38話 海鮮鍋にチャレンジ
前回の皇女様だけど、ライト君は少しでも寿命を延ばそうと、迷宮を攻略していってるんですが、普通の人が妻や恋人になると先に別れが来てしまう可能性が高いので悩んでます。あとライト君は、目指せ全世界なので、残り3大陸有るのに、フラグ立てまくるとエロで毎日が終わりそうで怖いです。書いての流れに任せてみます。
PS飲み物はミントアップルティーが飲みたかったので出してみました。果実酒がアップル酒のイメージでした。
俺この前、16歳になりました。
前年はとてもハードな1年だったので、今年はじっくり迷宮探査をしようと目標にしました。
この目標にしたのは理由があって、毎日続けてたトレーニングで魔力アップが、ついに増えなくなった事が理由です。それでも今までは、ほんの少し増えてる感触があったのですが、16歳の誕生日前に増えてる感覚がついに無くなりました。魔力に関しては、後はレベルアップ時の増加に期待するしかなくなったからです。
後は気と筋力トレーニングですが、塩を作りに行った海に転移して、寝る前に気で最大の強化をして、魔力で体を押さえ込み泳いでいます。これで無理やり筋肉痛を起こして寝て自然治癒させると、翌朝ほんの少し気と筋力が上がっています。
これをやり方を変えて今までずっと続けています。
こんな時、少しトレーニングの仕方を変えてみました。
トスラト皇国の冒険者ギルドに行って、訓練所でのイメージトレーニングです。
ここはギルドの建物の裏に有って、かなり広く、500mトラックが作れそうな大きさが有ります。
ここでは、冒険者達がコンビネーションの練習や、腕試し、新人の訓練など色々やってます。ここで壁際に陣取り、動いている人達を見てその動きをトレースしながら、どう倒すかシミュレートしていくと、かなりのトレーニングになるんです。
一番ために成るのは、思考の分化です。
同時にいくつ分化出来るかは、戦闘時の動きとバリエーションに直結するので、とても重要です。今まで5つが限界だったのを、ここで更に増やすことが出来ました。
今までは、1つを2つに、2つを3つにと1つずつ増やしていましたが、その限界が5つでした。でもここでトレーニングして違う考え方で、思考分化をし始め成功しました。それは、2つに分化した思考を分化した先で、また分化するやり方です。
このやり方で64分割まで出来ました。ただネックがあって、分化した先はすればするほど、単純なことしか出来なくなって、細かな事の不向きな思考になる事でした。ここまで分化すると、魔法が無理で、32分割でやっと魔法が発動します。
これでも同時発動が32個なので、前の5個よりは格段に良くなりました。
実際、直接攻撃なら5つくらい、間接攻撃を入れると10個位が同時攻撃の限界だと思います。攻撃する側は、俺の体の何処かを攻撃しないとならないので手数が限られるし、同時に着弾するのはとても難しいからです。
少しでもタイミングがずれたら、後回しに出来るし、その時間が気で神経強化すればコンマ1秒単位で知覚もできます。
こんな事を考えてると、近づく人が6人います。此方に向かってくるので、そちらを見るとここのギルド長のトーラス・ネストラさん(68歳人間男)と知らない冒険者5人です。
ギルド長にはここを使用するので挨拶はしてる。
「すまんの、トレーニング中に。ライト殿に少し稽古をつけてほしいのじゃ。かまわんかね。」
「時間が余り取れませんが、いいですよ。ただ、俺のは我流ですから参考にあまりなりませんよ。大丈夫ですか。」
「この者達は、チームなんじゃが、ちと行き詰ってるんじゃ。お前さんとの稽古で、なにか得られればと思ってな。気が付いたら何でも行ってみてくれんか。」
「分かりました。それなら少し手合わせしてみましょう。」
こんな感じで、稽古が始まりました。俺はギルドの片手木剣を2本借りました。
「俺はメネトといいます。このチームのリーダーをしてます。今日はライトさんの胸をお借りします。」
「此方こそ、チーム戦をやった事が無いので、体験させてもらいますね。」
さて、メネトさんのチームはメネトさんバスターソードの近接戦闘タイプ、片手剣バックラーの近接タイプ1人、槍装備の中距離タイプ1人、魔法使いで攻撃1人、補助1人といった感じです。バランス方のチームだった。
まずは手合わせで、5人同時攻撃をしてもらいます。
開始の合図で、メネトさんと片手剣さん、槍さんが突っ込んできて、魔法タイプが2人魔法を唱え始めます。
開始の合図で此方は、1歩でメネトさんの眼前までの5mの距離を詰め、右の剣でバスターソードの力を外側に流し態勢を崩す。左にすり抜け片手剣の人の剣を、左の剣で受けつつ右足で軸足を払う。右にサイドステップで槍の穂先を地面に押し付け、左の剣で軸足の膝裏を押して態勢を崩す。魔法使い2人にもう1歩で距離を詰めて2人の軸足を両方の剣ではらい上げる。バックステップでメネトさんの所に戻り首に右の剣を当て、左の剣で左肩を押さえ、膝を倒れてるメネトさんの背骨に置いて終了。
時間にして1秒ほどでした。
「終了です。」
「・・・は・・・はい。」
メネトさん達を助け起こし、集まってもらって気付いたことを言ってみる。
