40話 相対する者
もうそろそろ子供がという意見がありました。16歳で子持ちになってしまう悲しさと、ライト君に本当の家庭をあげたいという気持ちで半々です。
ライト君たちは新婚なので、毎日やることはやってるので、何時出来ても不思議ではありませんが、人だと1年に1回、龍やエルフで数年で1回、と妊娠の回数の設定があるので、その上位種のラナとアマリー、更に上のフィース、どんだけで1回かご想像におまかせします。
ふっふっふっふ。
ついに身長が170cmを超えた。
ミノちゃんズありがとう!いつもの美味しい牛乳?のおかげです。
これで、身長でアマリーと並びました。コンプレックスってほどでは無いけど、それでも大きくなれてうれしい。
ミノちゃんと言えば、最近服飾にはまってます。自宅の奥の宝石発掘がほとんど出なくなったので、ラナの手ほどきで、全員の服や下着、靴や手袋まで作る様になって来ました。
掘ってた自宅奥は、黒セラミックで補強して、ありの巣状の食品工場になっています。醤油やソースの熟成場所や、マヨネーズ、燻製品の加工所に使ってます。
後、龍の里は、龍人の国と獣人の国の一番近い街から、道が出来ました。
最近は偶に、商人も資源の買い付けに来るそうです。こういった所から、どんどん関連を増やしていくのが良いと思う。
そして、龍の雌で今は12体が妊娠したそうです。何が作用してるのか分かりませんが、これからは、龍達の個体数も増えていけば良いと思う。なにげにベビーラッシュになりそう。
自宅近くのエルフの村は、最近人口が5千人を突破したようです。もう完全に町の規模になりました。
長老さんに言って、村の人たちと話し合い城砦化することにしました。
これは、人の住んでる範囲が増加したので、夜間や昼間でも村人だけでは、警備が追いつかなくなってるみたいです。冒険者を夜間雇ってるみたいですが、結構な出費らしいし。
と言う事で、黒セラミックの厚さ1m高さ15mの板を5m土に埋め込み、村?を囲うことにしました。今後の事も考えて、かなり広めに直径5kmで畑まで囲う事にしました。門を東西南北に配置して、東門がメインになります。西門が狩人や冒険者が利用し、南北の門は必要な時開ける事にしたようです。
この作業を3日で完了させて、後の扉や、警備の詰め所、城砦外側の木の伐採は村に頼んでおいた。
まったく関係ないが、後で分かった。村(面倒だから次から町にする)のこの門を東がライト門、西をラナ門、北をアマリー門、南をフィース門と読んで、それぞれのレリーフが飾られてるらしい。町に転移して行ってたから門使ってないし。
後、ここ最近子供のネーミングに、俺達の名前の一部をつかった名前が多くなってるそうです。
知らない所で町に行った時の、恥ずかし度が上がってた。
トスラト皇国ですが、この前のお茶会以降、お茶会のお誘いとお菓子、ケーキ、チョコの問い合わせがすごいので、商業部を作った。
商業ギルドに行き、ギルド長のフロイドさん相談して、1人の商人を紹介してもらう。
名前はウクレールさん、人間種の32歳女性です。2年前に旦那さんを事故で亡くして、女手1つで旦那さんの残したお店を切り盛りして、3人の子供を育てている。堅実で、信用を重んじる商売をするが、女性と言うことで軽く見られ赤字が続いてるらしい。このままではいずれ借金奴隷になってしまうらしい。
直ぐに呼んでもらい話をする。
まずは、給金はスタートは年俸100万Cからスタートしてもらい、評価によって上げて行く事にした。今の借金は、住んでる店舗兼住宅と商品を売って返済してもらう。次に、商会の店舗を決め、その店舗に隣接した屋敷を新しい住まいにしてもらう。住宅と使用人は最初は商会として雇い、ウクレールさんが給金が上がり、自ら所有したい時は商会から買い取る事にする。
店舗は4階立てで倉庫を完備したものにして、改装をギルドに依頼する。
1階は調味料と加工食品、2階が簡単な魔道具や装備品、武具類、3階は今は使用しないが、後で高層階の迷宮の品の販売に使う予定で、4階が事務所関係です。
