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続・サツキとダンの新しい世界 サツキ編 序
心の中、落とされた闇。
何故? どうして? 私を裏切るというの?
答える存在はいない。
あなたが私の前から姿を消してどれだけ経った?
一人寂しく起きる朝、夢の中さえ会えはしない。
信じている、必ず私の元へと戻ると。でも――。
ふと見ると、目の前ある『箱』。
無意識に伸びようとする手を慌てて引っ込める。
駄目。あれに手を出しては。
決して開けてはいけない箱。もし開ければ……私達はどうなるの?
信じている、必ず私の元へと戻ると。でも――。
悪魔が私に囁きかける。開けてしまえ、壊してしまえ、と。
箱に向かって伸びる手。
信じている、でも本当にダンが――。
戻ってきて、抱きしめてキスをして、じゃないと私……!
震える指先。冷たい感触。
溢れる黄金の光――。
禁断の箱の蓋が開いた。
汚れた手。私に向かって降り注ぐのは涙? それとも赤い雨?
お願いダン、早く戻ってきて私を――止めて。
「恋愛+中途半端ファンタジー」の続編始まりです。