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カノジョの心
作:ごはんライス


 オレは何者かに追われ続けていた。誰だかはわからない。しかし、追われている。
 もー汗だくだ。
「はあ、はあ、はあ、はあ、はあ、はあ」
 息がはずんでる!
「はあ、はあ、はははは!」
 あ。間違えた。笑っちゃった。
「これはやばい。笑うつもりはないのに笑ってしまった!」オレはかなりあせった。オレは本当にアドリブに弱い。
「気にすることないよ」
 神が天から言ってる気がする。気のせいか。わからない。
 しかし、一つ言えることはオレは追われ続けられなければならない、ということだ。
 理由はわからない。直感だ。

 国道に出た。車がビュンビュン走ってる。
 オレは思った。ヒッチハイクでもするか。
 確かに走るのも愉快ではあるが、冷房のガンガンに効いた車内で過ごすのもこれまたよいことではなかろうか?
 しかし、誰も止まってくれない。
 そりゃそうか。みんな、忙しいのだ。
 オレはとぼとぼと歩き始めた。国道に沿って。

 かぁかぁかぁ。

 夕暮れも夕暮れ。オレはだんだん腹がへってきたし、足も疲れてきたし、どうにもならない。
 
 と、その時!

 前方にソープランド発見!




 だから、何だ!




 そんなとこに寄ったら、余計、疲れるじゃないか。そもそも、金持ってないし。
 オレはうんざりしてきた!
 してきたぞ!
 うーワンワン!

 さて。しかし、まぁブーブーゆうててもしかたがないので、おれはここはちょっと気合を入れ直そうと思って、最寄の自販機に寄った。

 さてさてさて!

 何買うかなぁ!

 ドキドキワクワク。いろんなものが売ってるぞ。ジュースもあるし、米兵の頭骸骨も売ってる。オール120円!

 迷った末、オレは、カノジョの心を選んだ。カノジョの心が120円で買えるなら安いもんだ。
 ボタンを押した。
 すると、取り口にカノジョの心が落ちてきた!
 なんと、なんと、なんと!

 ハート型やんけ! そのまんまやんけ!

「ぶっちゃけ、しらけたわ。心だからってハート型にせんでもええやろ」
 でもね、実はオレ、そういうのあんま気にせえへんねん。
 オレは、ハートをむしゃむしゃ食い始めた。微妙な味がする。まずくはない。
 しかし、ちょっと粉っぽくて喉がかわいてきたので、お茶も買って飲んだ。

 なんだか元気が出てきた。

「うォーーーーーーーーーーーーーー!」

 オレは叫んでまた走り始めた。もはや、服は着ていない。着る必要なんかあるものか!

 太陽が呼んでいるぜ。黄色いぜ。車ども、ジャマすんじゃねぇぞ!(了)














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