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魔法少女は誰かを愛しちゃダメなんですか 作者:貞治 参

第1章

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第31話 明確な殺意

メイは二人の魔法少女アキとカイが待ち構えているほうへ飛び出した。

「チョコ、右を!」

「はいはい」

チョコはメイから見て右の魔法少女、カイのほうへ飛んでいく。



アキは数十本の短剣をその体の前に生成していた。

避けれるか。

メイは一瞬考え、前方での物質散消のため杖を構えた。

「後ろだ、熱風!」

クッキーの警告だ。

チョコのように実際にしたりはしないものの、メイは舌打ちしたい気分に駆られながら、後ろを振り向き、杖を大きく振り回した。



熱い。

メイを凌駕する魔力量のハルから放たれた熱風を散消しきることはできなかった。

水を生成する……!

杖を振り、水によるカーテンを生成しようとするも、

「今度は前だ、ナイフ!」

またもやクッキーの警告が飛んでくる。

水の生成を諦めた。

熱風の中、前方を振り向きざま、杖で円を描く。

ほとんどの短剣がそれによって掻き消された。

だが。



「っ!」

一本の短剣がメイの頬を掠めた。

ギリギリ、咄嗟のテレキネシスで避けた。

メイの脳内で師匠の言葉が再びリフレインする。

「いいかい、魔法少女が相手だからって、必ずしも魔法で攻めてくるとは限らない」

あの短剣は本物。敵も了解済みだったか。

そして、メイは同時に理解したのだった。



敵は、こちらを本当に殺すつもりでかかってきている。



「ふーん」

思わず、呻きのような言葉にならないものがこぼれた。

焼かれそうな熱の中。

メイはグルリとその場で一回転しながら、杖を振り回した。

ハルの方に分厚い黒壁を生成し、アキには風を放つ。

当然、アキはこの風を軽く散消する。

その周囲には、すでに短剣第二波がある。



息つく間もなく、短剣が発射された。

それと同時に、メイは自分で生成した黒壁を散消した。

またもや熱風の渦に巻き込まれる直前に、杖をハルに向けて振り回し、散消する。

やがて前方から来る数十本の短剣を、散消するのでもなく、壁を生成して防ぐでもなく、後方に向かって飛び跳ね、宙返りをしながら避けた。

自身の体にテレキネシスをかけたのだ。



メイの目的は、これだった。

ハル、メイ、アキは一直線上に並んでいたはず。

アキの放った短剣は、吸い込まれるようにハルに向かう。

ハルの熱風では止められない。



ここだ。

短剣を防ごうとすると、ハルには隙ができる。

メイは全身に再度テレキネシスをかけ、ハルの上空を思い切り飛んだ。

ハルは高い壁を生成し、短剣とメイを同時に防ごうとしたが、メイは目の前の壁のみを散消、ハルの頭上を飛び越えた。

短剣は残された壁に刺さったようだ。



これで。

メイは考える。

これで、挟み撃ちから逃れた。

着地とともに、一気にハルからの距離をとった。

熱風も、一時しのぎだが、避けることができる。

防戦一方を強いられる状況からは何とか脱出できた。

しかし、

「チョコ!」

チョコの姿は、もはやない。

カイにやられたようだった。



アキとカイは遠くからこちらに向かい駆け出してくる。

ハルはすでに次の魔法を放とうとしている。

これでも、不利である状況には違いない。

さあ、どう切り抜ける?



地面に莫大なエネルギーをぶつけ、アスファルトを破り、破片を飛ばし、土けむりを起こす。

簡単に防がれるだろうけど。



熱がキツい。

しかし、ここで動かなければ反撃は叶わない。

ハルの熱風を杖で散消しながら、メイは次の手を準備していた。

が。



そのとき、アキとカイの後方の脇道から、黒装束がまた一人飛び出してきた。



もう一人いるのか……!

これでメイの知る限り、6人の黒装束がいることになる。

現状、1対4。

ますます状況は悪化していた。

しかし。



飛び出してきた黒装束は、カイの後頭部に刀らしきものをぶち込んだ。



異変に気付いたのか、ハルが攻撃を止め振り返る。アキも傍にいたはずのカイを目で探す。

カイはそのまま地面に倒れていた。

謎の黒装束はそれに構わず、一直線にこちらに向かってくる。

途中、ハルに向かって、刀を一閃した。

と同時に、刀から真空波のようなものが放たれる。

ハルは手を出して散消したが、少しの隙が生まれてしまった。



メイは機を逃すまいと、ロープを瞬時に取り出し、性質変化・硬化をかけ、ハルに向かって突き飛ばした。

この間も、謎の黒装束はこちらに迫っている。

ハルは、飛んできたロープに目もくれず、熱でボロボロに焦がしてしまった。



謎の黒装束がついにメイの隣までやってきた。

そのままフードを取る。

「サキ、あなた……」

アキが言葉を放つ。

「黙れ」

冷たく、サキは言い放った。

「マリに?」

今度はハルが尋ねた。

サキは無反応。

「あなた、マリのことは嫌いでは?」

再び、アキが口を開く。

「お前らよりマシ」

サキが短く答えた。



「誰かとつるむのは嫌いだが、仕方ない」

ボソッとサキが呟き、

「お前、手伝え」

メイに向かって命令した。

「……」

メイは真意を測りかねる。

しかし、協力以外に為す術はないと考えたメイは、

「わかった」

サキの提案に応じたのであった。



サキの事情は知らないが、これで2対2。

勝ち目が出てきたか。

いや。

少し冷静になったメイは状況を分析した。

サキの魔力は多いようだが、スミやカイには劣る。

アキには到底及ばない。

依然、状況は向こうに傾いている、か。



それでも、これで戦術の幅は大きく広がった。



さあ、反撃開始だ……。
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