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アイコン三国志(一〇九~) 作者:小金沢
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一一七   龍と虎と狗

~~~蜀 漢中かんちゅう~~~


挿絵(By みてみん) 夏侯覇かこうは
「魏では司馬師が死に、毌丘倹かんきゅうけんに続き諸葛誕が反乱した。
今こそ北伐に打って出る好機ではないか」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「……蜀方面に影響はない。
陳泰、鄧艾が国境を固め、隙は見えない」


挿絵(By みてみん) 夏侯覇かこうは
「何を弱気なことを!
蜀の国力は魏の十分の一、呉と比べても三分の一に過ぎない。
一か八かの賭けに勝たなければ、死を待つ他ないのだぞ!」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「……ならば、君が兵を率いればいい」


挿絵(By みてみん) 夏侯覇かこうは
「馬鹿なことをぬかすな。
いくら皇后の親族とはいえ、降将の俺に従う者など少ない。
費禕ひいが降将に暗殺されて以来、風当たりも厳しいしな」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「僕も元をたどれば降将だ。
都は諸葛瞻しょかつせんや宦官の黄皓こうこうが牛耳り、
僕には権力も名声もない」


挿絵(By みてみん) 夏侯覇かこうは
「……それが諸葛亮の一番弟子とうたわれた男のセリフか。
一度や二度の敗北で自信を失ったのか?
いや、前回の戦では陳泰に一泡吹かせたではないか」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「小さな勝利に過ぎない」


挿絵(By みてみん) 夏侯覇かこうは
「軍師スタイルをやめて元のアイコンに戻したのも弱気になったからか?」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「あれは不評だっただけだ」


挿絵(By みてみん) 夏侯覇かこうは
「……もういい。こんなことなら呉に亡命していればよかった。
見損なったぞ姜維! 俺は俺で魏と戦う道を探る。
もうお前には頼まぬ」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「………………」


~~~魏 寿春じゅしゅん~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「悪く思わないでくれ……。
私が再び更迭されれば、多くの部下が路頭に迷ってしまう。
一か八かの賭けに出るしか無かったのだ」


挿絵(By みてみん) 楽綝がくちん
「言い訳は不要だ。謀反人ならば謀反人らしく振る舞うがいい」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「……刺史のお前を殺し、揚州の兵を奪う。
しかる後に籠城し呉の救援を待つ。
それしか魏に対抗する術はないのだ」


挿絵(By みてみん) 楽綝がくちん
「言い訳は不要だと言ったはずだ。来い、裏切り者よ」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「報いはあの世で受けるつもりだ。
すまぬ! 死んでくれ楽綝!!」


~~~魏 洛陽らくようの都~~~


挿絵(By みてみん) 司馬昭しばしょう
「毌丘倹の次は諸葛誕が反乱か。
まったく魏の世も末だな。国に求心力がないからこうも乱れるのだ」


挿絵(By みてみん) 賈充かじゅう
「とにかく討伐軍を差し向けねばならぬ。
毌丘倹の時のように、あなたが直接出向くのは遠慮してもらいたい」


挿絵(By みてみん) 司馬昭しばしょう
「どこかの馬鹿兄貴はほいほい前線に出向いて行って死んだんだったな。
私は馬鹿の轍は踏まんよ。討伐軍は王基と石苞に、副将は鍾会に任せる」


挿絵(By みてみん) 王基おうき
「ああ、正義の槍で反乱をたちどころに鎮めて見せるよ!」


挿絵(By みてみん) 石苞せきほう
「ん~~おらが出陣? しかたないなあ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「任せよ」


挿絵(By みてみん) 賈充かじゅう
「呉が諸葛誕に救援の兵を差し向けるに違いない。
その対処は州泰と胡烈に任せよう」


挿絵(By みてみん) 州泰しゅうたい
「おうよ」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「とうばつに むかいますか?」

→はい
 いいえ


