緊張
緊張している。何とかしなければいけない。
心臓がドキドキしている。そして、足もガタガタしている。
俺は落ち着いてるよ、みたいな顔をしているつもりだが、汗が止まらない。
汗をかきすぎて目が開けられない。
「お前、尋常じゃない汗かいてるよ」
という声は聞こえるが、目が開けられないから周りが見えない。
「お前、膝の震えが生まれたての子牛のソレだよ」
という声は聞こえるが、目が開けられないから確認のしようがない。
「お前、心臓の音がもう破裂しちゃうんじゃないかってくらい聞こえてくるよ」
うん、それは自覚している。
なんか恥ずかしいぐらいに心臓が早鐘を打っている。
心臓の音ってこんなにも大きくなるんだ…。
恥ずかしいよ…。もう止まっちゃえよ…。
いや、止まっちゃったらダメだよ…。
「お前、緊張してるのか? 何をそんなに緊張してるんだよ」
いや、緊張するだろ。
タクシー止めるの初めてなんだよ。
初めてのことって緊張するだろ。
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