

「待ってください!・・・そんなこと言わないで!もう来ないなんて・・・
私は貴方が好きです!だから・・・また・・・
・・・それとお勘定がまだです」

勢いに任せて告白する梓
その成り行きを見守る哀とダイガクセイ・・・

「・・・俺なんかに惚れちまったのか・・・
悪いことをしたな・・・あんたの想いには・・・答えられない
俺なんかに惚れちゃダメだ・・・俺は人を幸せになんかできねぇんだ
神様に嫌われてるからな・・・」

ふられてしまったようだ
梓の目に涙が浮かぶ・・・が表情は晴々としている

「そうですか・・・分りました!残念だけどすっきりしました!」

満面の笑顔を作る梓
その笑顔を見ると・・・裕次郎はふっと微笑み
そして静かにドアに向った

「あの・・・せめて名前だけでも教えてもらえますか?」

「・・・雨宮」

その言葉を最後に雨宮は去って行った・・・

「あ〜すっきりした!」

梓はどこか幸せそうである

「よかったですね・・・私はこれを計算して喧嘩を売ったんですよ」

どうだか・・・哀とダイガクセイは呆れた目でフリーザ様を見た
しかし結果オーライである
今の梓の心はちょうど雨が止んだ空のように晴れ渡っていたのだから・・・


「・・・ていうかあの人お金払ってないよ・・・」


続く


おまけ:今日のスカウター

ピピピ・・・ハイライト雨宮 戦闘力65

フリーザ様から一言
結局何者だったのでしょう?まぁ今回は梓さんの恋で
なかなか楽しませていただいたので別に良いですけど・・・
それにしても最近オリキャラしかスカウターに登場してませんよ!
どうなってるんですか!?





すみません・・・
確かにスカウターにオリキャラしか出てません
最後に出たコナンキャラが平次で
そのあとテツ→学園斎→ハイライト
まじめにやらなきゃ^^;
てことで次回コナンキャラで新しいの出します











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう