表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

世界が変わった後の夜空 ~少年少女の星春期~

作者: 告心

夏休み、もしかしたら連載にするかもよ短編小説第二段!!!!!!!!!!!!

「世界が変わった後の夜空 ~少年少女の星春期~」をお届けします!


 

 2253年。

 その年は世界的な大発見があった年として三百年が過ぎた現代でも多くの人間の頭の中に一般常識として刻まれている。

 

 その年にあった世界的な大発見とは、人間の精神の所在と宇宙の星々の相関関係が非常に酷似しており、それゆえに人間の行動は天体の観測と予測によって未来の事象を判別し、多くの人間に”超能力”と呼ばれる異能を発現することが可能であるというものだった。


 発見したのは当時既に世界的な研究者である近藤正義こんどうまさよし

 物理学、哲学、科学、素粒子物理学、惑星科学、音楽、芸術学、等々……およそこの世に存在するあらゆる学問を修めた万能の天才。二十三世紀のレオナルドダヴィンチとも呼ばれた歴史上最高の頭脳を持つと謳われ、今でも世界に熱狂的な信者がいるといわれているほどの大天才。


 その彼がぶち上げた前代未聞かつ荒唐無稽な精神所在の発見と、宇宙人間精神結合理論略してUHSCTは当時の人々を両極端の対立へと追いやった。


 あの近藤正義が言うのだったらそれは真実なのだろうと信じる人々と、そんな荒唐無稽なことはあり得ないとして批判を繰り返した人々。


 多かったのは圧倒的に後者の方だったのだが、それでも前者の割合が世界人口の中で二割を占めていたと考えると、いかに近藤正義という研究者が異常なまでのカリスマ性と能力を持っていたのかがうかがい知れるというものである。


 こんなファンタジー理論を信じるような人間、通常はいない。それであるはずなのに、それでも信じる人間が多かったのは、彼が実際に使って見せた超能力が根拠となっていたからだ。


 北極星と重なっている同一の精神をした彼の超能力はそこにあること自体で多くの生物に安心感を与えることができるという能力。要は北極星の常に同じ位置に存在しているという安定性が、安心とつながって彼の能力となったわけであり、百獣の王であるライオンから小動物の雀やら意思疎通の不可能であるはずの蜂や蜘蛛といった生き物でさえ彼は安心感を与えて自由にものを頼むことができたという。


 勿論、調教などの一切の下準備や小細工は無く、直前まで野生に生きていた動物たちに対して直接さわりに行けるほどのレベルだったらしい。


 ここまで来ると、賛成派は超能力ということに主眼を置いて近藤の理論を認識するのでは無く、特異体質の持ち主や五感における特異な点を持っている人間にも、そのUHSCT理論が合致するのではないかと考えた結果、見事その能力者たちは一人残らず有名な星の位置に精神の位置がつながっていたらしい。


 と、まあここまで近藤の理論が正しいというように証明されても、大抵の人間はそれを信じることは無かった。当然である。自分たちの認識してきた世界すべてを足元から崩すような理論をすぐさま受け入れられるほど、世界はそんなに柔軟な思考をしていない。

 

 何しろ認めてしまえばその瞬間に自分たちの全く知らない世界となってしまうのだ。未知への本能的な恐怖といえば分かりやすいが、単純にそれだけで解決できるような精神状態ではなかった。


 そうして必然的に、互いを認め合わない争いは武力による互いの殲滅へと発展し、現代では”異能”と呼び名が統一されている超能力、特異体質を持った集団であった近藤派の人間たちが勝利した。


 そしてそこから三百年。2569年となった現代では、多くの子供たちが自分の星についての認識と能力を深めるように教育を受けていた。


 その教育は悪用の危険性や個人的な倫理観に能力の使用を依存することになるために非常に厳しい物となり、現代の学校は一部では”檻”と呼ばれる全寮制の学校が一般的となる。


 そこでは三世期以前にも増して、スクールカーストの問題が深刻化していた。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 そんな檻の一つで学ぶ十三歳の少年、深谷皐月ふかやさつきは、個人的に近藤正義に恨みがあった。 

 というよりは現状の社会を形作った男に対する不満というべきであろう燻った鬱屈というべきか。


 別にスクールカーストの最底辺を歩まされていてそれの不満をこういう社会を作った元凶が悪いと逆恨みをしているわけでもなければ、個人の才能に依存しすぎる社会になり、より世界が残酷に事実を伝えてくることに対して心に痛みを抱え続けるような呪いを受けているわけでもない。

 

