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アイコン三国志(一〇九~) 作者:小金沢
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一二一   姜維の戦い

~~~魏 成都せいと~~~


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「チッ……。いいか、貴様は運が良かっただけだ。
万に一度の奇蹟が起こったに過ぎない。
私の戦略が全面的に正しかった。それは認めるな?」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「成都を落とせたのは紛れもない鄧艾将軍の功績だろうが!
現にアンタは剣閣すら落とせなかった。
アンタの言いなりになってたら、
今頃はまだ剣閣の周りに死体の山を築いてただろうよ!」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「副将風情が良い気になるな。私は鄧艾に言っている」


挿絵(By みてみん) 鄧艾とうがい
「手柄は誰に行った、鄧艾倒したけれど鍾会、
俺は始めに言った、蜀さえ倒せりゃ結果オーライ、
それでとどめを刺した、蜀さん倒れて結果崩壊」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「将軍…………」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は あしもとをしらべた。
しかし なにも みつからなかった」


挿絵(By みてみん) 唐彬とうひん
「一銭にもならない仲間割れはそのくらいにしろ。
降伏してきた蜀軍の編成が急務だ。
すぐに取り掛かるぞ」


~~~魏 成都 旧蜀軍~~~


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「陛下は魏の都へ送られることになりましたか……」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「益州に残していたら、誰かが担ぎ上げる恐れがあると考えたんだろう。
俺や樊建、郤正、譙周がお供することになった。
陛下には指一本触れさせやしない」


挿絵(By みてみん) 胡済こせい
「張翼とオレは蜀の兵のまとめ役か。
こっちも大変そうだな」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「それにしてもあなたが無事で驚きましたよ。
諸葛瞻や傅僉のように、戦死したと思っていました」


挿絵(By みてみん) 胡済こせい
「方向音痴だが野盗ごときに負けはしねえよ。
……おっと、もう出発の時間だ。
悪いが先に行くぜ」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「達者でな! 今度は迷うなよ!」


挿絵(By みてみん) 治無載ちむさい
「俺もそろそろ行こう。もう会うことはあるまい」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「本当に羌族に戻ってしまうのですか?
異民族とはいえ長く蜀に仕えたあなたなら、
魏でもそれなりの地位は得られるでしょうに。我々も口利きしますよ」


挿絵(By みてみん) 治無載ちむさい
「そもそも魏軍に敗れて帰り道を塞がれ、やむなく益州に留まったんだ。
道が開けたなら帰るよ。
アンタらには世話になった。忘れないぜ」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「魏で職にあぶれたら羌族の仲間に入れてもらおうかな」


挿絵(By みてみん) 治無載ちむさい
「その時は歓迎する。じゃあな」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「……みんな、離れ離れになりますね」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「国が滅びるってのはそういうことなんだろう。
……それで、姜維はどうしている?」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「あれっきり姿を見ません。
……ですが噂では、魏の陣営の中にいたとも聞きます」


挿絵(By みてみん) 廖化りょうか
「魏の陣営だと!?
あいつが魏軍に取り入って出世を目論むとは考えられん。
いったい何を企んでやがるんだ……?」


~~~魏 荊州けいしゅう~~~


挿絵(By みてみん) 王濬おうしゅん
「呉軍だーーッ! 呉軍が攻めてくるぞーーッ!!」


挿絵(By みてみん) 羊祜ようこ
「また王濬さんですか……」


挿絵(By みてみん) 王濬おうしゅん
「将軍! そこにいましたか! 呉軍が攻めてきます!」


挿絵(By みてみん) 羊祜ようこ
「来ませんよ。陸抗からそんな連絡は入ってメェ~せん」


挿絵(By みてみん) 王濬おうしゅん
「しかし! 呉軍が! 西へ! 向かっています!」


挿絵(By みてみん) 羊祜ようこ
「だったら益州をメェ~ざしているのでしょう。
我々に攻撃を仕掛けるつもりなら、北へ向かうはずです」


挿絵(By みてみん) 王濬おうしゅん
「はっ! 言われてみれば! その通りだ!」


挿絵(By みてみん) 杜預どよ
「左伝に曰く『朝に夕べを謀らず』とは君のことだな」


挿絵(By みてみん) 王濬おうしゅん
「ああ! 確かに! 朝に夕飯は食べない!」


挿絵(By みてみん) 羊祜ようこ
「私と陸抗は不可侵条約を結んでいます。
もし戦端を開くとしても、必ず先に連絡を入れてくれメェ~すよ」


挿絵(By みてみん) 杜預どよ
「左伝に曰く『善に従うこと流るるが如し』とも言うが、
羊祜将軍はいささか陸抗を信じ過ぎるきらいがありませんかな?」


挿絵(By みてみん) 羊祜ようこ
「敵同士だということはわきメェ~ていますよ。
それに、条約を固く守ることで我々は民衆や将兵の支持を得ています。
それをみすみす破るような真似は、二人ともしメェ~せん」


挿絵(By みてみん) 杜預どよ
「なるほど。将軍と敵将の虚々実々の駆け引きは、
左伝に『陸羊の交』という言葉を付け加えたいところですな」


~~~旧蜀 永安えいあん~~~


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「ほんの数日前まで味方同士だった相手を攻めるのは、
なんだか気が引けますね」


挿絵(By みてみん) 丁奉ていほう
「命令とあらば従うのが武人の習わしだ」


挿絵(By みてみん) 丁封ていほう
「気が進まないなら火でも見せてやろうか?
親父さんみたくビーストモードを発動させればいい」


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「やだなあ、あなた方にも父はアレを見せていたんですか?
陸家の恥です。ボクにはあんな性癖ありませんよ」


挿絵(By みてみん) 丁奉ていほう
「性癖だったのかアレは……。
それはともかく、永安は守将が逃げ出し、防備も手薄になっているそうだ」


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「すんなり降伏してくれれば助かるんですがね。
とりあえず話してみましょう」


挿絵(By みてみん) 丁封ていほう
「責任者出てきやがれ! 呉軍のお出ましだ!」


挿絵(By みてみん) 羅憲らけん
「叫ばなくても来たのは知ってるよ。
援軍に来たってわけじゃなさそうだね」


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「すでに成都は魏の手に落ちました。
あなた方は孤立しています。どうか城を明け渡してはくれませんか?」


挿絵(By みてみん) 羅憲らけん
「これはご丁寧にどうも。でもお断りだよ。
同盟相手の滅亡につけ込んで領土を広げようなんて、
ちょっと道義にもとるんじゃないの?」


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「それを言われると辛いところですが……。あいにくと命令でしてね。
我々も永安を落とせと言われた以上、手ぶらでは帰れません」


挿絵(By みてみん) 羅憲らけん
「じゃあ交渉決裂だ。城は渡さない」


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「すでに蜀は滅び、援軍は望めません。
それでもまだ抵抗しますか?」


挿絵(By みてみん) 羅憲らけん
「本来なら援軍になってくれたはずの人の言うことだ。説得力が違うね。
城が欲しけりゃ力ずくで落としてみなよ」


挿絵(By みてみん) 丁奉ていほう
「ここまでだな。これ以上は無意味だ。仕掛けるぞ」


挿絵(By みてみん) 陸抗りくこう
「ええ。致し方ありません。
攻撃を開始してください!」


挿絵(By みてみん) 羅憲らけん
「簡単に勝てると思うな! 今だ、撃ち返せ!!」


~~~魏 成都 鍾会の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「悪い話ではないだろう?
私と君はウインウインの関係だ」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「是も非もない。全てを失った僕に与えられた選択肢は少ない」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「話が早くて助かる。
……まったく想像もしなかった。
まさか蜀にこんなにも話の通じる相手がいるなんてな。
君にはもっと早く会いたかったよ」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「利害が一致しただけだ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「それでも構わない。私は今や確信している。
君と私が組めば、敵う者などいないとね」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「………………」


~~~魏 成都 郊外~~~


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「……誰ですか、先刻から私をつけ回しているのは」


挿絵(By みてみん) 傅僉ふせん
「ホホホ。流石は張翼様です」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「!? なんと、傅僉さんでしたか。
てっきり戦死したと思っていました。無事で良かったですよ」


挿絵(By みてみん) 傅僉ふせん
「事情があって姿をくらましていたのです。
尾行したことはお詫びします。しかし私はすでに死んだ身も同然。
こうして人目をはばかる必要がございます」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「何か内密な話があるのですね。
聞かせてください。姜維のことでしょう?」