~~~呉 建業けんぎょうの都~~~


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「ヒャッハー! 諸葛誕の反乱に乗じて魏軍をキルしまくるぜ!
遠征軍はオレサマが自ら率いてやる。
副将は文欽と唐咨だ。他の連中は留守番してな」


挿絵(By みてみん) 丁奉ていほう
「なに? 魏軍と戦い慣れている俺や弟を連れていかないだと」


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「キサマらは信用ならないからな。
その点、文欽や唐咨は魏軍に寝返る心配がない」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「ま、まあ……。それはそうですな。
我々は魏から呉へ寝返った身ですし。今さら魏へは帰れません」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「父上、だからといって信頼されているわけではないですよ」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「言われなくてもわかってんだよ!」


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「文欽は一足先に寿春の城に入り、諸葛誕との連絡係を務めろ」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「あいつとは昔っから馬が合わないんだけどな……。まあ、しかたねえ」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「そもそも父上と馬が合う人はこの世に2人くらいですよ」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「お前は黙ってろ!」


~~~魏 討伐軍~~~


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「ようこそ ここは ジュシュン の しろだよ」


挿絵(By みてみん) 州泰しゅうたい
「早速、呉軍が出張ってきてやがんな。
一部の兵はもう城にも入ってるらしい。どうするよ胡烈?」



挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「ごぐんが あらわれた!
 コマンド?」

 →たたかう  じゅもん
  にげる   どうぐ 


挿絵(By みてみん) 州泰しゅうたい
「軍を率いてるのは孫綝に唐咨……。
フン、警戒するほどのこともないか。
よし、俺が右から、お前は左から攻めるぞ」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ のこうげき! かいしんのいちげき!」


~~~寿春 諸葛誕軍~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「呉軍があっさり撃破されただと!?
な、なにをやっているのだ!」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「まあ指揮してるのが孫綝や唐咨じゃな……」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「呉軍は頼りにならん。
諸葛誕将軍、ここは俺や焦彝が城外に布陣し、
内外で連携を取るのが得策だと思うが?」


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「蒋班の言う通りだ!」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「むう……。し、しかし配下に収めたばかりの揚州の兵の動向も不安だ。
あまり兵を分けたくはないのだが」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「でしたら僕や父上が城外に出ましょう」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「……よもやとは思うが、お前たちは魏軍に寝返ったりしないだろうな」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「おいおい、俺らまで疑ったら世話ないぜ!
そういう心配されねえように俺らが来てんだろうが!」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「でも一度寝返ったら二度も三度も同じという考え方もありますよ。
呂布っていう有名な裏切り者が昔いたって本で読みましたし」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「頼むからお前は黙っててくれよ!」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「………………」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
(もともと猜疑心の強い男だったが、ここに来てさらに疑心暗鬼にかられているようだ。
これではまともに戦えるかも怪しいものだ……)


~~~魏 討伐軍~~~


挿絵(By みてみん) 石苞せきほう
「ふあ~あ。退屈だなあ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「諸葛誕め、ろくに反撃もして来なくなったな。
城の中に亀のように閉じこもっている」


挿絵(By みてみん) 王基おうき
「きっと自分の非道な行いを反省して、謝罪の手紙を推敲しているんだろう」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「またお前は世迷い言を……。
だが動かないなら好都合だ。この隙に外堀を埋めるとしよう」


挿絵(By みてみん) 王基おうき
「わかったぞ。諸葛誕に書道の教科書や、例文集を贈ってやるんだな?」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「馬鹿か。……いま降伏すれば過去の罪は問わないと、
城内にいる配下や文欽を煽り内部分裂を誘うのだ」


挿絵(By みてみん) 王基おうき
「なるほど。彼らも元をたどれば共に戦った熱き正義の心を持つ同志だ。
呼びかければ目を覚ましてくれるかもしれないな!」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「……そういうことでいい。とにかく密使を送るぞ。
それでいいな石苞?」


挿絵(By みてみん) 石苞せきほう
「王基と鍾会がそう思うなら好きにすればいいよ。
君たちがあれこれ考えてくれるから楽でいいなあ」


