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37話  パーティーって退屈

ごるばさん何時もありがとうございます。

三山さんの指摘ですが、穂先しか採取していないので、ススキ科の稲は根っこが残こっていれば、翌年また実ります。稲は刈り取っても根っこが残っていると、冬前に小さな稲穂や葉っぱが出るほど生命力が強いです。実家が農家でお米も作っています。

 秋口に入り、龍人の国の温泉施設が出来ました。


 元々くつろいでもらおうと思って造った施設なので、住人達や少し生活に余裕のある商人などに使ってもらえば良いと感じていましたが、開店して見れば、国王のリューネストさんが王妃さまと一緒にオープニングに来てくれました。

 初日は関係者の、商人ギルドのギルド長や、建築をした職人さん達、内装をした職人さん達、近所の人達を無料で招き堪能してもらいました。

 宿泊は人数が限られますが、入浴や施設の使用は出来る様にしたので、多くの人が使ってくれるのを期待しました。


 年末の今、多くの人に使ってもらってます。春までの宿泊の予約が一杯だそうです。


 カジノで、国王のリューネストさんが小遣いを全部すって、王妃様に正座で説教されてたのは笑った。


 エルフの国の商会は、彩色工場がランクアップしてました。


 倉庫だった作業場が、専用の建物に変わり、集会所が簡単な学校みたいになっていて、規模が大きくなっていた。

 教える老人達も、子供達に接して若返ったのか、ハッスルしてたし、子供達も前みたいにガリガリに痩せてる子も居なくなって良く笑ってる。

 これだけでもやって良かったと思う。


 トスラト皇国の首都は、子供達の宿舎がやっと揃い、図書室兼集会所がもう直ぐ出来ます。かなり造成に手間取ってるので、大人の分の宿舎が揃うのは来年の夏ぐらいになりそうです。

 歓楽街は大方出来上がり、只今順次引越し中です。食堂と酒場は営業を始めてるので、夜は賑わい始めてます。娼館は3つのランクで分け、高級、上級、それ以外にして花売り達は希望すれば、店から近い宿舎が格安で借りられ、普通の人はワンルーム、上級は2DK、高級は1軒家です。


 そんな中で、高級娼館が開店したと聞いたので、花町責任者のノルンさん(人間種女性40歳)と視察にいきました。


 造りは、貴族の館調で、広い敷地に噴水、庭、店内はエントランス、シャンデリア、絨毯に絵画、彫刻等すごく格式が高い。

 建物外は警備員と従業員が2列に並んで出迎えてくれ、店内エントランスはこの館の責任者を筆頭に、働く花売りさん達が並んで出迎えてくれました。全員、ドレスや装飾品で着飾りとても綺麗です。


 どこかで見たことの有る、獲物を狙う目でなければ・・・。嫌な予感がする。


 各部屋を見ると、その使用者毎に部屋の装飾や、カラー、内装が変わっている。個性が出ていてとても良い。


 なんで花売りさん達全員付いてくるんだろう。


 1階一番奥は、大きな部屋らしく、観音開きの重厚な扉になってます。開いて入るとそこは、浴室で、20人はまとめて入れそうな湯船に、中央奥には瓶を抱えた綺麗な女性の石像が有り、その瓶からお湯が注がれている、贅沢な造りのお風呂場でした。


 ノルンさんがのたまう。


 「ライト様に、私達の技術とサービスを体感して、満足していただきましょう。」


 は?何で?


 花売りさん達全員がドレスを肩から落として、全裸になってにじり寄ってくる。この人達、下着着けてないし。道理で色っぽい訳だ。

 何でノルンさんも混じってるの?


 ここで不思議に思うかも知れませんが、迷宮に潜るようになって、レベルが上がり腕力が強くなった為、体の制御に失敗して女性の華奢な体に触ったら、簡単に手足が千切れてしまう事になる。

 極端に言えば、エッチしてる時理性が飛んで抱きしめたら、女性の胴体が上下に分かれてしまいそうです。

 種的に強靭な体と、魔力を持ってる妻達なら心配ないけど、この人達だと怖くて触れないし、下手な抵抗ができない。


 念話で妻達に助けを求めたのに、無視された。ショック!