 そもそもこういう社会になったのは、近藤の話を受けて行動したあらゆる時代の人間たちの行動の結果であり、時代を先導したのが近藤であった事実はあれど、それに先導されたすべての人間に同じく結果に対する責任があることは間違いないと考えているし、そもそも社会やら世界は基本的に個人の才覚に依存して基盤を回していることが多い。


 むしろ、その人間にしかできない唯一の仕事とやらができた結果により、以前と比べて社会の歯車は嫌だと叫ぶような風潮は無くなっているようにも思える。だからと言って自分にしかできない仕事なんて早々に着ける人間はおらず、今でも多くの人々は社会の歯車のような生活なのだが。


 とは言え、話の要点はそこでは無く。深谷皐月という少年がいかなる怨みを近藤に持つのかということがこの話のキーポイントである。


 実際に皐月には近藤に対して言いたいことはいくつもあるし、もし仮に彼に「この後何を言っても問題にはならない。本当に自由に常日頃抱いている不満を吐き出してもいい」といわれた後に、何らかの情報を発信できる場所が与えられたならば、一日渡って近藤正義についての不平不満を言い続けられる自信があるほどには、彼の腹の中身はぐちゃぐちゃのドロドロに醜悪に歪んでいた。


 とは言え、彼は自分がごくごく一般的であり世界から見れば非常にちっぽけな一欠片であることを認識している小心者の一般市民だったので、そんな場所を与えられても特に何かを表明することなどありえないことである。


 そして大なり小なりの不満を持っている人間なんてそこらじゅうにたくさんいるであろうことを認識している彼にとっては、特段、彼自身が何らかの働きかけを社会においてしなくてはいけないというような使命感やらなんもなく、どこか達観した心境でのんびりと毎日を過ごしていた。


 そんな彼が日常の一コマとして、地方の比較的田舎に分類される学校にいつものごとく唯々諾々と登校するのには何の問題も異常イレギュラーも発生しないわけであって。


 今日もまた、明け方早くに自転車に乗って無駄に広い学校敷地内を入学時からの友人であり悪友である当田群星とうだぐんせいと走っている時も特に何も変わったことは起こるはずもないのである。


 精々が、


「今日のテストって何があったっけ? 一応覚えている範囲では理系の必修科目と占星術に関してはレポート課題のテストがあったのは覚えてるんだけど」

「それにプラスアルファで部活動ごとの活動内容がしっかりと定着してるかの監察テストが午後にはあるだろ? やってきてるよな?」

「あ、ヤベ。そういえばそんなのあったなあ。すっかり忘れてた。取り敢えず午前でレポートを書き上げないと不味いなあ」

「皐月さんやい。お前本当に大丈夫なんだろうな? 仮に失敗したらその部活の活動が手前の追試結果が出るまでおじゃんになるんだぜ? そうなったらあの先輩方がなんていうか……」

「大丈夫だろう。どうせ俺は中の上くらいの成績だったとしか認識しかされてないし、適当に話しててもなんとかなるもんだよ」 


 といったようなどこにでもあるような不真面目な学生同士の会話を繰り広げているくらいであった。


 異能の一つである地形操作を持った能力者により極めて短期間で舗装された道を漕ぎ、ひたすら無心に十キロも自転車で進めば、到着するのが檻と呼ばれし現代の学校”星望せいぼう中高一貫校”である。 


 地方とは言え、成績面ではそこそこ有名な人を排出することもあったので、全国的に見てもそれなりの学校として認識されている。

 そんなわけで資金面は他と比べて潤沢であり、ある程度校舎も綺麗に整っている。そんな小石とかの無い極めて平坦かつ利用しやすい通路を使って、自転車置き場目指して一直線である。


 自転車置き場は既に結構な台数が停まっており、隣同士の間隔が非常に狭くなっているので、新しく自分の自転車を停めようとするときに、ガシャン、とちょっとぶつかって音を立てたが特に壊れた様子も傷がついた様子もないので問題なしと判断。朝から始まる授業前に、取り敢えず午前の分のテストの最後の見直しとレポートの提出をするために悪友共々教室へと向かう。


 教室は学校の全七階建ての校舎の内、三階の端っこの方にあるのでそんなに遠くは無い。なのでそこまで急ぐ必要もないし、わざわざテストが始まる三時間は前に来たので、そもそも急ぐ必要自体が無い。


 閑散とした校舎の中を歩いて行けば、そこらかしこに既に登校している生徒やそもそも夜通し学校に滞在していたであろう生徒たちがちらほらと目についたりする。異能は星と深いかかわりを持つが故に、星を観測できる夜の内が能力の開発に対し最も効率がいいためだ。生徒たちの成長を考えて、徹夜や夜通しの学校は一週間に一度と校則で規定されているし、そのためにできるだけ体に負担を掛けないようなタイムスケジュールを提出するようになっているので、問題が起こったということはそこまでないそうだが。