~~~呉 救援軍~~~


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は ベギラマの じゅもんを となえた!」


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「ク、クソ! 今度は火攻めか!」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「我々では州泰や胡烈の用兵に対抗できません!
ここは引き上げましょう!」


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「ぬう……。よ、よし。オレサマは引き上げるから、キサマらは戦いを続けろ!」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「は?」


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「呉の柱石たるオレサマの身になにかあったら一大事だ。
今後はキサマらが諸葛誕の援護を続けるがいい」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「そ、そんな……」


挿絵(By みてみん) 孫綝そんちん
「兵は置いていってやる! いいか、必ず魏軍を倒すんだぞ。
逃げ帰ってきたらキルしてやるからな!!」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「な、なんということを……」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「あのクソヤローが」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「うわあああっ!! て、て、敵襲が……ってまたお前か!
なんでまた魏軍の甲冑を着てんだよ!?」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「魏軍の装備の方が軽いし頑丈だからな」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「そ、そんなことよりこれからどうすれば良いのだ?
無能とはいえ指揮官を失って戦いを続けられるわけがない!」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「こういう時のために、魏へ出戻れないアンタや文欽を連れてきたんだろう。
まあ、運が悪かったと諦めな。俺も付き合ってやるからよ」


~~~寿春 諸葛誕軍~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「そ、孫綝が撤退しただと……?
こ、これはどういうことだ! 我々を見捨てたのか!?」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「き、きっといったん都に戻って体勢を立て直すつもりなんだよ。
丁奉兄弟とか、陸抗とかを連れてくるためだ!」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「丁奉さんはともかく陸抗さんは荊州方面を守ってるから来ませんよ。
普通に考えれば見捨てられたんでしょうね」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「黙っててくれ……黙っててくれよ……」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「残ったのはお前や唐咨ら魏からの寝返り組ばかり……。
やはり魏と密かに連絡を取り合い、私を陥れるつもりだったのだな!」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「ま、待てよ。話せばわかる。だから俺の話を――」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「父上、話してもわからなそうですよ」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「蒋班! 焦彝!
命令だ! 文欽を斬れ!」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「……少し頭を冷やされよ。仲間割れをしては魏軍の思うツボですぞ」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「お前らが魏軍と内通しているのも知っているのだぞ!
昨日も密使と会っていたな!」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「この状況では内通を誘うのは当たり前ですよ。
ちなみに父上は一昨日に密使と会っていました」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「……こうなりゃやられる前にやってやろうか」


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「やめろ。疑われていても我々は諸葛誕将軍の配下だ。
剣を抜けばあなたとも戦わざるをえない」


挿絵(By みてみん) 文欽ぶんきん
「……俺はともかく、この馬鹿強い息子に敵うとでも?」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「正直、三人がかりでも負ける気はしませんね」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「文欽殿も焦彝も落ち着け!
……こうして顔を合わせていては何が起きてもおかしくない。
いったん引き取るとしよう」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「ああ、さっさとここを出て行け!
魏軍でも呉軍でも好きな方へ寝返るがいい!!」



~~~寿春 諸葛誕軍~~~


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「俺はもう御免だぜ。将軍は変わっちまった。これ以上は従えない。
魏に降ろうと思う。……止めるか?」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「止めはしない。俺も迷っている。
だが残していく他の将兵を思うとな……」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「失礼します。単刀直入に聞きます。
父を殺したのはあなた方ですか?」


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「は?」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「厠に行ったきり帰って来ないので様子を見に行ったら斬られていました。
やったのはあなた方か諸葛誕さんでしょう」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「俺達はずっと二人で相談していた。無実だ」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「じゃあ諸葛誕さんですね。わかりました。
今から殺してきますが、あなた方はそれを阻止しますか?
でしたら今ここで戦えば手間が無くていいんですけど」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「後先考えずに文欽殿を殺すまで追い詰められていたか……。
我々も将軍を見限ろうか相談していたところだ。阻止しようとは思えない。
だが……昔のあの方は、部下思いの素晴らしい方だった」