 柔らかい肉に包まれ、浴槽に連行されてしまった。


 結果的には、1時間後に脱出出来た。脱出の手段は、全員を俺の気で包み感覚の触感や神経を過敏にして、魔力で包み、快感で気絶させた。


 何とか脱出して外に出て、家に帰った。


 気絶した人の中に、フィースがいた気がする。あと責任者の方とか。


 家に帰ると、ラナとアマリーに夜激しくされた。何でだ?助けてくれなかったのに。


 朝フィースが復活してベットの中にいた。


 翌朝から、トスラト皇国の首都で何か、何時も狙われている感じがする様になった。特に歓楽街に近づくとすごく身の危険を感じる。


 こんなこともあった年末、商業ギルドを通じて皇室主催のパーティーの招待状がきた。本当なら無視したんだけど、ギルド経由なので無視しきれなかった。


 当日、ギルドの馬車を借りて、皇城まで出向く。帰りは転移で帰るので、馬車は着いて俺を降ろしたらそのまま帰ってもらう。


 今は夕方になって、もう直ぐ日が暮れる時刻。


 今の服装は、何時もの格好なんだけど、この頃この服、迷宮の素材やその他の金属を融合させすぎて、黒くなってしまった。ラナが裁縫でミスリルなどを糸にして刺繍してくれるので、少しおしゃれで個人的に気に入ってる。

 ショート丈の黒いジャケットに、黒の長ズボンでお揃いの刺繍がしてあり、これに魔物の糸で織られた肌着のTシャツとパンツです。

 これだけで外気を完全に防ぎ、動きを阻害しないで、魔法や刃、衝撃もほとんど防ぐ優れものになっている。一番のお気に入りの所は、刺繍部分などからラナの魔力が感じられてとても気分が良い事です。


 待合室で一人で待って、その後時間になって会場に移動しました。


 今回パーティーに参加した、隠れた理由に、遊園地の建物の参考にする気持ちも有ったので、色んなところを見てみる。


 この前の高級娼館なんか比べようも無く、キンキンキラキラでした。俺が知っているので、ベルサイユ宮殿に内装が似ていて、規模は小さい。フレスコ画?や金銀の彫刻、装飾に、至る所に生花を飾りたて、高そうなシャンデリアや、煌びやかな装備の近衛兵が各所に居る。

 余りにお金が掛かってそうで、思いっきり浮いてる気分になった。


 パーティー形式の時は、上流階級の方達は知り合い以外にはほとんど話し掛けず、知り合いからの紹介が無いと自分からは話し掛け無いらしい。ギルド長が言っていた。


 給仕に飲み物を貰い、壁際で静かにしていると、上座の扉から皇様と家族の方々が出てこられた。遠くて見えない。皇様の挨拶が終わり、貴族の方々が順に挨拶に向かっ行く中、食事を給仕にもらって食べると、あんまり美味しくない。

 

 立食形式なので、給仕に取って貰ったが量が少ない。味が薄い。こんな場所でガッツり食べる奴もいないだろうからしょうがないけど。

 多分この料理も、料理長達が山海の珍味や技法をもって作ったものだろうけど、根が庶民な俺には、上品過ぎて口に合わない。フランス料理を食べた後、ラーメンを食べる感じ。


 何か場違いだし、テラスから降りて庭を散策する。


 管理されたいい庭です。芝生は刈り揃えられ、木々も綺麗に刈り込まれ、小道や小川が整備され、冬の花が綺麗に咲いている。庭師がとっても腕が良いのだろう。


 かなり奥まった庭の片隅に、池に突き出た東屋を発見。


 そこに座って、小腹を満たすことにする。


 お茶セットを出して、お茶を入れ、出るまでの間に、迷宮高層階の肉を出し、塩、胡椒、をふって魔法の火で炙り、最後に醤油を塗ってサッと炙る。上にミノちゃんズバターを乗っけて、高級肉のバター醤油、ピリ辛風完成!