 一度、そのことで成長期の子供たちの身体に何らかの発達阻害が出来たらどうするのかという話になったことがあったが、そもそも子供が夜更かしするのがほとんど一般的になっていたかつての日本では、むしろこのスケジュールに従うことで睡眠時間が一定になるし、発達にも問題が無いということになって今では皆が一週間に一度は徹夜するような生活になっている。


 偶に何かを勘違いした保護団体やらが校内に来ていることもあるが、基本的に現状に対してそこまで不満を持たない皐月はできる限り影を薄くしてその横を通っている。誰しも面倒事はしょいたくないのだ。


 そうして偶に来る怪しげな集団をさらりと流し、教室に入るとそこは既に十数人の生徒たちが机に向かってカリカリと鉛筆をはしらせている。


 現代にはもっと便利な端末やら筆記具やらが存在し、勉強風景として鉛筆というのは随分とおかしなことに感じられるがこれも特に不自然な事ではない。

 

 星の運動や軌道の関係を利用して作られた星術が現代では一般的なものとして認識されてはいるが、高校に入るようになると魔術や錬金術のような古代の術もどれか一つ専門として修めることになるからだ。


 その時に錬成陣やら魔法陣やら極めて俗っぽいものを書く必要も出てくるわけで、ついでに言えば現代星術でも図案やらは直接書いた方が効果や的中率が高いことが証明されている。そのため、現代の筆記具は鉛筆が最も主流であり、次点でシャープペンシルなどのギミックの入った筆記具が使われているようになる。


 ちなみにその要因は、書き手の魂が直接触れるからだの科学の仕組みを介在させたら効力が落ちるからだの諸説あるが、特にこれといった原因は解明されていない。


 そんなわけでカリカリという張りつめた空気を壊せば、その瞬間に全方位からの集中砲火を喰らうことは予測がついたので、悪友共々音をできるだけたてないように机に向かい、椅子に座る。


 そして今日のテスト範囲である理系の物理と現代占星術の復習。そして部活動の活動内容の総復習と面接時の対応を一通り確認して、朝の三時間をあっという間に消費した。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 チャイムという一日の授業の終わりを知らせる音と共に、パブロフの犬よろしく生徒たちは弾ける様に教室の外へと飛び出していく。


 どこの時代もテストが終われば次の時間の対策に動き、それが最後のテストであれば、思い思いにテストの結果について話し合っては部活に買い物にと思い思いに行動するのは変化の無い学生の姿であったが、生憎とそういった他の時代の学生の様子を書籍などの資料か娯楽小説かからしか知らない皐月にとっては、特にそのような感慨を持つこともない。ただ代わりに、午後からある監察テストをどうにかして乗り切ろうと必死になってレポートを頭の中に詰め込んでいた。


「お~い」


カリカリカリカリ


「ちょっと」


パラパラパラパラ


「返事しろよ。この鈍感」


ゴツン


「痛っ。何するんですかみやび先輩。今監察対策に必死に勉強しているところだっていうのに」

「先輩が何度話しかけても反応しないからだ。私が可愛い後輩をわざわざ訪ねたっていうのに、全く返事が無ければ、どうにかして気を退こうといじましい努力だってすることくらいわかるだろう?」


 けらけらと今しがた皐月の頭をグーで叩いたのは佐田さだ雅。皐月の所属する天体観測同好会の二つ上の高一の先輩。性格は唐竹を割ったようにサバサバしていて付き合いやすいとか姉御肌で頼りになるとかいろいろ言われているが、皐月と話すときの彼女は仲のいい姉弟くらいの感覚で接してくる普通の女子高生である。


 彼女が昼休みになって皐月のところに来るのはこれが初めてではない。というか週三くらいの割合で皐月のいる二年Cクラスにやってくる。そして大抵は突然現れては皐月を驚かせて悦に浸るというのが彼女の日課となっているのがここ最近の日常だ。


 入部して二か月も立てばそんな感じの扱いを受けることになり、一年はたった今となってはあまり気にしたこともないルーチンワーク。それでも偶に皐月が彼女に気づかなければ、不機嫌になった拳が頭の上に飛んでくる。以前は理不尽を感じたこともあったけれど、そもそも雅先輩のか細い腕の拳程度で痛むような柔な頭でもないし、きししと笑う姿を見れば怒りも大抵は霧散する。