20人のスタッフを、商業ギルドから紹介してもらい、50人の従業員を元スラム住人から選抜する事にした。
ここでちょっとした問題発生。ウクレールさんの秘書をどうするかです。
ウクレールさんは、最終的に各店舗の調整、貴族の対応、商人との対応などかなり大変になります。その時、周りの秘書は絶対の信用が無いと、やっていけません。欲の強い人間だと無理が有るので、3人で相談して、商業経験のある借金奴隷を買う事にしました。
借金奴隷は命に関わる命令以外は絶対服従で、借金の金額に奴隷商の手数料を付けた金額で販売され、その金額に買い主の利益分を上乗せした金額が、その奴隷の返済金額になります。返済金額は買い主と奴隷の間で話し合いで決められ、このとき奴隷の給金も決まります。返済は給金の中から出していく様になる。
奴隷商に行って、商人経験の有る奴隷を全て見せてもらう。該当は23人いて、目に力の無い人は省いていく。残りの8人から女性の3名とエルフの男性1人を選んで連れてきました。女性は1人人間種で24歳、残り2名は猫科の獣人種で20歳と26歳です。獣人種の女性は簡単な護衛も兼ねてもらい、危険手当もつけました。
秘書の方達の住まいは、ウクレールさんの屋敷に部屋を用意する事にしました。
店舗の開店前に、ケーキ屋3軒とレストラン1軒を開店させる事にします。問い合わせがすごい。日が経つにしたがって、この前のお茶会の参加者が広めてるのか、商人内からも問い合わせがきはじめている。
商業ギルドに赴き、店舗を4軒従業員ごと買い取ってもらう。それに加え、元スラム住人から30人ほど来てもらい、ケーキ屋に各10人づつ入ってもらう。
レストランにその従業員を集めて、新しいお菓子と、ケーキ、チョコレート、取り扱うお茶などの指導と作り方を俺とアマリーでレクチャーしていく。首都で手に入る材料は首都で揃え、それ以外は商会から納品する。
こうして基本の商品は押さえておき、その店オリジナルの応用商品はその店の個性として販売を許可しておく。
こうして5日間で研修を終えて、その間改装してもらった店舗で営業を始めてもらった。
その後、レストランの従業員の研修をして、レストランは更に10日後にオープンさせました。
レストランを開店させて、ケーキ屋に様子を見に行くと、長蛇に列になっていた。これは少しまずい。
中央に位置する店舗は、裏に隣接して空き家があったので、直ぐに買取り、敷地を繋げて建物を壊して、大きな専用ケーキ厨房を造るようにギルドに依頼し、調理人の手配を合わせて依頼しました。此方には、元スラム住人50人を作業員として雇いました。
専用厨房が稼動するまでは、しばらくはかなりの品薄になると思いますが、稼動すればそれも少しは改善するとおもいます。・・・多分。
これまた余談ですが、この首都のスラム改装に使った1000億Cもう元に戻ってしまいました。エルフの国、龍人の国、龍の里の3箇所の入金で元に戻ってしまいました。
元々、従業員たちががんばってくれたので、ボーナスや給金を上げてたのですが、それでみんな更にがんばってくれ、売り上げが上がって更にボーナスをあげる、更にがんばるの悪?循環に陥ってるみたいです。
お金を使う為に、エルフの国に4支店と龍人の国に3支店、首都近くの都市に、新たに支店を開設してます。
話を戻して、各種お誘いの中に断るとなんとなくまずい物が1つあった。
内輪の飲み会のお誘いです。
主催者、クレイト国皇。
何か嫌な感じしかしないが、一国のトップの署名入りは断わりずらい。
飲み会の前日に、商会から飲み会のつまみに使ってもらうのに、迷宮の高層階の食品を送っておいた。皇城の料理人なら、かなり美味しく調理するはずです。
当日、城門に行き、中に入れてもらいます。次は商会の馬車で来よう。
近衛の人に案内されて、城の奥に有る落ち着いた感じの庭園に通される。
多分、皇族の私生活の場所では無いかと思います。いいのか?部外者入れて。
そこで待ってたのは、皇様、宰相、将軍、4公爵家当主です。本当に内輪か?