 「いっただきま~す。」


 「美味しそうな匂いですね。」


 だれ?


 見ると、さっき皇族の中にいた20歳位の女の人が、俺の肉をジッと見つめてる。


 「すみません。初めて皇城に来たもので、まだ皇族の方々の名前が分かりません。良ければお名前を教えていただけるでしょうか。私は商人のライトと申します。」


 「おや、これは私の方こそ失礼いたしました。私の名前はレイテェラ・トスラト、第2皇女で19歳になります。ライト様。」


 「レイテェラ様でございますか。私に様は不要にですのでどうかライトとお呼び下さい。」


 「でしたら、わたくしにも様は不要に願います。それよりもお肉が冷めてしまいますよ。」


 なんでこの皇女様はこんなにフレンドリーなんだろう。肉そんなに食べたいのかな。


 「お肉食べられますか。」


 「まあ!いただいても宜しいのですか。お願いします。」


 食べたいらしい。肉をスライスして半分を、もう一つの皿に盛りフォークも付けて渡してあげる。


 「・・・まあ、すごく美味しい。とろける様な舌触りにピリッとした味付け、とってもおいしいわ!」


 俺の分が足りなくなったので、もう1つ肉を調理して、あっさりしたきのこと葉野菜の昆布だし塩スープを作る。

 

 今度は熱々を出してあげ、自分も食べる。結構この皇女様食べるな。


 食後に、ミント風味のお茶に果実酒と蜂蜜を少し垂らして出してあげる。お茶請けにチョコチップクッキーを添えてあげる。


 「とてもおいしいわ。食べたことの無いすばらしいお肉に、新しい味付け、このお茶に、このお茶請けも食べたことの無い美味しさね。」


 お気に召したらしい。お茶とクッキーはお土産で上げた。


 それから、お茶を飲みながら世間話をしたりして、1時間ほどで分かれました。気分が来た時よりもずっと良い。そのまま転移して家に帰りました。



 -サイドー レイテェラ


 パーティーは余り好きではないわ。なぜなら貴族達のおべっかや、私の夫の座を狙う目がとてもわずらわしいもの。姉様は隣国の王妃として嫁ぐ事が決まっているので、私の方にそういった殿方の目が向くのは分かるのですが、生理的にどうしても馴染めません。


 そんなパーティー会場を気分が優れないと言って、席を外して、何時も休憩をするお気に入りの東屋に行くと、先客がいらしたの。


 何かされてる様ですし、帰ろうかとしたら、とても香ばしい良い香りに、ふと声をかけてしまいました。


 振り向いたお方は、16歳ほどの男性、そう男性です。


 その方は黒髪に黒目、黒を基調にした服装をしていますが、とても落ち着いた感じの刺繍がされていて、品の良さを感じさせる方です。


 そして目。

 

 目がとても落ち着いてらっしゃるの。一切のおべっかやいやらしさが無いの。それに言葉遣いが丁寧なのに、多分尊敬、憧憬といったものもありません。対していると祖父などに対面している様に感じられます。有るはずの無い年齢みたいな物を感じます。


 その後食事もご馳走になりましたが、今まで食べたことの無いすばらしい物でした。


 その後もお茶をいただき、久しぶりに落ち着いた空気の時間が過ごせました。


 分かれて会場に戻りましたが、すでにライト様はお帰りになった様でどちらにもいらっしゃりません。


 パーティーの後、父上にライト様の事を伺うと、今回のパーティーの主要人物で、父上は探したそうですが合えなかったそうです。詳しくお聞きすると、ライト様は1年で冒険者のSランクになり、2Sランク商人にして4カ国で商売を展開して、商業ギルドの把握している資産総額が中国家の国家予算を軽く超えているそうです。

 この国に来て半年で、城下町のほとんどを勢力下に置かれているそうです。


 あととても綺麗な婦人を、3人妻に娶ってるらしいです。


 不思議な感じのライト様。


 この日からどこかで、ライト様の事が何時も気になってしまいました。


 明日は、ライト様にいただいたお茶とお茶請けで、お茶会にしましょう。

 


 






 

一応フラグでは無いつもりです。

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