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 術の発動に英語を使ってありますが、ただ攻撃の内容を英文化しただけなので、無視して後の攻撃の内容とかを見てくださって結構です。
 では、第二話です。
第二話 学院生活
 すいませんおくれましたーっ!と海斗達三人が教室に入ると遅いっ!という喝が入った。

「ったく、さっさと席付け。今自己紹介の途中だ。まず朝宮」

 な、なんでしょうか、と控えめに発言した龍夜に呼んで来るのが遅いっ!とチョークを投げつけた。

 ぎゅばっとあり得ない軌道を描いて飛んだ超高速のチョークは龍夜の額に突き刺さった。

 昏倒し床に倒れている龍夜はそのままにしてその先生らしき女性は海斗と志乃の方に向き直った。

「で?お前らは何で遅れたんだ?逢い引きか?入学式の日に変なことしてんじゃねーよ」

 口調は軽いが体から発せられるプレッシャーは並なものではない。周りは何がなんだか分からないうちにすくみ上がっている。
 
 だが、そのとんでも発言をしてくれるその男勝りな口調を使う美人教師を相手に一人だけ、海斗は落ち着いて対処した。

「いえ、道に迷っていたんですが・・・彼女と遭遇した後、龍夜にあってここまで連れてきてもらったんです」

 何気なく返した言葉だったが彼女はほう、と息をのんでいた。

「俺のプレッシャーに耐えるとはな、武術の心得があるのか?・・・え〜〜っと篠原海斗?」

「・・・まぁ、ほんのちょろっとですが」

 少しうかつだったな・・・と苦笑いしたが彼女は意味深に笑い

「そうかそうか、あんまり追求してほしくなさそうだからやめといてやるよ、っとそうだあたしの名前は桐野 蘭って言うんだ。よろしくな」

 はい、と返事をしてほっとため息をつく。あんまり自分が強いっていうことはばれない方がいい。平和な学園生活を送るためには。

「To thou the wind of healing」

 すると不意に蘭が倒れている龍夜に向かって呪文を唱えた。

 青みがかかった風が龍夜を優しく包み、おだやかに霧散していった。

「おら起きろ」

「う・・・ん・・・」

 頭を振りながらおいて龍夜の様子を見て一つ頷くと唖然としているみんなの方を振り向いた。

「見たか?今のが始動キーを抜いた詠唱破棄って奴だ。初めて見た奴ばかりだとは思うが、まあこれは慣れだな」

 へぇ〜〜〜と声が上がる中、蘭は海斗の方に振り向いてにやっと笑った。

「今のを見て全く驚かないとはね、お前の実力が楽しみだ」

 海斗は、はははと笑って流した。





 自己紹介も終わり、今は入学式のために講堂に向かっている途中だ。

「なあなあ海斗」

「ん?」

 出会ってすっかり仲良くなった龍夜と雑談しながら歩いていたが(何しろここは広い)龍夜が改まって話しかけてきたので少し姿勢を正す。

「・・・お前、なんか俺たちに隠してねぇか?」

 ぎくっとなった海斗の反応を見て龍夜はため息をついて続けた。

「別にそれが悪いとは言わねぇが・・・仲良くなった俺らには言ってくれても良いんじゃネェか?」

 真剣に悩んだ。この力を見て龍夜達が距離をおかないだろうか、という思いが胸の中にあった。しかし、逆に龍夜達なら大丈夫、という思いもあった。

「・・・分かった。・・・でもそんなたいしたもんじゃない。ただ目立ちたくなかっただけだ」

 いつの間にか聞き耳を立てている志乃に手招きをして

「My voice only to thou」

 と自分たち以外には海斗の声が聞こえないようにした。訳すると、我が声は汝らだけに。だ

 先頭を歩いていた蘭がくるっと振り向くとにやっと笑った。

 本来この呪文はなかなか高度なものに値する。一分近く詠唱を必要とするのだが(あくまで学生レベルで言えば)それを一言にまとめた海斗の力量を見抜いたのかもしれない。

 そのまま何も無かったかのように歩き出してくれた蘭にほっとため息をつく。

「どうした?」

 先頭を見つめていた海斗を不審に思ったのか二人が声をかけてきたが、なんでも無い、と返して本題に入る。

「さて、さっきので俺の声は他の奴にばれることはなくなった。自由に話せる」

