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 ようやく?それともやっと?どちらかは分かりませんが、ついにこのイベントが入ります。では、第九話です。
第九話 告白
 とっさに龍夜が視覚障害の魔法をかけてくれたおかげで(これも学生レベルではなかなか高度な術)海斗は泣いているところを見られずに済んだ。

 海斗は少し気恥ずかしくなって早紀と眼を合わせにくかったが彼女はニコニコと上機嫌だった。

「さぁて、このクラスはかなり優秀だったと聞いている。50%を超えるものが半数ぐらい居たらしいな。まぁ、それはいいとして、早速武術大会するぞ」

 え!?とクラスメートが一瞬で硬直した。

 しかし彼女はおかまい無しに説明を続ける。

「せつめいするぞ〜。っつってもまぁ、今回のはクラス交流戦みたいなもんだ。各クラス一組ずつ戦っていって最終的に勝ち星が多かったところが勝ちだ」

 と言いきってから蘭はみんなが理解するのを待った。要するに、十五組の組が戦い合って勝敗を決めるらしい。

 と、そこでいち早く理解して復活した龍夜が興味深そうに海斗に聞いてきた。

「・・・で、結局するんだよ。本気でやることにしたのか?」

「・・・いや、本気ではやらないよ」

 なんで!?と早紀が叫んだが、早紀の方に向かって微笑みかけると早紀は顔を赤らめた。

「うん。本気を出さないだけで、力を隠すのはやめることにしたよ。・・・こうやって前に進めたのは、みんな早紀のおかげだ。ありがとう」

 早紀に感謝の気持ち、今自分が抱えている早紀に対する特別な気持ちとか、いろんなものを混ぜて早紀に最上級の笑顔を送った。

 しかし、早紀はぼんっとと音が聞こえてきそうな勢いで顔を真っ赤にしてしまった。(海斗の早紀のことが好きだという気持ちも込めた結果である)

 当然龍夜は海斗の気持ちの変化にも気付いており、これでめでたしめでたしかな・・・と思っていたが、そんなに甘くはなかった。

「・・・う〜ん・・・早紀がかわいいのもあると思うけど・・・なんだろう、この気持ち・・・あ、そうだ。龍夜なら俺の早紀に対する気持ちが・・・ってあれ?」

 ずるっと志乃と龍夜は転け、早紀は呆然としていた。





 会場に向かいながら海斗は悩んでいた。早紀は突然拗ねて口をきいてくれなくなってしまったし、龍夜と志乃は自業自得、と言って助けてはくれなかった。

 それに、さっきまで早紀と喋っていて、楽しかったけど、こうやって早紀に無視されたりされたらなんだか悲しくなってくる。

 悩んでも悩んでも答えが出ない謎掛けを解こうとしているかのように答えが出ない。

 そこで見かねたのか志乃が助け舟を出してくれた。

「・・・海斗君。海斗君が早紀ちゃんのことをどう思ってるのか、早紀ちゃんとどうしたいのかを考えたら答えは出てくると思う」

 この助け船を借りて、海斗は答えを出そうとした。

 

 早紀・・・・・昨日あった女の子で、かわいくて、俺のことをしっかりと考えてくれていて、優しくて、笑顔がどうしようにもなくかわいくて、あの笑顔を見ると胸が締め付けられるみたいになって・・・守りたい、守ってあげたい、あの笑顔を。自分の手で・・・

 でも、これをどうゆう気持ちだといわれたら・・・守りたい・・・?それだけじゃない。ほかにも・・・優しい娘だから?それも違うような気がする・・・なら・・・・・・っ・・・そうか、・・・好きだから・・・彼女が好きだから、守りたいと思ったし、笑顔を見たらあんなに胸が締め付けられたんだ。

 ・・・俺は馬鹿だな・・・今思えば、早紀の今日の朝からの態度ってもしかしたら・・・今早紀が怒ってるのももしかしたら、もしかすると・・・?



