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ロック陰陽師 作者:鑑祐樹
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第14話 メール

「えっ、部屋に……」

 山城の会話を遮って、つい唇から言葉が零れてしまった。
 後部座席に一人でいるの、イヤなんだけど。立花、変わってくれねぇかな。
 あっ、山城が変われば良いんだよ。

 部屋にいたってことだよな、完全についてきてんじゃねえか。

「ああ、付いてきてしまいましたか……」
 俺の心の声を代弁するように、立花が気の毒そうに呟いた。

 俺や立花が話しかけても、山城は虚ろな目でこちらを見て、頷くだけで――また、うわ言のように話し始めた。


 気が付いたのは、食事の時です。
 食事――といっても、一人暮らしだと何かと作るのも面倒なので、インスタントのカップ麺なんですがね。
 椅子に座り、パソコンを起動しようとしていました。

 黒い液晶画面に反射し、何かが映っているのに気が付いたんです。

 長い髪、白いワンピース――。
 起動していない液晶の画面は、黒く顔や表情までは確認が出来ないけれど、
 両腕を力なくだらりと垂らしていました。

 私の背後に……立っている。

 それも、すぐ後ろに。
 怖くて怖くて。
 ただ、ただ悲鳴を上げて振り返りました。

 でも、そこには。
 小さなテーブルを前にちょこんと座る女性がいました。
 液晶に映っていた姿は、確かに私のすぐ背後に立っていたのに。
 それは紛れもない、あの交差点の女性でした。
 艶やかな長い黒髪、均等が取れた顔立ちに吊り合う白い肌。

 彼女。
 私を見て、小さく微笑んだんです……。

 嗚呼、やっぱり可愛い。

 そう、思った瞬間――私の目前にいたはずの彼女の姿は消えていました。

 どうかしてる。仕事続きで精神的に疲れが溜まっているのだ、だからあんな幻覚まで見るのだと、落胆しました。

 カップ麺を食べながら、いつものようにパソコンをチェックしはじめました。
 そしたら、メールボックスに、いつもと違うメールが来ていたんですよ。

 私ね、恥ずかしいんですが、友達がいないんですよ。だから、来るのは仕事のメールか広告メールだけなんです。

 暇つぶしっていうか、ネットのゲームで少し遊んだりしてて、そこで話す人はいますけど……そういう人って、友達とも言えないじゃないですか。私は、オフ会っていうんですけど――そういうのも、行かないし。
 迷惑メールも、振り分けられていて来ないし。

 だから、そのメールのタイトルを――じっと、見てしまったんです。
 件名には……。 

 これからも、宜しくね。

 そう書かれていました。
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