挿絵(By みてみん) 傅僉ふせん
「返す返すも流石です。
お耳にも届いているでしょうが、姜維様は現在、魏軍に接近しています」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「ええ、聞いています。
魏軍の誰かをそそのかして蜂起させるつもりですか?」


挿絵(By みてみん) 傅僉ふせん
「お察しの通りです。そこで張翼様には――」


~~~魏 成都~~~


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は にげだした!
しかし まわりこまれてしまった!」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「くそったれ! てめえがここまで馬鹿だとは思わなかったぜ……」


挿絵(By みてみん) 鄧艾とうがい
「………………」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「なんとでも言うがいい。貴様らに私の高尚な思想は理解できない」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「降将と組んで反乱するのが高尚ってか?
下手なダジャレもいい加減にしやがれ!」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「………………」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「姜維は貴様ら全員をあわせたよりも優秀な頭脳の持ち主だ。
私の考えを理解し、協力を申し出てくれたのだ」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は まごまごしている」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「野心家のてめえのことだ。ハナからこれを企んでいやがったな」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「ほう、そのくらいは理解できるのか。
そうだ。蜀を制圧したら私が益州を支配し独立を果たす。
蜀の征伐も全てはこのためだったのだ」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「そのわりには剣閣で足止めされて、
鄧艾将軍がいなけりゃ何もできなかったな。大した高尚な頭脳だぜ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「フン、よく吠える負け犬だな。
唐彬は逃がしたが、兵は全て抑えた。もはや貴様らに打つ手はない。
牢獄の中で我が理想の王国の誕生を見守っているがいい!」


~~~魏 成都 鍾会の邸宅~~~


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「お前のおかげで楽に成都を制圧できた。
兵の損耗は少ないに越したことはない。助かったぞ」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「ファーーック!
成都のありとあらゆる事情を知り尽くしたワシにかかれば、朝飯前だ!」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「……貴様に言ったのではない。姜維に言ったのだ」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「デストローーイ! 都の内も外も熟知したワシがいなければ、
こうも迅速に魏や蜀の将兵を拘束はできなかっただろう。
戦馬鹿の姜維は外地に出てばかりで、内々のことは知らんからな!」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「わかったわかった。貴様が意外と使える男だったのは確かだ」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「わかればいいのだわかれば。
それではワシは蜀のファッキン捕虜どもを虐待して来るかな!」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「……俗物め。事が全て収まったらすぐに処分してやる」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「それよりも鍾会、ここまではまずまず順調に来ているが、
いずれ魏からも討伐軍が差し向けられるだろう。どう対処する?」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「主だった将は全て抑えた。
取り逃がした唐彬も漢中まで引き上げなければ、軍の再編成もままなるまい。
半年とまでは言わないが、討伐軍が現れるまで数ヶ月の猶予はあるだろう」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「呉軍が東の永安を包囲したと聞く。彼らと事を構えるのは得策ではない。
兵を出して永安の攻略を助けてやり、同盟を持ちかけるべきだ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「私や君が出るほどの案件ではあるまい。
まずは使えそうな将を選び、任せればいいだろう」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「張翼を推薦する。有能な男だ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「おっと、蜀の旧臣を用いるほど君を信用してはいない。
君の魂胆はわかっている。私を利用し、魏の益州支配を覆す。
隙あらば私を討ち、蜀を再び再興させる。そうだろう?」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「………………」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「私に隙があればいつでも首をかいてもらって構わない。
私は私で君を利用させてもらう。
君の本心がどうあれ優秀な男であるのは間違いないからな」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「……蜀を滅ぼした元凶の二人を殺す。
それが僕の目的だ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「鄧艾と黄皓か。
鄧艾は構わんが黄皓はもう少し待ってくれ。
なんだかんだで使える男なのは確かだからな。
いや、宦官は男ではなかったか」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「もう少し計画を詰めよう。不確定要素が多すぎる」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「もっともだ。まず益州南部の諸豪族への対処だが――」


~~~魏 成都 牢獄~~~


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「ファーーーック! いい気味だ愚か者どもめ!」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は ねむっている」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「蜀の滅亡前に姿を消したと聞いていましたが、
まさか鍾会に内通しているとは思いませんでしたよ。
相変わらず立ち回りだけは上手いことで」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「あのファッキン鍾会は鄧艾に先を越され、挽回の機会をうかがっていた。
そこに慧眼のワシは目をつけ、密かに接触したのだ。
この卓越した頭脳に震えるがいい!」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「ええ、その厚顔無恥さに震えが止まりませんよ」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「口の減らない奴め! 魏のクソともどもかわいがってやるからな!
デストロ~~~イ!!」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は アバカム のじゅもんをとなえた!
ろうや の カギがひらいた!」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「………………ふぇ?」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は ヘラヘラ わらっている」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「ファック!? な、なぜ牢獄の鍵が開いたのだ!?
さ、さては本当に呪文を使え――」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「ろうやのかぎ を すてますか?
それを すてるなんて とんでもない!」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「残念。普通に鍵を持っていただけです。
こんなこともあろうかと、事前に胡烈さんに渡してありました」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「な、なぜだ!? ワシらの、鍾会の反乱を事前に察知していたわけが――。
そ、そうか、姜維だな! あ、あのファッキン裏切り者め!」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「あなたに裏切り者とは言われたくないでしょうね」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は おおきくいきを すいこんだ」


挿絵(By みてみん) 黄皓こうこう
「ま、待て! 話せばわかる!
わ、ワシを殺したら後悔するぞ! や、やめてくれええええ!!」


