100/101
続ー最終話ダン編 永遠に
青空の下で、俺達はお茶――ではなく超古代文明の遺産であるあのジュースを飲んでいた。
サツキがケーキをフォークで掬って笑う。
「あーん」
俺は大きく口を開け、サツキが差し出したケーキを食べた。
こうして俺の前にちょこんと座る姿は、とても世界を征する力を有しているとは思えない。
「美味しいねー!」
「うむ、美味い」
もし神に愛されし一族が――、サツキがその気になれば、世界を破滅に導くことは容易だろう。だが神に愛されし一族は、技術を封印して散り散りになり、そしてサツキは俺とともに歩む道を選んだ。
危険もあるかもしれない。超古代文明を狙う輩が現れる可能性もある。それでもこの愛しい存在を、この先もずっと永遠に守り続ける。
ドラゴンが飛んできて、テーブルの上に降り立つ。サツキが優しく、その頭を撫でた。
「サツキ」
「ん?」
俺はサツキの手をそっと握った。
「ずっと一緒にいよう」
「うん。一緒ね」
ああ、なんて可愛い。
永遠の愛を誓い微笑みあう俺達を祝福するように、ドラゴンが空高く炎を吐いた。