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ロック陰陽師 作者:鑑祐樹
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第11話 予想外の事

久しぶりになります。再開しました。
今までの話を全話、書き直しました。
良かったら読んでいただければ嬉しいです!
 血色の悪い男――立花が、引き戸から顔を出す。元から、顔色が悪いのだけれど。
 何だか更に血色が悪く見えた。

 目前の飛龍フェイロンに気が付くと、口を開く。

「ああ、お帰り飛龍(フェイロン)

「ただいま、戻りました。旭さん、おかしな電話がかかって来たらしいですが……何かありましたか?」

 飛龍フェイロンが、朗々とした口調で言う。まるでパトロール中の警官のようだ。

 雪華が、いつの間にか立花の袖を(つか)みながら、心配そうに見上げてる。
 それに返答するかのように、立花が雪華(せつか)の頭を軽く撫でながら口を開く。

「ああ、問題はない。山城さんという方だった。一年程前位だったか、同僚の生霊で依頼に来た人だね。落ち着かせて名前を聞き出すのに苦労したよ」

「うわ、陰陽師の仕事の電話かよ」

 俺の声が聞こえたのか、立花が腕組みをする。

飛龍(フェイロン)、彼は大神双牙君――」

「聞いております。住み込みで働く事になったそうですね」

「ああ、聞いたかい。それと彼は、どうもソッチの才能があるみたいだから、さらに私の弟子にしようと思う。君とは同居人になるから、色々と教えてあげてくれ」

「承知いたしました。旭さん」

 飛龍(フェイロン)が生真面目な声で答える。
 ソッチの才能って何だよ……。ああ、幽霊が見える事ね。しかも、いい感じの霊は見えないけど、ヤバい奴だけ見える才能……要らなくねぇ? 
 そんな感じに、俺が()ねてると、雪華(せつか)が花が芽吹いたような明るい声で話しかけて来た。

「大神双牙さん、陰陽道がんばってね!」

 陰陽道……昨日までの自分の住んでた世界と違う。俺は今どこに立ってるんだ?
 苦笑いで雪華に手を振ると、横で立花がこう言った。

「私は、山城さんの所に至急向かう事になったから、先に夕飯を食べてなさい……大神君、すまないね。部屋を案内するのは、また後にしよう。取り合えず、昨日の客間に荷物を運んでおいてくれ」

 俺は頷くと、床に置き去りにしていた荷物を拾い上げた。

「こっちも君の?」

 飛龍(フェイロン)が、俺の荷物を指差しながら訊いてきた。
 俺が頷くと、床に待ちぼうけしていた荷物を手に持ち「手伝いますよ」と言ってくれた。

 俺は礼を言うと、心に抱いた疑問を 飛龍(フェイロン)に聞いてみた。

「――陰陽師って何するんすか?」

 この言葉がよくなかった。
 飛龍(フェイロン)は俺の顔を数秒見据えてから、薄っすらと微笑んだ。
 それから、立花に向かって口を開く。

「旭さん、彼を一緒に連れて行ってあげたらどうですか? これから、陰陽の勉強をするのでしょう。良い経験になると思いますよ」

「ああ、それもそうだね。それじゃ大神君、君は私と一緒に行こう」
「あ? えっ!」

「荷物は俺が運んでおくよ。行ってらっしゃい、大神双牙君」

 飛龍(フェイロン)がにこやかに言い放ち、雪華が満面の笑顔で手を振っている。
 なんでそんな嬉しそうなんだよ。
 あとなんで二人とも、俺のことをフルネームで呼ぶんだよ。

 それに「行く」って――さっきの気味の悪い電話の相手だよなぁ……。

「いや、福子の様子が気になるから……」
「いいから、早く行くよ。時間がないんだ」

 立花が俺の手を引っ張る。こいつ意外と力あるな!

「福子ってなにー?」

 雪華が、引きずられる俺に向かって大きな声で聞いてきた。

「金魚……!」

 その言葉を最後に、俺は車に詰め込まれた。
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