ぼくらの方程式「番外編」 その1(2/3)縦書き表示RDF


続き書きましたー。
前回どう考えてもコメディでなかったこの小説。果たして無事コメディとなったのか!?
その真相は、あなたの目でお確かめください……。
ぼくらの方程式「番外編」 その1
作:忘後 十夜



番外編その1「そして、伝説へ……?」


「……ふぁ?」
何となく、目が覚めた。
体を起こして少し周りをみる。
枕元の読みかけの本。床においてあるペンギン模様のクッション。本棚の上の西洋人形。
いつものぼくの部屋だった。
ぼくは現実を認識した。
あー……、つまりさっきまでのは夢か。
「……何か、変な夢だったような」
夢の内容は完璧に忘れたが。
まあ、どうせ大した夢じゃなかったんだろう。
いやはや、それにしても……眠い。
昨日は夜遅くまで
「ドグラ・マグラ」
読んでたからなあ……。(夜中の三時を越えたっけ)
ぼくは少し考える。
今日は土曜日。
今度は時計を確認した。
午前十時。
……よし、二度寝しよう。
ぼくは布団に倒れ込み、
「ゆめうつつー……」
とか呟きつつ寝ようとした。
すると、“とたとたとた”と、階段を駆け上ってくる音が聞こえてきた。
「…………?」
その音はすぐに廊下を走る音に変わった。
そして、足音はだんだんぼくの部屋の前に近づけてくると勢いよくドアを開けた。
……何だ?
「お」
そいつは、そのスピードを殺さぬまま部屋の中に向かって走って来ると、
「き」
ぼくの寝るベッドまで1メートルほどの所で跳躍した。
…………って、え?
「ろーーーーーーー!!!!!」
ーーー気づいたときには遅かった。
「ぐはっ?!」
それは見事なフライング・ボディ・アタック!
己の持つすべての質量を落下地点へとぶち込む絶望の一撃!
肺にためた空気が意に反して吐き出させられる。思わず咳き込むぼく。
……鳩尾にまともにはいったぞ。
朝一番からの大ダメージ。
俗に云う要ベホマ。
パトラッシュ、今そっちに逝くよ……?
ぼくの上にうつ伏せになって乗っかったままだったテロリストが顔を上げて話しかけてくる。
「……保緒、起きた?」
「完膚無きまでに起きました」
心も体も。
姉さんがぼくに似ているとよく云われるその顔を近づけてきて訊く。
「……なんか元気ないわね」
当たり前だ。
何て起こし方するんだ。喜びの野に逝き損ねたじゃないか。ていうか、重いからどいて下さい。
「……あのね、姉さん。今日土曜日なんだよ」
ぼくは内心の色々ある心をぐっとこらえて冷静に云った。
「そうね?」
そうねてあんた。
「学校休みなんだし、一般的な高校生はまだ寝てる時間だよ?」
多分。
「だから、もう少し寝かせて……」
「うるさいうるさいうるさい!よそはよそ、うちはうち!」
逆ギレ!?
……こんな姉さんは、最近ライトノベルスにはまっている。
大学生の癖に。
「まあ、それは冗談なんだけど……」
冗談ですかい。
「そろそろ起きないと、朝ご飯食べられないよ?」
「いや、別に朝ご飯ぐらいいいよ。お腹すいてないし」
ぼくは運動とかは全くしていないので、基本的に少食だ。
「何云ってるの、あんたと一緒じゃないと、私もご飯食べられないじゃないの!」
……えー?
確かに、家にいるときは絶対一緒に食べていたけど。
まさか姉さん、一人でご飯食べられないのか?
もしかして、それであの無理やりな起こし方?自分がお腹すいたから?
いや、てか、それ以前に、
「……一人で食べろよ」
あんたもう大学生だろ。いい大人だろ。
「酷い、反抗期!?お姉ちゃんはあんたのこと思っていってるのに!だいたい、ご飯は家族揃って食べるものなの!」
こういうところ、姉さんはうるさい。
ぼくにはよく分からないが、お母さんとかがいればこういう感じなのだろうか。
どうでもいいけど。
「……わかったよ、食べればいいんでしょ?」
ここでぼくが折れなきゃ何時までも云われそうだ。
全く姉さんは……。
「ん!分かればよろしい!早速準備するからさっさと着替えて降りてくるのよ?分かった?」
本当に気分屋だな……。
「分かってるよ……」
「そう?じゃ、スピードワゴンはクールに去るぜ」
いや、あんたスピードワゴンでもクールでも無いから。
ジョジョネタをかましながら(大阪弁)姉さんは満面の笑みでリビングに行った。
……何がそんなに嬉しかったのだろうか。
ジョジョネタか?
ぼくはもう一度時計を見た。
十時十五分。
……まあ、いいか。
そろそろ起きよう。
まだ眠いけど、七時間寝たんだ。考えたら充分なはず。
ぼくは、身にまとったピンク色のパジャマを脱ぎ捨てると、着替えに取りかかった。



……今日は何か楽しい事あるだろうか。

この退屈を紛らわしてくれる何かが。












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