「おまえ、なんでそんなにカワイイんだよ」
「知るか、バカ!」
オレは、彼を殴った。
「なんで殴るんだよ! バカ! アホ! 死んでしまえ!」
「オッケー」
オレは言われた通り、死んだ。屋上から飛び降りたのだ。
彼はうろたえた。
いや、うろたえてみた。
むろん。
うろたえるつもりはなかった。
しかし、その場の状況、匂い、ノリ、調理法などを考え、うろたえるしか他に方法がなかったのである。
「んなアホな!」
オレは疑問に思い調べてみた。
すると、電子辞書にはこう書いてあった。
<バカ・アホ・死んでしまえ>と。
「またかよ!」
オレはしかたなく、もう一度屋上から飛び降りた。
今度はさすがに彼はうろたえない。ハンバーガーを食らいながら静かに眺めてる。慣れたもんだ。
ちなみに、オレはハンバーガーが大好きである。
ウソだと思ったら芳子さんに聞いてみればいいだろ!
いちいち疑うんじゃねえ!
「疑ってかかることも大事だろ!」
「いや、それはそうかもしれないけど・・・・・」
オレはなんか反論しようかな、とも思ったけど、いかんせん、腹がへって力が出ない。
一応、聞いてみた。
「ハンバーガーちょうだい」
彼は言った。
「いいよ」
オレは手を差し出した。すると、彼はオレの手をはたいた。
「な、なぜ! いいよって言ったじゃないか!」
「言ったよ! でもいいか。よく聞け」
彼はかなり怒ってる。オレはいやな予感がしてる。
「な、なんだよ」
「いいか! お前は屋上から飛び降りたんだぞ! なのに、ハンバーガーもらえるなんておかしいと思わないのか!」
ああ、何だそんなことか。
「うるせえ! じゃあ聞け! オレは一回飛び降りてまた飛び降りとんねん! そんなヤツに向かってそんな口の聞き方して平気か!」
「むぅ」
彼は黙ってしまった。
いや、黙っちゃった。
いや、黙れ。 |