 へぇ、と軽く驚いている二人に苦笑して先を続ける。

「そうだな、親のことから話した方が良いか・・・俺の両親はサリエス・クラージと篠原龍斗って言ってな」

「ちょっ、ちょっと待てよその二人って・・・」

「うん?何だ知ってたのか」

「知ってたのかっておまえ・・・」

 龍夜が驚くのも無理は無い。海斗は知らないが海斗の両親は世界最高峰の実力を持っている。そのため名前も広く知られていて、教科書に載るぐらいだ。

 一般常識が少しずれている海斗は気付いてなかったが

「なら話が早い。俺はその二人に三歳の頃から英才教育を施されていて、こないだ卒業して自由になったんだよ」

「なっ・・・そ、それじゃお前かなり強いんじゃあ」

「うーん、強いのは母さんからしつこいぐらい言われていて何となく分かるんだが・・・一番自慢できるのがドラゴン五体を二十秒で倒したことかな」

 にじゅっ!!!???と龍夜が驚きにより固まった。ドラゴンといえば王宮のエリート騎士団ジュライドの一個中隊でかかったとしても勝てるか分からないほどの相手である。それを一人で二十秒。すごすぎる。

 普通はこんなもの法螺話で流されるのが落ちだが、龍夜は本当かどうかを視る力がある。

「・・・どうやら本当みたいだな。おい志乃、信じられるか?二十秒だぜ二十秒」

 肩を叩きながら興奮して龍夜が話しかけたが志乃の反応はなかった。不審に思った龍夜が顔を覗き込むとあまりの衝撃にぼ〜っとなっていた。

「お〜い志乃〜?かえってこ〜い」

 海斗と龍夜が苦笑しながら見守っているとやがて志乃が復活した。

 海斗はふう、とため息をつくと

「まぁ、ドラゴンが普通は倒せないっていうのは知ってたからある程度は覚悟してたけど、そんなにすごいことなのか?」

 龍夜はため息をついて海斗を見やるとおもむろに吐き捨てた。

「おまえなあ・・・すごいことなのかって、そりゃすごいよ。つうか凄すぎ。次元が違うっていうか・・・」

 志乃もうんうんと頷いている。

 そんなにちがうかなぁ、と首を傾げている海斗を見てまぁいっかとため息をつくと

「まっ、これからもよろしく頼むぜ、相棒」

 と言って肩を組んでくる龍夜に向かって海斗は最上級の笑みを向けた。元が至上の美少年なだけあって威力は絶大だった。周りで歩いていた女子生徒が思わず振り向いて凝視してしまうほどの笑顔だった。

 志乃もよろしくね、と同じように笑顔に見とれていた志乃にも同じ笑顔で言ったとたんに志乃は真っ赤になってうつむいてしまった。

 龍夜の頬がビキィッと音を立てて固まった。そのまま海斗を連れて列から少し離れる。

「(お前にそんな気がないのは分かってるが、志乃にその笑顔を向けるのはやめろ)」

「(・・・なんで?あ、もしかして・・・)」

 龍夜は海斗が考えていることを読み取り即座に否定した。

「(いやいやいや、何でそう考える!?あり得ないだろ!とにかくお前の思ってることは違うからな!)」

 このとき海斗は志乃に見苦しい笑顔を見せるなって言ってるのかな?と素で考えていた。絶世の美男子であるにもかかわらず。

「(うん?そうか、ならなんで?)」

「(・・・おまえ、自分がどれだけ人を惹き付けるか分かってないだろ)」

 海斗は少し考え込むようなそぶりを見せ、ありえないと一笑した。

 なっ・・・と固まっている龍夜に諭すように続ける。

「(そこまで俺はうぬぼれてないよ、でもありがと)」

 あわてて言い返そうとしたが、講堂についたようだったのでしょうがなく口をつぐみ志乃のそばに戻った。

 周りの女子生徒がちらちらと海斗の方を見ているが、海斗は全く気にしてない。慣れているのではなく、気付いてないのだ。(信じられないことに)

 龍夜は苦労しそうだな、とため息をついた。

 もうすぐ入学式が始まる。海斗はこの二人となら楽しくやっていけそうだな、と考えやっぱり来て良かった。と思った。






 
 どうだったでしょうか?少しヒロインは登場するのが遅くなりそうです。ご容赦ください。


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