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短編「おサル駅伝」
作:鳥海ドゥンガ



日本の猿が絶滅の危機に陥ってしまいました。
そこで、とある動物愛護団体が猿の保護を広く国民に訴えるためのキャンペーンで、駅伝をやることにしました。
なぜ駅伝なのかというと、この団体のトップが元駅伝選手であり、かつては大きな大会で活躍したことのある人だからでした。駅伝のすばらしさを知っていたのです。また、駅伝でのたすきをつなぐという行為を「猿の命を未来へつなぐ」というテーマに重ねようという意図もありました。
その意図にたくさんの企業が共感し、このキャンペーンには多くのスポンサーがつくことになりました。たくさんの資金を得たため、レースの上位入賞チームには賞金も出るようになり、多くのチームがエントリーしました。
しかし、賞金を目当てにした実力の高いチームも集まってしまったため、出場チームの実力に大きな差ができてしまいました。
そこで、ただ走るのではなく、おサルがウッキッキーとしているポーズをしながら走ることにしました。おサルがウッキッキーとしているポーズとは、右手の指先で自分のアゴを触り、左手の指先で頭のてっぺんを触るポーズです。左右が逆でもかまいません。それに加えて走り方もおサルに似せなくてはいけないことになりました。アゴと頭にくっつけている指先が離れてしまうと失格になってしまいます。
これでようやく実力差が埋まって、レースの楽しさが増えました。
レース当日になりました。第一区の選手たち数百人が合図とともに一斉にスタートしました。みんな楽しそうにおサルがウッキッキーとしているポーズで走っています。
スタートからしばらくすると、指先がアゴや頭から離れてしまった選手たちが、沿道にたくさん配置された監視員によって失格退場させられていきました。こうなると急にみんなは真剣になります。指先に神経を集中させ、なおかつ速く走ろうとがんばります。
先頭集団が第二区の手前までやってきました。
ここまで来て主催者および選手は気づきました。
「たすき渡せないぢゃん!」
                        おしまい


ウチのほうでは夏になるとスイカマラソンっていうのをやっています。













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