 とは言え今回は怒りが霧散するような兆候も起こらない。理由は単純、自分が監察テストをどうにかして乗り越えないと被害が同好会のメンバー全体に及んでしまうからである。


 抑えが効かない感情を適当にお手玉しながら、教材の端の方をつまんで持ち上げ片手で冊子の紙をパラつかせつつ雅先輩に文句を言った。


「その先輩がいる部活動で足を引っ張らない様にするために勉強してたんですよ? それに肩をゆするとかもうちょっと穏便な手段だってあったじゃないですか。拳骨のどこがいじましいんですか」

「お前が集中している最中にそんな簡単なことで意識をこっちに向けるはずがないことくらい、十二分に承知してるよ。どうせあれだろ? 強い痛みが無いと認識できないんだろ」

「僕はどこの変態ですか。これでも純情で一途な青少年なんですよ?」

「そうだねぇ。皐月さんよう、あんたは確かに一途で純情な少年だ。今でもあおい先輩一筋?」

「さあ? どうでしょうね」

「黙秘?」

「純情なので。照れ屋なんですよ」

「あれを見なさい」


 適当に会話を交わしていると、雅先輩が僕から見て背中側の方を指さした。はて? いったい何があるのだろうと、フェイントを警戒しつつ後ろを見れば、そこには我が悪友群星が女子生徒と話している姿がある。


 顔は真っ赤。俯き加減で表情は遠くからは良く見えず、奴の利き手である右手は常に頭の後ろを掻いている。それは話している女子生徒の方も似たような感じであり、見ている限りでは随分と初々しいとしか言いようがない。


「あれがどうしたんですか? 個人的な感想を言わせてもらえば公害としか思いませんが」

「別にあんたの感想を聞きたいわけじゃないよ。私が言いたいのは、純情っていえばあれくらい初々しさが無いと駄目だろうということだよ」

「ロマンチストですね」

「あんたが枯れすぎなんだよ」


 にこにこと返す僕に、ニヤニヤと話す雅先輩。いつもいつも二人の距離感なんてこんな感じだ。遠慮はそんなにしない。面倒くさい話題は出さない。戯れるように話すだけ。


 こういった時間は嫌いではない。むしろ結構楽しい。毎日の無聊を慰めるための快楽を追求した娯楽とは一線を画すような頭を使う感覚があり、それなりに満足する。しかし、今の僕には時間が無いのもまた事実である。


「それで? 今回の用は何なんですか? 恥ずかしいことに実際のところ自分にはまったくもって先輩との談義に費やす余裕がないんですよ」

「恥ずかしいなんて思ってない癖に君もよく言うよね。第一いつも勉強なんかしない君が教科書なんて開いているのを見ればわかるよ」

 

 分かってんならとっとと話せよ、という感じの不機嫌を絵に描いたような目をしてじっと雅先輩を見つめる。すると若干顔が赤くなる先輩。おい、どうしてそうなる。周りからものすごい視線が集中して自分が何かセクハラとかしたような気分にされた。ひどい誤解である。


「今回頼みたいのは、またあんたの引き抜きが同好会の方にきたから、どうにかして断ってほしいってことかな。というか毎回毎回結構疲れんのよ? 引き抜きを追い返すの」

「あ、それはすみません」


 真面目な話じゃなかったらお弁当の一つや二つくらいだったらとってしまおうとか考えていた分、結構な罪悪感が心に刺さる。でも、そこで弱みをみせてしまえばこの先輩のオモチャになってしまうことは経験則的に確実であったのであまり気にしていないでふり。本当は気に病んでいることを指摘されて平然とするって結構きついんですよ、とか心の中でつぶやくが、勿論先輩に分かるはずもない。


「それじゃあ、その相変わらずなストーカー連中は午後が終わったら適当に心折って使い物にならなくするんで時間下さい。今日の同好会に変更は無いですよね?」

「ん。了解した。そのように葵にも伝えておくよ」

「先輩つけろよ」

「君もね」


 そんな感じで颯爽と廊下を歩いて行く雅先輩。


 後ろ姿は背筋がピンと張っていて、同級生に噂されるほどの格好よさというのがあふれていたのだが、如何せん、日頃の態度で僕の中での女性としての印象は台無しになっていたので特に見惚れることもなかった。


 ああ実にもったいない。枯れてると評価されているとはいえ、まともな青少年であった僕はそのようにしか感じられない自分の感性について、思わずそう考えざるを得なかった。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 そして誰もが忌避するテストの時間。皐月は緊張に体をこわばらせているように見える演技に必死にいなっていた。

 これは実に使い勝手のいい技術で、実際は緊張していない様子を緊張しているように見せる演技をすることで、実はこの縁起がばれているのではないかという緊張感を得ることができ、結果としてどういう状況でもやっぱり緊張しているんじゃないかということを心の底から表現できる演技なのである。