「・・・そうか」

「海斗君?」

 海斗は深い思考から浮かび上がると、すぐさま愛しい(今でははっきりとそう思える)人を見つけると、その手を取った。

 驚いたように眼を丸くしてこちらを見上げてくる彼女に微笑むと素早く呪文を唱えた。

「Light we of the person there is not going to be it」

 海斗と早紀の体が光に包まれた。だんだんと薄れていく二人を見てクラスメートがざわめきだす。

 海斗は蘭と龍夜に後は頼んだ。と口パクとジェスチャーで伝えると術を完全に発動させ、転移した。





 しゅんっと転移したところは使われていなそうな控え室のようなところだった。

「な、あ・・・海斗?」

 彼女は突然転移してきたことで海斗に怒りを覚えていたのを忘れたらしい。きょときょとと辺りを見渡して小首を傾げていた。

 彼女が好きだと自覚したとたんに彼女の動作がすべてかわいらしく見えた。いや、今までもそう思っていたのだろうが自分で意識していないだけだったのかもしれない。

「早紀・・・」

「な、なに?」

 そっと警戒している彼女の頬に手を伸ばした。嫌がられたらすぐにでもやめよう、と思っていたが彼女はすんなりと受け入れた。

 思わず相好を崩している彼女にもう一度呼びかけた。さっきみたいに自分のこの感情を声に乗せて。

「・・・早紀・・・」

「ぁ・・・ぅ・・・っ!」

 真っ赤になっている彼女をぎゅっと抱き寄せた。すぅっと息を思い切り吸い込む。彼女のにおいが鼻孔をくすぐる・・・甘い、香水ではなく彼女自身のいい香りが・・・

 体から力が抜けてこちらに体重を預けてくる彼女にもう一度

「早紀・・・」

 びくびくっと早紀が腕の中で反応した。抱き寄せる腕に力を込めて、言いたい言葉を簡潔に、だけど感情をありったけ込めて言った。

「好きだ」

 ぎゅっと彼女が服の袖を思いっきり掴んで顔を上げてこちらを凝視してきた。頬は紅潮し、眼は潤んでとてもかわいかった。

 彼女は震える唇でう、そ・・・と言葉にならない、空気の音だけの言葉を紡いだ。

「嘘じゃない。本当。思い返してみたら本当は昨日会った時からだったのかもしれないけど・・・俺が馬鹿だったから、さっきの志乃の言葉でようやく分かった」

 早紀の眼を真正面から見つめ、本当の、嘘を通さないありのままの言葉を紡いだ。

「好きだ。早紀・・・誰よりも、誰よりも早紀のことが好きだ。会ってまだ間もないけれど、これだけは確かだ」

 ぞくぞくぞくっと早紀の体が震えたかと思うと、つう、とその眼から一雫の涙がこぼれ落ちてきた。

「本当に?」

「うん」

「本当のほんと?海斗は、あ、あたしのことが・・・」

「・・・うん。大好き」

 正直照れくさかったが、早紀にはすらすらと言いたいことが言える。

「・・・・しも・・・」

「ん?」

「わたしも、海斗が、大好き・・・」

 ぽろぽろと早紀の眼からは涙がこぼれ落ちる。海斗はそれを指で優しくすくい取って胸で泣いている彼女の顎に指をかけて顔を上げさせた。

「あ・・・」

「早紀・・・」

 ゆっくりと、眼を閉じながら顔を近づけていく。早紀も眼を閉じて顔を近づけてくるのが気配で分かった。

 そして、二人の唇が触れ合った。



 どれだけの時間そうしていたかは分からない。一分にも満たない時間だったか十分ぐらいだったか・・・だが、一つ確かだと言えるものがある。それはあの時間が限りなく幸せでいっぱいだったって事だ。

「もどろっか」

「・・・うん」

 ぽ〜〜〜っとなっている早紀のおでこに素早くキスすると、慌てておでこに手を当てている早紀を尻目にまた呪文を唱え始める。

「Light to the cause of the person of we him」

 またしても二人の体が光に包まれる。その中で早紀は思わず海斗の腕を抱き寄せてしまった。

 そのことにより、向こうでからかい半分の祝福を受けることはいざ知らずに・・・





どうだったでしょうか?ついに告白するイベントを消化しました。これからは最早暴走気味にラブラブ度が上がっていきます。お気をつけて?

P,S
 作者の自己紹介的なものを実行者に聞く50のお題という題名で出しました。興味がある方は覗いてみてください


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