「戦闘の流れで言いますね。まずは補助魔法を使う方は、簡単な知覚強化系の魔法をなるべく近接タイプの人に常時掛けてあげて下さい。これで先制攻撃や戦闘の初動が早くなって対応しやすくなります。攻撃魔法の方は、無詠唱の牽制用の魔法を打てると、近接戦闘の人の対応がスムーズに行くのと、自分の次の攻撃魔法の時間稼ぎに役立ちます。
メネトさんは剣の軌道が、読みやすく力が入りすぎに感じましたので、受けや、流しを増やすと戦闘に幅と、戦闘時間の延長に役立ちます。
残りの2人は、敵全体を見て嫌がりそうな所に攻撃しながら、敵の力を削ぐ事をすると上手く最大戦力のメネトさんが機能すると思います。
全体として、補助、牽制、受け、流しなどの派手さの無い物を蔑ろにしていて、技が単調になってる感じがしました。これを極めれば、もっとバリエーションが増えて戦闘が楽になるとおもいます。
実際、俺は多分素で、パワーがネストさんより弱いし、手数で5人に負けてるし、戦闘の幅も1人だから限られてるとおもいますしね。」
まだまだ続ける。
「後、補助系の人は、ショートボウかスリング等で遠隔攻撃出来ると、相手の魔法や遠隔攻撃の阻害してやれば直接戦闘の人達がとっても楽になると思う。これは別にダメージが無くても、相手の目元みたいに、反射的に動いてしまう所の近くに当たれば役にたつしね。
直接戦闘の人達は、筋肉の使い方が全て全力なのも気になったかな。必要な筋肉を必要な力で使用できれば、もっと戦闘回数を上げられそうでした。
メネトさんは、攻撃のインパクトの時以外は、もっとコンパクトに動くか、バスターソードの動きと重量を生かして流れる様に連続して、攻撃するとスピードも今より上がる気がします。
こんな所かな。」
メネトさん達がポカ~ンとしてます。ちゃんと聞いてんのかな?ギルド長が話しかけてくる。
「あの短い時間で、そこまで分かるのか。」
「別に分かった訳じゃないけど、気になったり、思っただけですよ。実際は本人達の戦闘スタイルや、好み、基礎体力なんかでやれる事が変わってくるだろうし。」
「どれだけ経験を積んでるんじゃ。おぬしは・・・。」
「エッと、3歳から1人で魔物を倒し始めて、今のギルドカードは討伐数が5万体弱位になったかな?」
「・・・5・・・万・・・体。」
あれ?みんな固まってる。近くの訓練してた人たちまで動かないし。お~い!
まあいいや。なんか稽古って感じでもなくなったので、断ってかえることにする。まだ動かないし。
-サイドー トーラス
訓練所を使いたいと、巷で噂になっているライトと言う冒険者が来たんじゃ。
この前、国皇様からも、なにやら気を付けていてくれと、文面で通知が来ておったので力を見る為に、丁度ギルドに来ていたメネトのチームに頼んで、力を測る事にするかの。
メネトのチームじゃが、Aランクが3人にBランクが2人で、この首都の迷宮探査チームではトップクラスのフリーのチームじゃ。この上となると、皇国が抱えるSランク、Aランク元冒険者にチームを組んでもらうしかないじゃろうと思えるくらいのチームじゃ。
実際に戦ってもらって、驚いたなんてもんじゃないぞ。
戦いが始まったら、メネトのチームが全員地べたに転がされ、メネト自身が押さえ込まれて木剣を急所に当てられておった。何をしたのか全く見えんかった。
それから、感想もあの短時間で良くそこまで見ていると思えるほどの、指摘と感想じゃった。わしには、どこがどうなのか、分からんのじゃ。
ふと、不思議に思って経験を聞いてみて、わしの人生で最大の衝撃を受けたの。
ギルドカードで5万体のカウント数。
これがどれだけすごいかといえば、一流で千単位に入る位、超一流で万に届かんのじゃぞ。カードは迷宮の魔物の止めを刺した者のカードに加算されていくのじゃ。通常5・6人でチームを組む為、よっぽど1人の戦力に偏りが無い限り、カウントの数は分散してしまうんじゃ。
例えば6人チームで6体の魔物に遭遇して戦闘しても、終わった時1人1つしかカウントが増えんのじゃ。
それが、1年で5万体。
それに3歳から、1人で魔物狩りをしていたといってたの。迷宮外の記録がないが、ランクの最低の魔物でも、3歳の子供が倒せるものではない。それは、ランクが低くなると魔物も群れる事が多くなるからじゃ。5cmほどの小さな魔物で子供でも踏み潰せる物も居るが、そんな魔物でも20匹もまとめて襲われれば、子供でも死んでしまうのじゃ。
ライトと言ったこの冒険者は、単純に考えて生まれてから16年間で何十万回の戦闘をしてきている事になるんじゃ。
早速報告を書かねば。
冒険者ライトに関する報告
かの冒険者に関して、戦闘力は上方に計測不能。1年間で4万体の迷宮魔物の撃破数をカウントしている模様。
ギルドとしては、敵対行動は極力避けて、協力関係か、もしくは、無関係で有ることが望ましい。
かの者とは友好関係であれば、これほど頼もしいものは無いと推察する。
もし敵対の場合、ギルドより、かの者を押さえる人材が居ない可能性が大きい為、常に中立か友好の方向で対処するものとする。
トスラト皇国冒険者ギルド、ギルド長 トーラス・ネストラ
-サイドアウトー
昼前の変な時間で、中途半端になってしまった。どうしよう。
今冬だし、夕飯は鍋にしようかな。
やっぱり鍋なら、かにが食べたい。よし、かにを捕りに行こう!