 全く持ってどうでもいいことに対処するときとか、つまんなくても話を聞いてるふりをしとかないと後からうるさい教員やら先輩と直面したときに実に重宝する万能技術である。難点は、自分の心を偽るような行動になるために、多用すれば自分の心のことがよく分からなくなることだが。


 ただしまあ、この場合は使って正解である。なにせこちとら中学二年。そんな時期の子供が監察テストというまた重々しいテストを受けるというときに緊張している様を見せないとなれば、相手に不信感というか悪印象になる場合が多いし、なによりも不快な感情を押し殺すには自分でも自分の感情を麻痺するようにして誤魔化してしまわないと耐え切れない。やっぱり僕も中学二年生。多感な時期なので、自分の感情を上手くコントロールできるなんて自惚れてはいない。出来ないとさっさと諦めて、感情をマヒさせた方がよっぽど楽なのである。


 そうして椅子に座って自分の順番を待っていると、遂にお声が室内から聞こえてくる。いやはやすみませんと、ちっとも思っていない癖に後ろの席に座っていた生徒に頭を下げ、先に室内に入っていた生徒とすれ違いざま頭を下げ合う。ここら辺は先生に見られることを意識したポーズのようなもので、生徒間で互いに評価を上げるための暗黙の了解といったところだ。


 本末転倒。中身がすっからかんな礼儀を示して部屋の中央にあった椅子に深く腰掛ける。実際はそれをするまでにいくつもマナーを守って行動しているのだが、どうせこれも反射で動いているだけの中身がすっからかんな動作である。特に次の動作とかを考えたこともない。


「それでは個人活動定期審査試験を行う。今から資料を読んで我々が複数の質問をするのでしっかりと答えるように」

「はい」


 思ったよりも緊張した自分の声が耳に届いた。感じてもいないはずの緊張を示すなんて実に気持ち悪い。吐きそうになる。


 しばらくパサリパサリと今しがた書いたレポートを試験管たちがめくる音が室内に響き、あくびをかみ殺したくなるような沈黙があたりに漂う。要は退屈なのでさっさと終わってほしいのだが、彼らもここで何らかの質問をすることで給料を得ている人々である。特に恩を売るわけでもないが、損にならないので仕方なく彼らが給料分の仕事を果たすのを待ってみた。


「ふむ……内容的には前時代の天体観測を毎日行い、星間にいかなる変化が起こっているかの微細な分析かつ自然の気象情報のデータからそれらの相関関係を上手くグラフにしてまとめてある。実に簡略化され読みやすいものだ。内容に可もなく不可もなく、実用性の点から考えればおおいによろしいといえるだろう。なので質問は一つだ。君はなんで天体と気象条件というマイナーな題材を選んだのだ?」


 やはりそう来るか。いや本当に自分の感情を適当に誤魔化しておいてよかったと思う。もうレポートが十分に良かったんだったら適当に合格点をくれるだけでいいのに、わざわざこんな面倒な質問をするとは恐れ入る。


 幻視する。


 自分の体が十字架に鎖で縛られて貼り付けになり、その上でもう一人、自分と同じ顔をした人間の形をした人形に、包丁で胸をグサリとやられ続ける光景を。


 心象風景。怒りの転化。心情の視覚化。どんな言葉で言ってもいいが、それはすなわち度を超して強烈なストレス。小市民を自覚する皐月という個、そんな彼のような人間が持つ多面的な感情の中で、最大で最悪に醜悪で薄汚れた一面。


 嘘をつくしかできない弱い自分を殺したいのと嘘をつくことしかできない様に圧殺してくる周囲を自分が殺したいという屈折した思いが奇妙な感じに混ざり合ってできてしまった幻想は、いつの頃からか感情が昂ぶった皐月の視界に浮かび上がるようになった。


 それを見ている間、激情による身勝手な全能感とどこかそんな自分を蔑んだような奇妙な落ち着きに浸ることができ――――――だからこそ同時に今はいらない。


「自分が今回このテーマを選んだのは、やはり温故知新とも諺でいいますし、かつての人間がいかなる方法で星を観測し、それが現在どれほどまでに技術として通用するのかのすり合わせを自身の経験として体感する必要が、今後の社会であると考えたからです」


 足を引っ張る感情なんか、ひたすらにどうでもいい。


「やはり近藤正義が創始し、三百年間でその肉付けを行って形成されてきた現代星術には、かつて人類が星術という技術を発見する前の未発達な時代の魔術や妖術、陰陽術や方術に霊術、さらには錬金術といった数多くの理を内包してあります」