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「ああ。何度も左遷されて、それでも部下のためにって頑張ってよ。
ちょっと気を病んじまっただけだ」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「内通を疑われても恨んではいないのですね」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「今でも恨んではいない。……だから勘弁してやってはくれないか。
文欽殿のことは申し訳なく思うが」


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「勘弁してやってくれれば、俺らからもアンタが魏へ戻れるよう口添えする」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「嫌だと言ったら?」


挿絵(By みてみん) 蒋班しょうはん
「……やはり、諸葛誕将軍のために死ぬ奴が二人くらいいてもいいかな。
なあ、焦彝」


挿絵(By みてみん) 焦彝しょうい
「ケッ、お人好しが。……これっきりにしてくれよ」


挿絵(By みてみん) 文鴦ぶんおう
「………………」


~~~呉 救援軍~~~


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「諸葛誕が仲間割れから文欽を殺し、
息子の文鴦や腹心の蒋班、焦彝が魏に亡命したそうだ……。
お、終わった……」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「孫綝の馬鹿も無謀な突撃を命じておいて、負けた将を処刑していたな。
お互い様だぜ」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「こ、こ、こうなったら俺は一か八か魏に降伏するぞ。
戦ったら死ぬ。帰ったら殺される。もうそれしか道は無いんだからな!」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「そうか。まあ元気でやれよ。達者でな」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「へ? お、お前は降伏しないのか?
お前は初めてだから魏軍も確実に受け入れてくれると思うぞ」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「それで今度は魏軍のために働けってか? そんなの御免だぜ。
考えてもみろ。ここは武人の死に場所にはうってつけじゃねえか」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「おお そんちん
 にげだしてしまうとは なさけない!」


挿絵(By みてみん) 州泰しゅうたい
「そこにいんのは唐咨じゃねえか。
お前も降伏するか? 口利きくらいならしてやるぞ」


挿絵(By みてみん) 唐咨とうし
「ぎ、魏軍が来た! お、俺は降伏するぞ。
も、もう知らないからな! 州泰! 助けてくれーッ!!」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「ああ。幸運を祈る」


挿絵(By みてみん) 州泰しゅうたい
「唐咨と話してたお前は呉軍か? まぎらわしい格好しやがって。
お前は降伏しねえのか?」


挿絵(By みてみん) 于詮うせん
「余計なお世話だ。死出の道連れにされたくばかかってこい」


挿絵(By みてみん) 州泰しゅうたい
「ほう……。呉にも気骨のある奴が残ってるみてえだな。
面白え。行くぜ!」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「ふたたび はむかわぬよう
そなたらの はらわたを くらいつくしてくれるわっ!」


~~~寿春 諸葛誕軍~~~


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「……部下のためと思い立ち上がった私が、
いつの間にか猜疑心に苛まれ、道を見失っていたようだ」


挿絵(By みてみん) 王基おうき
「おとなしく降伏するんだ諸葛誕!
君の胸の中でまだ燃えている正義の心を呼び起こすんだ!」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「部下のため、他人のためと言いながらその心を疑い、
私の方が裏切り続けた。なんと滑稽なことだ……」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「南門で白旗が揚がっているぞ。
内部から城門を開けさせろ!」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「許せよ蒋班、焦彝、文鴦。
今から行くから、あの世で詫びさせてくれ、文欽」


挿絵(By みてみん) 石苞せきほう
「もう絶対に勝ち目ないからさあ、早く開城してよ~」


挿絵(By みてみん) 諸葛誕しょかつたん
「蜀を支えて国に殉じた諸葛亮が龍。
呉の柱石として全てに長じた諸葛瑾が虎。
魏に仕えた私は、一族の恥のいぬだと、笑われるだろうな……」


~~~~~~~~~


かくして諸葛誕は疑心暗鬼から墓穴を掘った。
魏も呉も蜀も国力を衰えさせ、独裁者の暗躍は続く。
そして一人の時代に終焉が近づいていた。

次回 一一八   因果応報
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