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魔法少女は誰かを愛しちゃダメなんですか 作者:貞治 参

第1章

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第25話 魔物いろいろ

「メイさん、昨夜は本部に泊まったんですか?」

「うん」

「どうでしたか?」

「……?」

「いや、あの、寝心地とか」

「まあまあ」

「シャワーとか」

「ふつう」

「そうなんですか……」



 日曜日。今日は朝から夕方まで警戒にあたる。

 結果から言うと、この日は、昨日何事もなかったのが嘘みたいに、魔物が頻出した。



 1件目。

「出動要請です。近くに魔物が」

「わかった」

 ユリとメイはすぐさま現場に向かった。

「クッキー、周囲を探って」

 メイが何やら黄色いほわほわした球体を呼び出し、指示を与えた。

「わあ、使い魔ですか」

「そう」

「……」

「……」

 気まずいが、仕方ない。これも今日一日の辛抱だ。

「いたよ!」

 メイの使い魔が示す方向に、魔物がいた。かなり小さい。フェレットに似た姿の魔物である。

 魔物もこちらに気づいた。小さな口を目一杯開けて、威嚇してくる。

「私が、対処します」

「うん」

 ユリは1人飛び出していった。


 …………
 ……


 2件目。

「要請きました。魔物です」

「うん」

 メイの使い魔はすでに周りの魔力を感知し始めていた。

「こっち!」

 使い魔についていく。ユリとメイが少し走ると、すぐに魔物に出くわした。大型犬の姿をした魔物。わりとよく見かけるタイプのやつだ。

「これも、私が。何度か戦ったことがありますから」

「お願い」



 ユリが魔力発動をしていると、魔物がこちらに向かって駆けてきた。犬型なだけあって、動きが素早い。

「来たよ」

 メイの声が聞こえる。

 わかってますよー。口には出さないが、心の中で答える。

 魔物が近づいてきたところで、ユリはエネルギー変換を放った。

 まずは風。これで相手のスピードを落とす。

 次に、電撃だ。速度の落ちた相手に対してなら、難なく当てることができる。

 魔物は一瞬ビクッとし、やがて横に倒れた。

 そのまま魔物が消え去るのを待ち、コアを回収してその場を去った。


 …………
 ……


 3件目。

「こっちに反応!」

「また来ました。魔物一体」

 メイが予め使い魔クッキーを出して警戒させていたため、クッキーの反応と要請が同時だった。

 2人で現場に向かう。

「なんか、だんだん大きくなってきてますね」

 今度の魔物は、体格はゴリラのような魔物だった。手と足で四足歩行をしている。ただ、やはりこちらの世界のゴリラのように愛嬌はない。顔も猿っぽくはなく、むしろ狐面をつけているような表情をしていた。目が鋭い。

「これは……、初めて見るタイプです」

「私がやろうか」

「……いえ、今回も私が」

「わかった」



 ユリは魔力発動をした。向こうはまだこちらに気づいていない様子だ。こちらから仕掛ける。できれば、一撃で仕留めたいところだ。

 さあ、中距離でどうやって戦うか。

 ユリはまず偽物質生成により、金属の短剣を作り上げた。さらに、銅線を生成、短剣に巻きつける。準備完了。

 テレキネシスで短剣をゴリラ型に向けて、放つ。

 ゴリラ型の頭に直撃した。相手がこちらに気づく。

 接近させるものか。

 手に持った銅線に電流を流し込んだ。

 バチっと音がして、ゴリラ型は立ったまま、動かなくなった。



「ふう」

 消えゆく魔物を見ながら、ユリは一息ついた。

 残されたコアを回収した。


 …………
 ……


 4件目。

「こっちに向かってくるよ!」

 クッキーが言った通り、魔物がこちらに向かって駆けてきていた。要請はまだなかったが、対処せねばなるまい。

 姿はイノシシのようであるが、とにかく大きな魔物だった。高さが人間ほどもある。全長はどれくらいだろう、とユリは少し考えてしまったが、そんな暇はないようだった。

 ものすごいスピードで突進してくる!

 魔力発動を済ませ、即座にエネルギー変換・風を放つ。

 しかし、勢いは全然殺せていない。むしろぐんぐんスピードが上がっているようにも見える。



 ユリは焦った。

 どうする。

 風程度ではダメだった。

 壁を作って防ぐ?いや、あの巨体を防ぎきる自信がない。

 避ける?いや、ここは……。

 攻撃だ。

 ユリは、大きな槍を生成した。ありったけの力をこめて、テレキネシスで飛ばす。

 槍は見事イノシシ型の頭部に深々と突き刺さった。イノシシ型が呻く。致命傷は与えたはず。

 が、それでも魔物は足を止めなかった。勢いはそのままに、接近してくる!

「やばっ」

 慌ててユリが避けようと横に駆け出すも、イノシシ型はユリの動きに合わせて方向を修正してきた。



 避けれない……!

 ユリが目を瞑った瞬間、ドドドと何か複数のものがぶつかったような衝撃音がした。

 恐る恐る目を開けると、目の前に黒い壁があった。横にはメイがなぜか杖らしきものを持って立っている。

「メイさんが、これを……?」

 メイが頷く。

「よく……、防げましたね」

 メイが壁の向こうを指差した。

 疑問に思って、ユリは壁の向こう側を覗いてみた。

 すると、そこには、バラバラになった魔物の姿があった。すでに光に包まれ消えかかっている。

「……一体、どうやったんですか?」

「細くて丈夫なワイヤーを張った。相手は勢いを殺さずに突っ込んできたから、そのまま……」

 メイは下を向きながら、続けた。

「残酷なやり方だけど、ユリの槍が刺さった時点で死んだと思ったから」

 メイは、悔いているのだろうか。なんとなく、ユリは意外に思った。

「あ、ありがとうございました。助けていただいて」

 メイは無関心な表情に戻って、言った。

「別に。フォローするのが私の役目だから」
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