 

 本当に自分が大切なのは、ここで鬱屈を晴らすことではない。


「とは言え、それらの技術の深みまでは完全に再現できているとはいいがたい現状です」


 自分が本当に空を見上げる理由を相手に正しく、誤認させること。


「特に、東洋に存在する技術の中でも忍術などの一部でもっとも秘されている術式は、存在の確認と証明で研究が終わっています」


 決して相手に悟られてはならない。


「このように現代星術の抱える問題点を、古人と同じく、自然界のつながりの中から数値的に算出することで埋めてしまい、解決しようというアプローチの一つとして考えました」


 自分が本当は、ただの夜空を見上げたいことなど。


「しかし、それでは結果が出るのに時間がかかりすぎる気がするのだが?」

 

 別に結果なんて求めちゃあいないのだ。


「そこは途中分かったことをまとめる成果として、このように気象などの現象に絡めてレポートとしてまとめることで、短期間の内に実用性のある目標を一つ一つ達成していくような形を作り、ある程度時間を掛けながら研究を進めても問題が無い形にしようかと考えています」


 同好会にいるメンバーは、誰しもがそう思っている。


「なるほど。よく分かった。同好会としての存続の意義は十分にあると見做す。今後も他の先輩たちとの兼ね合いを考えながら研究を進めるように」


 夜空を見上げるのに、面倒な研究など必要ないという真実を


「ありがとうございました」


 話も終わったので退室した。


 勿論、出ていくときに次の人に挨拶をして。


 幻視はいつの間にか消えていた。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



 面倒くさいことを終わらせて、さあ楽しいことを始めようと思ったときに邪魔をされれば誰だって怒るのが普通である。


 これは例えるならば、四限目に来校した講師の先生のありがたい教訓を聞いた後にお腹が空いてさあ早速お弁当を食べようといったとき、担任の先生にいきなり五限目で使う教材を運ぶように言いつけられた時のような怒りに等しい。


 少し難しい言い方をすれば、生物的欲求を早く満たそうと行動する時に、第三者並びに第三存在が邪魔をしに来れば、本能的にそれを敵と認識するのと同じような反応ということになる。


 何が言いたいのかといえば、神経を逆撫でするような試験の後に同好会の気心の知れたメンバーと一週間ぶりに天体観測をするという実に気分の高揚する出来事を、自分への引き抜きという名前の勧誘が邪魔してきた時には、少々本気で潰しにかかりたくなっても仕方ないだろうという免罪符が欲しいということだ。


 これがいい年した大人であれば実に大人げないやつあたりとして非難されるのだが、今の皐月はぴっちぴちの中学二年生であり、こちらの事情も状況も考えずに勧誘に来た馬鹿に大して徹底的に報復することは人格的にどうなのと思いこそすれ、気分的にはあまりストップをかける気分にならないのである。


 つまり今の皐月は、ノリノリで勧誘に来た生徒たちを精神的に苦しめているのである。


「――――――だから常々言っているだろう! お前の能力の高さと適性と性質を考えれば、こちら部活にこればすぐさまレギュラーになって全国を狙えるというのに!」

「はい。それはそれは随分と自分のことを高く買っていただけたようで。しかし自分には体育会系の部活動はどうしても性に合いません。なのでお断りしますと何度もお答えしたはずなのですが」

「だからと言って簡単に諦められるわけがないだろう! 特段に俺は運動能力が高いことを俺は求めているんじゃない! 俺はお前のその分析力に特化した能力の高さを買っていっているんだ! 仮にお前が入りさえすれば、それだけでうちのチームには相手チームに対して圧力をかけることができるんだから!」

「それは貴方方が自分をそちらの部活に入れたい理由ですよね? その理由は自分がそちらの部活に入部する理由にも、貴方がしつこく何度も勧誘に来て自分の活動の邪魔をしていい理由にもなっていません。興味がない部活に対し、何故自分がわざわざ入らなくてはいけないんですか? 自分には入部のメリットがまったくありません。故に、自分ははっきりと何度もお伝えしてますように、貴方方の部活に所属する気はありません」

「な! 我々の部活を馬鹿にするのか!?」

「いいえ。馬鹿になどしてませんよ? しかしあなたの態度はどうなのですか? 毎回毎回自分が活動を始めるとなった矢先に勧誘に来ては、活動の時間を意図的にかどうかは知りませんが確実に減らし、結果として自分の活動を妨害する行為を三か月も続けていらっしゃる。これは貴方が自分の所属している活動に対し、少しばかりでも理解を持ち、かつ勧誘を受けている側である自分のことを気遣いさえできれば行われることなどないはずの蛮行です。少なくとも、自分の同好会の活動に対し、何らかの理解や敬意を払っているというのだったら、ここまで邪魔しに来ることは無いでしょう。ということは逆説的に言って、貴方は自分たちの部活から見て、私たちの活動内容を下に見ているということに他なりません」