皇様に他の6人を紹介されて、無礼講でまずは力を見せてほしいと言われて、将軍と手合わせする事になった。飲み会じゃないのか?。
しょうがなく対戦することになる。
将軍と向き合って、黒椿と黒桜を腰に装備して抜く。
将軍は多分、火炎属性のバスターソードを抜いて、正眼に構える。
皇様の「開始!」の掛け声でスタートです。
が、向こうが動きません。
5分経ちますが、まだ動きません。これでも、将軍と駆け引きはしてるんですけど。
開始から10分経ちました。将軍の額から滝の様な汗。向こうからの仕掛けがなくなりました。
黒椿と黒桜を戻して礼をとる。
「ありがとうございました。とても貴重な体験をさせていただきました。」
これでは周りの方々が、面白くないだろうから、将軍に殺陣を提案して、将軍が攻め、俺が受けでやることにする。
これを、10分ほど行う。始めはゆっくり、段々スピードを上げて行き、最終的には一般人には認識できないスピードまで上げて終了しました。
後は、美味しい酒と肴で飲み会が終わりました。
帰り際に、今まで記録した、貴族、官僚、騎士団の犯罪、不正のリストを皇様にあげといた。
あくまで裏社会からの確定情報なので、気を付けて下さいと断わり、この日は帰りました。
-サイドー 将軍
私は40歳まで迷宮の冒険者をしてSランクになり、騎士団に入団し10年で将軍になり、20年間将軍を務めてきた。今は外見は40歳前に見えるだろうが、これでも70歳を超えている。
今日は、国皇様よりご命令で、ある冒険者の力を測ることになっている。
この者は冒険者ギルドでは、適わないとの判断がされたそうだ。まあ無理も無かろう。冒険者は、Aランクになると国から声を掛けられ、引き抜きがある。Sランクになればほとんど国の所属になっているのであるから、Sランクの冒険者に対して対抗手段が無い。
力の弱い者に強い者の力量は測ることが出来ないのだ。
初めて見た印象は、ぱっとしない大人しい少年と言った感じだ。
16歳と言う年齢で、Sランクになったのは脅威的では有るが、それにしても力を感じない。
それでも国皇様のご命令である。
そこで向き合い攻撃しようとして気が付く。今までの私が大きな勘違いをしている事に。
相手はただ剣を両手に持って立っているだけ。なのに、私の持つ攻撃手段の3分の2が封じられている。
この後はもっとすごかった。
残りの手段を試そうとする、此方の気持ちに反応して立ち姿が変化、いや進化していくのだ。
10分後、私の攻撃の手段が全て防がれる立ち姿になっていた。何らかの攻撃を此方がすれば、私の心臓に刃が突き立ち、首が狩られるのが理解出来る。
そう、先ほど力が感じられないと言ったのは有る意味当たり前であった。私の力が足り無すぎるのだ。感じれないのではなく、感じられないほどこの者より私が弱いのだ。
目を瞑ると良く分かる。相手が感じられない。魔力や気配がしない。息をしているのに、あるはずの乱れや空きが感じられない。
まるで、山脈や嵐を相手に戦うのと一緒ではないかと思う。
私の手が尽きると同時に剣を引いてくれ、殺陣をしようとと提案してくる。
殺陣を開始して思う。楽しくて仕方が無い。
此方の攻撃を、次に考えている攻撃に繋がりやすい様に、受け、流し軌道を変えてくれる。手数を多くしていっても全く揺るがない。そして途轍もない安心感。昔、私が十代のころ剣術を習った時の感覚に似ている。師匠に剣を打ち込んでいる時の様だ。
この後は、旨い肴と酒で楽しい時間を過ごさせてもらった。久しぶりの充実感である。
かの者が帰り、帰り際に置いていった資料を囲みながら国皇様に聞かれたが、正直に述べておく。
「私は弱すぎて、かの者の力を測ることが出来ませなんだ。対した時私の攻撃は、立っているだけで全て防がれました。もしこの国の騎士全てと、あの者が戦った場合どの位もつか分かりません。この場合い、あの者の処理スピードが分からないと言う意味です。私を含めて、全員が対した瞬間瞬殺されます。
私が理解できない装備でしたので、あの黒い武器と、服装でどれほどの攻撃力と防御力があるか分かりませんでした。多分、魔法での攻撃も無駄であると思われます。」
あの者と今度2人で飲んでみたいものである。
-サイドアウトー
この後、この国に粛正の嵐が吹き荒れた。
次は少し学園物をやろうと思います。