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はね帰り

作者:哀芭 友劃
 筆者のゆーかくです。まず、読んでみようと思って下さってありがとうございます!
3作品目となります。これまたある男の話ですが、今回は私が脆弱なため、何かを伝えられるか不安ですが、書かせていただきました。短いです。是非に最後までお付き合い下さい。
 私は旅人だ。今、全く知らない世界に降り立ったところである。世界一短い電車に乗って、たぶん私の知る世界の端っこまで来たところだ。折り返すわけでもなく電車は停まっている。何故だかここから一向に電車が出る気配がない。少し待ったが私はホームに降り立ち、切符を取り出し、おみくじの箱のようなものに入れる。どうやらこの旅の初体験は無人駅から始まるようだ。時刻は四時を少し回って、まぁ夕方に向かい始めたくらいだ。人もいない緑の壁に囲まれた場所に、小さな無人駅。今までで一番快適な世界なのでは、と少し考えもしたが、ここが旅の終着とは思えなかった。人が居ない。私しかいない。不思議な感覚だ。嫌でも嫌と言っても会わされた人間がどれだけいたことか、と、私も相手も思ってるわけだから、物凄い数になるはずだ。それだけの数字を持ってしても今の私は干渉されない訳だ。

 無人駅といえど、かつては誰かがここに電車を停めて、乗り降りを頻繁に行っていた時代があったはずだ。今ではただの休憩所と化している。ふとそこのボロいベンチに座ってみた。座り心地は、評価しようがない。そんなことより、私には考えなくてはならないことがあった。この世界からどこへ行くかだ。右にも左にも線路はある。しかしどこに続いているか、どこまでも続いているのかはわからない。一先ず駅から移動することにした。

 私が旅でやっていることはまるで昔の人を追いかける影のようだ。かつての風景を見る為に、誰彼の影を追いかけている。往来の多かったはずの駅前を、今日会ったばかりの影と歩く。影はどうやら私を見てはいない。だがしかし、私の世界の方向へ歩いている。影は立ち止まったり、振り返ったりもしない。ただ目的の駅まで行って、電車に乗り込む。一方通行の短い電車は、まるでいつが終点なのか乗ってた私にもわからなかった。旅の目的がここにあるわけではない。要は電車との我慢比べに負けただけで、電車を降りたのだ。

 地図も何もあるわけではないが、道はある。少し大股で歩く。道の脇に生えた木々は次第に大きくなる。まるで私が小さくなっていくようだ。道中、何箇所も分岐があったが、全て左を選択した。昔聞いた事で、どうしてもゴールできない迷路は、左手を壁につけて歩けばいい。迷路を楽しむ上では論外な発想だが、私は楽しみに来てる訳でも遭難したい訳でもないので、左を行くというルールを設けた。小一時間程歩いたところで、見渡す限りに大きな木々が列なる中で、まるで山そのものかと錯覚してしまいそうな程の巨大な木が目前に現れた。

 小さな私はこの大きな壁を登ることにした。木肌にできた深い溝に手を掛け足を掛け、渡って行った。周りの木々も中々の大きさであったが、歩みを進めてすぐにそれらより上に来てしまった。それから夢中で登ったわけだが、次第に手元が暗くなってゆき、巨木の最初の枝をよじ登ったところで、私は力尽きてしまった。右を見ると地平線に浸かり出した太陽が見えて、左を見ると目覚めたばかりの月が見えた。上を見ると無数の枝が扇を成して、外側を見ると、地平の様に多くの分岐を持った枝に、遠くに霞んで見える巨木。私が登ってきたものとどちらが大きいのだろうか。距離感も分からなければ、空は暗んでいた。疲労感もあり、向こうの巨木に私の関心は向きもしなかった。

 もはや平らな枝の上で夜を明かした私は、また今日も巨木を登ろうとした。そして、枝の付け根に下向きの矢印が彫られているのに気がついた。そして脇に明らさまに色合いのおかしな球が埋まっていた。一つそれを押してみると。私が以前使用していたアレのように木肌が開き、小さな一室が現れる。躊躇せず私はそれに乗り込んだ。木肌は塞がったが、降りている感覚はない。私の旅は終着するにはまだまだな様だ。
 読んで下さってありがとうございます。ゆーかくです。実はジブリ作品が好きでして、少し意識して書いてみたりもしました。あーって一瞬でもなったら嬉しいです。
そこはさて置き、人生って道だ何だって訳されることが多くあると思います。ですが何というか、実際はもっと多様というか、例えば浮き沈みだとか、下が地面とは限らないじゃないか、的な減らず口を何個も言ってみたりと、でもそう捉えて行く程、どこ向かってるか結局分からないよね?って話なんです。自分がそうなものなので(汗
世界観と人生観といってしまうと何か私には壮大すぎるし、手にあまる話にはなりますが、そのような部分でどこか思いあたる節があって、楽しんでいただけたら幸いです。

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