まずは、龍人の国の前にワカサギ釣り?をした湖に転移する。そこから北東に向けて音速飛行で1時間弱。氷に覆われた北の海に到着。
氷の上に着地すると早速探査魔法に魔物が引っかかる。氷上はポツンポツンと反応が少ないが、その反面海の中がすごい。特に底に反応が多い。
まずは白い火炎をだして、直径20mほどの氷に穴を開ける。
魔力で空気の膜を作り、海水の中に潜水していき底に行く。
海の中は、食材の天国でした。
大きく分けて、かに、えび、蛸、イカ、貝、ヒトデ、うに、変なのに大別出来た。
かには足が20本で、爪が胴ほどでかい。大きさは広げて2.5mほどでした。これがうじゃうじゃいます。もう一種類、50cmのムカデにかに爪と足を付けた様なかにもいます。
えびはロブスターに似ていて、もっと爪がでかくて胴と同じ大きさがある。これが1mほど
蛸は前に塩の海岸で捕った蛸の小さい番で、3mほどです。
イカは頭に金属部分が縦に付いていて触腕が金属の銛状になっていて胴体部で5m有ります。多分こいつがここでの最上位になるはずです。
貝類はホタテ、アワビ、サザエの3種類で全部50cm以上有ります。ちなみにホタテとサザエは水流を使って体当たりしてきました。
ヒトデは1種類で30cmほど。これが面白くて、腕を此方に打ち出してくる。5本腕全て打ち出すと丸腰で身動き出来ない。よくこんなので生きてこれたと感心した。
うにが一番攻撃的で、棘部分を打ち出してきます。棘は早めに再生してくるので打ち止めが無さそうです。胴体部が1mあるのでうになら食べ応えがありそうです。
あと変なのは、スライムのパステル系のうにょうにょ動くのやら、マーマンの手足無しとか、板?が繋がって泳いでいるとか、亀の甲羅がくるくる回転しながら移動していたりと変なのばっか。
とりあえず食えそうな生き物を1匹づつ捕り、海上に上がる。
家に転移してみんなで調理する。
かに、えびはそのまま海水で茹でる。蛸は塩でぬめりを取って、足1本は刺身にして、後は海水で茹でる。イカは刺身と炒め物、貝はそのまま醤油焼きやバター醤油で焼き、うには横に真っ二つにして身を食べてみる。
うに旨い!すごく濃厚でまったりしている。
みんなに試食してもらって、残りをクリームと塩、胡椒で味付けして濃厚スープを作り、パスタに絡めてうにパスタをつくりました。
みんなで試食開始。
うにパスタ瞬殺でした。
やっぱり魔物は美味しい。魔力が有る分美味しいのかもしれない。捕って来たのは全部多少なりとも魔力を持っていました。
午後はラナ、アマリー、フィースと俺で海鮮物の確保に行くことにする。みんなテンションマックスだし。美味しい物は正義です。
こうして午後また転移して、海鮮狩りをした。やり方は大雑把で、氷を見渡すかぎり攻撃魔法で攻撃して、海面を露出させ、俺が雷を全体に打ち込み、全員で陸に痺れてる獲物達を放り投げて陸で止めを刺し、俺とアマリーの闇に回収で終了です。
夜は、昆布だしの醤油スープで、海鮮鍋にしました。
旨~い!
こうしてこの日も暮れて行く。
今回はライト君の人外度が分かる記述にしてみました。本人は少しずつ気付いてますが、まだ実感としてはまだまだです。