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鬼藤家に生まれた女の目撃

作者:黒カワウソ
書きたいな〜って思った連載小説を書く前に、その小説が完結しちゃった後の第三者視点を書いちゃいました。と言っても、ネタバレ的なものは2名の名前以外ありません。第三者視点の娘も出てこない予定ですしね。名前すらありません。
古より妖祓い、封印を生業とする鬼藤一族。
その鬼藤一族に生まれた娘が目撃した、少し不思議でひやりとしたこととはーーーーー。















◇◇◇

「もうっ、なんな……のよ…っ」

途切れ途切れに言葉が紡がれる口からは、走り続けているせいか吐く息が荒い。鬼藤一族という職業柄体力はある方だが、その体力が尽きるぐらい走っている。無論本職は学生を謳歌している。

何故こんなことになったのか。
事の発端は数刻前。

◇◇◇

「お前ももう18だ。そろそろ婿を見つけたらどうなんだ」

父の部屋に呼ばれ、何事かと思って行くと言われたのは最近になって聞きなれた言葉。

「お父さん!いい加減にして!!」
「落ち着きなさい。輝君なんかいいじゃないか。落ち着いているし妖祓いの血も濃い」
「私は政略結婚なんてしたくない!」
「政略結婚とはなんだ!!あっ、おい!」

何時もよりイライラして、そのまま家を飛び出してしまった。

◇◇◇

……今に至る。
そもそも、何時もと違う獣道に興味を持って何時もと違う道から山に入ったのが悪かったのだ。途中で迷ったと気付いて、焦り山を降りようとして走ったのも間違いだった。
そのまま完全に迷ってしまった。

「どうしよう。流石に帰りたい…」

空は赤みを帯びてきている。
夜になってしまったら、辺りは真っ暗になり帰れるものも帰れなくなってしまうだろう。

「あ〜ぁ、最悪。自分が悪いんだけどさ」

思わず俯いた。なんかもう開き直りそう。
そう思った時。

「どなた?迷い子かしら」

前方から女性の声が聞こえて、顔を上げる。
如何してこんな山の中に、と思うが、それは自分にも言える。黒をベースとした着物を着て、困ったような微笑みを浮かべる肌の白い女性は、女の自分から見てもとても美しい。
思わず見惚れそうになった。

「えっと…。貴女こそ何故こんな所に?」

「それは秘密。あら?貴女…「雪乃」」

なにか言いかけた女性に被せるようにして、何処からか男の声が聞こえる。如何やらこの女性は雪乃ゆきのというらしい。
驚いてキョロキョロしてしまう私とは違い、雪乃さんは男の声が聞こえた瞬間花がほころぶようにパッと笑みを浮かべた。

「伊織!」

雪乃さんが男の名と思しき名を呼ぶと、雪乃さんの左後ろから突然男が出現したのだ。
よく見ると狐のような耳と九本の尾が付いている。彼は……妖?!

「雪乃、こんなところまで来ていたのか」
「だって、人の子の気配がしたの」
「ほぅ?」

雪乃さん…妖なのかな。
妖狐が私を見た瞬間、今すぐ逃げ出したい気持ちにさせられ、本能が恐怖を訴えている。
こいつは…やばい。
関わっては行けない類の妖だ。
雪乃さんは普通にしている。まさかこいつ、私にだけ自害したくなるほどの殺気を放ってる?!目線は雪乃さんにあるのに、殺気は私に向かっている。その瞳が、私を見る。

「おい、貴様。な「こら」いてっ」

………ん?

「伊織、女の子怖がらせたらダメだよ?」
「あ、ああ。すまん。雪乃、先に戻っていてくれないか?」
「早く戻って来てね…」
「わかっている!大丈夫だから」

雪乃さんが去り、私と妖狐だけになる。

「お前は何の用でここに来た?」
「家のことでイラッとして飛び出して、何時もと違う道で山に入ったら迷った」
「お前は阿呆だな。何が迷っただ。何時もと違うことをすれば迷うのは当たり前だ」
「悪かったわね!どうせ私はアホですよ〜」
「開き直るでないわ。みっともない」
「うっ…」

妖狐は溜息をつく。

「お前がこのまま野垂れ死んで雪乃が悲しむ顔を見るのも気に入らない。目を瞑れ」
「何よ…「あぁ?」」

また殺気が来たので、おとなしく目を瞑る。

「何するつもり?…って、あれ」

次に目を開けた時は、家の前に立っていた。これも強い妖の能力なのだろうか。少し寒気がして来そうだ。今まで生きて来た中で、自分は妖なんかに恐れを抱かないと思っていた。でもそれは、勝手な自分の思い込みだったようだ。

「家の近くの山にあんな化け物がいたなんて絶対他の人に言えないんですけど」

それに、雪乃と妖狐は夫婦のように見えた。仲良く暮らしているところを私の一言で荒らすのも気がひける。一応妖狐に助けてもらった恩もあるし、今日見たことは墓場まで持って帰ろう。

近いうち、もう一度あの2人に会うことになろうとは思わない私だった。

◇◇◇















娘の目撃ーーー完ーーー
これからの鬼藤一族は、まだ誰も知らない。
こんな感じの雰囲気で話を書いていこうかと


ありがとうございました

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