第二話 異端者
通いなれた道を一人歩く。
もうすぐ家から学校までのちょうど中間地点に差し掛かるころだ。
そこの交差点で親友の佐原 真菜が待っている。
中間地点の交差点で待ち合わせして学校まで通っているのだ。
それも今日で最後だけど。
だからこそ真菜に早く会いたくて鈴音は少し足早に歩いた。
待ち合わせしてる交差点の少し手前には大きな川が流れてる。
名前は龍泉。
川なのに全く川らしくない名前の川。
由来はその昔、龍神様がある一人の巫女を見初めて妻に迎えいれようとしたが、巫女を愛する人間の男が龍神に渡すくらいならこの手で、と巫女を殺してしまった。龍神は怒りくるい男を殺したが、その後我に返った龍神は巫女の死に涙した。その涙はやがて泉となったが、今も巫女を想う龍神の涙はとまらず川のように溢れて流れているという。だからこの川は龍神の涙。らしい…。
(この話しだと巫女はあわれだなぁ。龍神に見初められて…あげくの果て殺されるなんて理不尽な。それに人外の者と結婚なんて無理。私だったらパス)
とブツブツ歩いているとちょうどその龍泉の橋の上。
目の前に誰かが立っている。
背丈からして多分男の人だろうか。
でも普通の人間と雰囲気が違った。
というか見た目が変だった。
髪は白に近い銀髪、真ん中わけにしてて髪の長さは腰よりも長い。服は中華風で服もやっぱり白っぽい。朝っぱらからコスプレしてる人初めてみた…と思いつつ、チラッと遠目で見ると鼻筋のとおった綺麗な顔をしていた。一瞬女の人に見えるくらい綺麗だった。と、一瞬盗み見するだけのはずが少しの間みいってしまった。いけない!失礼すぎると反省し、でも関わりたくないので少し距離をとって通り過ぎようとしたら…
「そこの女性」
「!?」
(不味い声かけられた…最悪)
「はっ…はぃ…なんでしょう??」
おそるおそる尋ねる。
「私ときていただきたい」
「へ!?」(ど…どこに……!?)
もう私の頭の中は混乱しまくっていた。頭の中は拉致、犯罪、身代金、中華風の服=北朝鮮!?という公式ができてしまい上手く働かない。(よく考えると朝鮮半島はは韓服、チマチョゴリなのだがその時の私は中華服=アジアすべてをさしてるように見えてしまったのである)
どうしよう逃げなきゃ!すぐさま友人が待っているだろう交差点までかけだす。
かけだしたつもりだった。だが体が動かない。体を抑えつけられてるわけでもなく、どこも体に違和感は無いのに動いてないのだ。
「なっなんで…!?」
気が付くと周りの景色がおかしいことに気づく。
時が止まったように空を舞う鳥も、道路を行き来する車も人も何もかもが止まってるのだ。自分だけじゃない。なにがおこったの!?
「私が止めたのだ。」
先程の銀髪の男が話しながら鈴音の前に近づいてくる。
(なんでこの人だけ歩けるの…!?)
「それは私が時を止めた者だから。私は龍の使い。だから神力を扱える。」
(!?私今声に出してしゃべってなかったのに…心を読まれた!?)
「龍の使い?神力!?なによそれ!!ふざけないで!あなたが何者か知らないけど、私は今日大事な用があるの!早く行かなきゃいけないの!!あなたがこんなことしたなら解くこともできるでしょ!!早く解いてよ!!!」
「確にあなたには急ぎ来ていただきたい。では参りましょう。」
「は!?ちょっと聞いてるの!?私は解いてって言って…」
銀髪の男は鈴音に歩み寄ると軽々とを抱き上げ、橋の手摺の上に立たせた。
「!?ちょっ…川に落とす気!?やめて…やめてよっ…!!」
鈴音は恐怖で身をこわばらせて抵抗しようとするが、時が止まって動かない体では抵抗できない。絶対絶命。
すると銀髪の男はそんな鈴音を無視して躊躇いなくその体を押した。
ドンッ…!
「!?」
「きゃあぁぁぁーーー!!!!」
鈴音はまっさかさまに龍泉へと落下していった。鈴音は恐怖でぎゅっと強く目をつむり覚悟を決めた。
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