「それは違う!」

「では何故ですか? 毎回毎回確かに断っているというのに、何度も自分の活動の直前に来ては活動の時間を減らしている理由とは? 正当な理由があってさえ、自分はそれを認める気はありませんがどうぞおっしゃってみてください。ああ、勿論同好会の方が活動費のある部活よりも下であるとかいうふざけた意見は聞きませんよ。同好会であろうが部活であろうが監察テストを受けて合格を受けている限り、違いは活動費の有無以外にありませんので」

「ぐ……」

「どうぞ、お帰りを」


 くそっ、また来ると告げて、勧誘に来た鴻巣こうのす先輩は帰っていった。

 それを見て、実に胸のすく思いでいっぱいになる皐月。


「いやはや今回は、少々やりすぎなんじゃないの?」

「雅先輩。いやあ、ちょっと大人げないなと自分も思いましたが、毎回毎回自分のところに来る方が正解だなんて言ってくるような人ですからいうことを聞きいれてくれやしませんでしたしね。それよりも見てたんならちょっとくらい助けてあげればいいのに。同じクラスの女子でしょう?」


 まあ雅先輩の助けが入っても鴻巣先輩一人だけを叩き潰したけどね、と瞳で語る皐月を前にして、雅先輩はその気迫を華麗に流しながら、


「いやだよ。同じクラスの誼だけじゃあこっちの活動を邪魔された上で好感を抱くにはちょっと足りないからね」


 とだけ告げて同好会で使う資料がしまってある資料室へと引っ込んだ。

 実に正論であるなあと、残された皐月は腕を組みながら頷いて、同じく室内に入っていく。


 中には既に、望遠鏡やらシートやらを準備している先輩後輩が作業を始めていた。


「わわわ。すいません皆さん。自分一人さぼっちゃって」

「いやそれは別にいいんですが……深谷先輩もやっぱりまともな人じゃなかったですね。この同好会の中で唯一まともな常識人だと思ったのに、それだけが残念です」


 最近というか、二か月前に勧誘してどうにか入ってもらった後輩が、腕に資料を抱えたまま皐月に対してすぐに返してきた。


「いや、誰だって監察受けた後に、一週間抑圧された欲望を解放しようと思って邪魔されたらちょっと切れたりすると思うよ? そして僕のことはいつも通り皐月先輩と呼んでほしいんだけど」

「別に怒ることが問題だとは思っていません。しかし相手の追い詰め方が異常にどす黒かったです。出来れば距離を取りたいと思っているので、呼び方は深谷先輩ということで」

「いやいやいやいや。七星ななほしさん頼むよ! 僕も一応、今を思春期でときめく男子中学生なんだから親しい後輩のしかも可愛い女子にこんな風に扱われたら心が折れちゃうから!」

「……はあ。この下にあの素顔があるかと思うと実に残念です」

「頼みます。七星様!」

「べ、別に呼び方くらい直してあげるので、土下座は止めてください! 皐月先輩!」

「あ、よかった」

「そこ~。反省しとけ~。何いちゃついてんだこら~」


「「いちゃついてはいませんよ」」と二人で男で高一の先輩に返し、重なってしまったことを更にからかわれて、七星さんの口調が氷点下零度を突破したことを確認したりしながらも、皐月も準備を手伝い始める。


 いつも通りの手順でいつものように準備するだけなので、特に思考の容量を使うような必要は無い。必然、余った容量は他のことを考えることに費やされる。


 今回は、先ほどから扱いの冷たい七星花蓮ななほしかれんのことについてだった。


 以前、皐月本人が勧誘週間の時に二人の男子生徒に囲まれているところを口八丁手八丁で男子たちをだまくらかす様にして助け出し、ついでにこの同好会を紹介して連れ込んだのだが、声の調子がいつも平坦なので冗談を言っているのか本気で言っているのか分かりにくい女子である。実際のその後は同好会の真の意義と活動の目的に共感してくれて入会してくれた実にやさしい少女でもあり、今までの活動では自分が普通に接していれば特にひどい扱いをすることもなく真面目に対応してくれるので、比較的変人の多いこの同好会の中では、皐月の癒しとなってくれた存在でもある。