~~~魏 成都~~~


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「どういうつもりだ姜維!?
捕虜の脱獄を手引きしただと?
私に協力し魏に対抗するのではなかったのか!」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「君が早合点していただけだ。
私は最初から言っていた。
蜀を滅ぼした二人を、鄧艾と鍾会を殺すのが目的だと」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「はじめから黄皓など物の数にも入っていなかったということか。
君は私の良き理解者になると思ったのだが残念だ。
かくなる上はここで死んでもらう!」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「楽しそうだな。俺らも混ぜてくれよ」


挿絵(By みてみん) 鄧艾とうがい
「姜維の計略きりきり舞い、鍾会計画ちりぢりおしまい」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「くっ……。前言撤回だ。
姜維、ここはとりあえず手を組み、奴らに対抗すべきだ」


挿絵(By みてみん) 傅僉ふせん
「ホホホ、そうは行きませんよ。
姜維将軍には美しき私がついています」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「鍾会、貴様に味方する者などはじめから一人もいなかったということだ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「チイッ! この時勢も見極められぬ馬鹿どもが!
私が益州を治め再び三国鼎立に持ち込むことだけが、
司馬氏の支配を覆すただ一つの方策だとなぜわからん!?」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「傲岸不遜のお前が支配する世界か。
司馬氏の世界とどちらがマシか……。どっちもどっちだな」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「蜀は滅び乱世は終結に近づいている。
諸葛亮丞相は先帝(劉備)の遺志を継ぎ、天下万民のために戦った。
民をこれ以上もなお苦しめようとする君には賛同できない」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「この裏切り者め……ッ!」


挿絵(By みてみん) 姜維きょうい
「なんとでも言うがいい。蜀を守れなかった僕に今できることはこれだけだ。
これが僕の戦いだ」


挿絵(By みてみん) 鄧艾とうがい
「ここで終結、ここが完結、勝負は簡潔、全てが帰結」


挿絵(By みてみん) 師纂しさん
「悪いが鍾会も姜維もどっちも逃がすわけにはいかねえ」


挿絵(By みてみん) 鍾会しょうかい
「かくなる上は、貴様ら全員を斬り捨て、やり直すまでだ!
死ねえええッ!!」


~~~魏 成都 郊外~~~


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「誰が勝っても混乱は続きます。
あなたは解放した魏の将兵とともに唐彬さんと合流し、
事態の沈静化を図ってください」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「→はい
  いいえ」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「私はこの戦いを見届けなければいけません。
姜維の最後の戦いを……」


挿絵(By みてみん) 胡烈これつ
「これつ は ルーラ の じゅもんをとなえた!」


挿絵(By みてみん) 張翼ちょうよく
「傅僉さんを通じて私に逃げろとも言ってくれましたが、そうは行きません。
あなたとは争うこともありましたが、意志は同じです。
民のため、平和のため、あなたについていきますよ!」


~~~~~~~~~


かくして姜維の戦いは終わった。
反乱は収まり、益州には平穏が訪れる。
そして乱世の終結へと時代は着実に続いていく。

次回  一二二   暴君ふたり
+注意+
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