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魔法少女は誰かを愛しちゃダメなんですか 作者:貞治 参

第1章

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第11話 大通りの戦い②

 チョコにより飛ばされた後、シズは倒れこんだが、黒装束は即座にリカバリした。

 そして、後方にいたアイの方へと駆けて行き、跳躍した。アイの頭上を軽く飛び越え、一旦距離を取った。これでシズ、アイ、メイによる包囲から逃れた。



 手堅い。

 メイはそう感じた。

 あの強化された神経なら、一気にメイに接近し、近距離攻撃を放つことができたはずだ。もちろん、メイには杖によるノータイム魔法があるから、返り討ちに遭う可能性もあるだろうが、この戦いに決着をつけるためには、風だけを連発していても決定打を打つことはできない。始めは、相手の出方を探る様子見を兼ねて、風を放ってきているのかと思っていたが、それにしては、次の手に移るのが遅すぎる。



 もしや、このままずっと、風の撃ち合いを続けるつもりか。

 だとすれば、相手の目的は……。



「アイ、シズ、下がって!」

 いったん後退した後も、黒装束はメイに向かって風を放ち続けている。それを散消しながら、メイは考えた。

 相手の目的は、メイの足止めだ。

 さすがに、メイが相手では即座に決着をつけることを諦めざるをえなかったということだろう。メイ自身も、決定打のタイミングを見出せずにいる。この膠着状態が長く続けばどうなる。

 おそらくあの黒装束は、何らかの理由によりこちらに来るのが遅れている仲間を待っているのだ。人数が増え、こちらの戦力を上回って始めて、本格的な攻撃に転じるつもりだろう。



 と、なれば、もうこの風のラリーに付き合っている時間は、ない。

 アイとシズが、メイの左右後方に引き退がった。黒装束との距離は、初期配置よりも若干空いている。

 黒装束の風を打ち消した直後、メイは、またも広範囲の煙幕を張った。



 ✳︎ ✳︎ ✳︎



「逃げて!」

 通りに声が響いた。メイの声だ。



 メイ達と相対していた黒装束、アキは煙幕を確認した途端、風で吹き払い始めた。

 前回路地裏で煙幕を張られたときとは違い、今回は、相手の逃げる方向はわかっている。煙幕は一方向を晴らせばそれでいいはずだ。

 煙が目の前から消えていく。

 と、次に黒装束の目に映ったのは、大きな黒い壁だった。



 大通りを塞ぐほどの横幅と、3メートルはあるであろう高さを誇る壁だ。

 だが、これを見ても黒装束は全く動じない。

 壁が偽物質生成で作られたものである、ということは明らかだった。

 ならば、物質散消で消せばいい。そう、冷静に考えた。

 これで時間稼ぎになると、メイは本気で考えたのか?



 アキが壁に手を当てると、人一人が通れる程度の穴が開いた。

 その瞬間。



 二人の少女が左右から、アキに向かって飛び込んできた。

 手に魔力が集中しているのが見える。テレキネシス。

 アキは咄嗟に両手をそれぞれの少女に向け、散消した。



 これで、決着がついてしまった。



 二人の少女が左右に別れ、その後ろから杖を構えたメイが飛び出してきた。

 さきほど咄嗟に両手を使ってしまったアキには、それを防ぐすべはなかった。

 杖がアキの体のすぐ前に迫っていた。

 次の瞬間には、強烈な電撃を喰らい、アキは意識を失っていた。



 ✳︎ ✳︎ ✳︎



 メイは、その場に崩れ落ちた黒装束を見下ろしていた。

 相手に対魔法耐性があるからといって、ちょっと、やりすぎたかもしれない。

 屈んで、手を黒装束の体にかざしながら、様子を調べた。

 当然ではあるが、命に別条ははない。しかし、あまりに刺激が強すぎると、後に人体に影響を及ぼす可能性がある。

 万が一を避けるために、必要と思われる治癒魔法をかけておいた。火傷の跡なんかも綺麗に消しておく。



 ふと、黒装束の頭のほうに目をやった。

 フードが取れている。

 そこにいたのは、白い髪で、肌も透き通るように白い少女だった。



 黒装束を大通りの隅の方まで運び、そこに寝かせた後、メイは、改めて問うた。まるで、さっきのまでの戦闘がなかったかのように、平然と。

「それで、アイとシズは、どうする?一緒に東へ行く?」

 …………
 ……

 東へ向かう電車の中。

 メイを除く、3人、ミミ、シズ、アイは、席に座り、ぐったりとしていた。無理もないだろう。遊び以外での対人戦はそうあるものではない。しかも、今回は相手が相手だったのだ。

 ミミも相当疲れていたらしい。魔力を粗方使い切った後、その身体に合わない速度で疾走させられたのだ。



 メイも疲労感を感じていた。

 自分と同レベルの魔力を持つ敵を相手にする対人戦には、慣れていない。いつもなら、シズにやったように神経支配で決めているところだが、今回はそうはいかなかった。



 メイは頭を振った。

 いや、今考えるべきはそれじゃない。これからどうするか。あの黒装束達が???の手下で、シズを操ったのも???かその一派である可能性がかなり高まっている。

 東にいれば安全か?

 わからない。

 もし東に奴らが来ることがあるとすれば、あの魔力のステルス機能は厄介だ。探知できなければ、奇襲されてしまうだろう。



 対策について考えるには、情報がいる。

 ここは、ご教授願いに行くことにしよう。

 メイを含む東の魔法少女の育成に取り組んでいる、あの師匠に。
次回は、アキ以外の4人の黒装束視点のお話になります。

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