 常日頃から話してはいたが、まさかあんな冗談を好む性質だったとは……それともあれだろうか。この同好会の悪影響を受けて、性格が矯正できない方向へと歪んでしまったのだろうか。だとしたらその責任の一端は皐月にあるといってもいいはず。無垢な少女を歪んだ道に走らせてしまった罪はいかばかりだろうかと皐月が考え出したところで、セットアップはすべて終了した。


 ようやくである。とうとう一週間ぶりに空を見上げる時間が来たのだと思うと、年甲斐もなくウキウキする。とか言って、まだ十三歳なので、年甲斐もなくとか言ったら先輩方(特に女子)に殴られるのだが。


「さて、この一週間の嫌な事なんてすっかり忘れて今日もまったりのんびり夜空を見上げましょう!」


 葵先輩という同好会の会長である高二の先輩が音頭を取って、みんな思い思いに床に引いたシートの上に寝っ転がった。室内で空が見えるはずがないとか思った人はぬるいぬるい。この教室は星術の使用で天井が外側に両開きになる実に先進的な教室なのである。


「おお! やっぱりここから見える空は格段に違うよなあ!」「一週間頑張ってよかったあ!」


 口々に誰かが感無量とばかりに叫んでいる中、皐月はひたすらに目の前の光景を瞳の奥に、脳の細胞の記憶をつかさどる領域の一つ一つに刻んでいった。


 そこにあるのは満点の夜空・・。かつて、三百年は昔であれば、どこで空を見上げても見れたであろう黒の背景に光点となる星々が浮かぶ光景は、現代では特殊な加工をしたフィルター越しにしか見上げることは出来ない。


 現代では、多くの人間が魂と星々が相似関係にあることを知っている。故に社会全体の人間が、星術を使えるように訓練してしまえば、反動として夜空にはその人間の星が強く輝く。


 故に、今の夜空は暗くない。まばゆく輝かんばかりの星に覆われ、どこを探そうとも黒の空間は容易くは見つからない。

 見つかったとしても極小の領域であり、それは決して夜空というに足りないものだ。


 人の星の輝きをある一定値まで遮断する、このフィルターの存在が無くば、今の若者はかつて人間が星術を知る前の空を見上げることすら出来なかったであろう。


 そしてこのフィルターを使うには、夜空をただの物としてしか見做さない社会側をどうにかして納得させなくてはいけないのだ。


 それこそまさに今日の皐月がやったように、フィルター越しに観る夜空の中で、どうにかして理由をでっちあげるような不快な作業を行ってでも。


「ただ夜空を見上げるだけでも、随分と窮屈な世の中になりましたよね……これも全部近藤正義なんて男がはた迷惑な理論を提唱したからだと思うと、もう色々と泣きそうです」

「皐月、それは言い過ぎだぞ。ばれたら不味い」

「はい。すみません。葵会長」


 この同好会を設立し、燻っていた自分をここに入れてくれた最大の恩人が窘めてくれた。

 皐月はこの人に恩があるので敬意を払い、反抗期ゆえの反感等を抱いて逆らう気になど毛頭ならないのだが、そのことをよく雅にからかわれては面倒なことになるのが常である。


 だがその雅に関しても、今は目の前に好物を置かれた犬のようにおとなしくしゃべらない。




 誰もが夜空を利用価値のあるものとしてしか見做さない世界になった。

 今僕たちが見上げることができる空であってさえ、研究という建前が無ければ眺めることは社会の皆に否定される。


 純粋にこの夜空そらを楽しめる人なんて何人いるだろうか。


「やっぱりこれは綺麗ですよねえ……これを見る為だったら嘘の千や二千くらい簡単につけそうですよ」

「それはちょっと多すぎじゃないのか?」

「皆だってそうでしょう? ねえ」

「まあ、私はそうかな。心が清いし」

「雅が嘘ついたー。あんたが心が清いってははは」

「喧嘩なら買うよ~?」

「七星はどう?」

「確かに皆さんがそう言いたくなるのも分かる気がしますね」

「そう、よかった」


 口々に同じように夜空を見上げたいだけの馬鹿の集まりがしゃべりだす。

 皐月からは思ったよりも優しい声が口をつく。


 けれど今は、それがあんまり嫌では無かった。

 この話は自分にしては珍しく、視点が一人称だったり三人称だったりしてます。

 そしてカテゴリーとしては、「現代風ファンタジー」と、自分で勝手に思ってます。

 ブレブレに感じるお方もいるかもしれませんが、まずは読んでみて楽しんでくれたら嬉しいです。

 本当は一人称で統一した方がいいと思ったんですが……時間と説明文章の違いにおいて、短編という限られた範囲では自分の筆力ではどうすることも出来ず……力及ばずすみません。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