オリジナルの登場人物
工藤優 8歳 新一の義理の弟
工藤未来 8歳 上記人物の双子の妹。新一の義理の妹
黒の組織が崩壊して1年が経った。あの事件は多くの人々にとって大きな転機となった。そしてそれは少年探偵団も例外でなかった。
江戸川コナンこと、新一は元の姿に戻ったため抜けている。彼は今高校三年生としての生活を送っている。そして、、もう1人のAPTXの被害者であった灰原哀は、今阿笠志保として暮らしている。なぜこの名前になったかというと、それには深い事情がある。
まず、とりあえず組織崩壊後の裁判で、彼女は証人として呼ばれただけで罪には問われなかった。彼女は晴れて平和な一般人としての生活を手に入れた。そして彼女はもう一度小学生から人生をやり直すと決めたわけであるが、そのさい戸籍の問題が起きた。当たり前の事だが、彼女には、宮野志保としての戸籍しかない。しかし、その歳は十八となっていた。しかし、小学生として暮らすのであるから、これはまずい。志保としても、宮野志保という名前を捨てたかったようだ。だから、一番手っ取り早いのは、灰原哀の戸籍を作る事であるのだが、これにお役所が難色をしめした。一から作り直すのは面倒で手間がかかると。結局、紆余曲折の末、宮野志保の戸籍の誕生日部分のみの改竄で落ち着いた。そういうわけで、彼女の戸籍は元のままである。そして最初に書いたとおり、阿笠という名字であるのは、阿笠博士が養子として正式に引き取ったためだ。ちなみにその博士は、昨年冬に、かつての待ち人であったフサエ・キャンベル女史と結婚している。
その他で言えば、やはり人数が増えたのが一番大きな変化であろう。新一が抜けたが、今の人数は六人。ということは実質的に二人の新キャラが加わったことになる。この二人こそ、工藤優と工藤未来の双子の兄妹である。名字を見てのとおり、新一と関係がある。彼らは血こそ繋がっていないが、れっきとした新一の弟妹なのだ。この二人こそ、実はあのジンと二十歳の歳が離れた異父弟妹なのだ。
二人は、日本支部の地下に監禁されていた所を保護された。その後の調査で親類が見つからないため、施設に送られそうになったところで、工藤優作に引き取られた。ちなみにそれを強力に後押ししたのは、誰あろう新一であった。
そして彼らは帝丹小学校に転入した。当初こそ、事件のショックでふさぎこんでいた二人だったが、探偵団や新一たちの温かい心に触れ、今は明るさを取り戻している。ただ、尋常でないところもある。例えば、組織で教育を受けていたのか、二人とも中学卒業レベルの国数英理は完璧であった。恐るべき、黒の組織。さらに、二人とも工藤家での一年間の生活によって、英語は日常会話程度を話せるようになり、数学も一・Aをマスターしていた。さらに、優も未来も新一からサッカーを、蘭から空手を教わりわずか一ヶ月ほどでかなりのレベルに達したおいうから、ここまでくると天才である。さらに、探偵という職業に興味を持ったのか、工藤家にある推理小説のほとんどを読破しているし、加えて新一についていって遭遇した事件でも、類まれなる才能を発揮し、新一を驚かせている。
後に、この二人と光彦が探偵としてその名を知られるようになると、「米花町は名探偵の生産工場か?」とまで言われるようになる。
そしてもう一つ、驚くべきことは、二人の容貌が新一と蘭の幼い頃によく似ている事である。確かに、髪型や目の色に差異はあるが、全体的な印象は同じだ。
一方、優の入団に焦った人物もいた。元太と光彦だ。コナンが抜けて、恋のライバルがいなくなったと思った矢先に優が入ったのだから。
しかし、それは希有だった。なぜなら志保は優に関心を持たなかったし、また元太の目は未来へ移ったからだ。
他方で、その三人(歩美達)も、負けていられない程の大きな変化があった。
歩美は、元に戻るまでの一ヶ月間同級生として暮らした蘭にあこがれ空手を始めた。ちなみにこれを聞いた新一は顔をしかめたと言うが。また、元太も強くなるべく柔道を始めたし、光彦は新一のようになるべく猛勉強をしていた。そのおかげで、彼の学力は優や未来には追いついていないものの、中一レベルまで行っている人間やれば出来るものだ。
そして、そんな探偵団に、この日事件が起ころうとしていた。またそれが、探偵団内に渦巻く恋模様に影響を及ぼす事になる。
10月のある金曜日
この日、少年探偵団の面々は、いつもどおり、下校し歩いていた。その途中で、歩美がある二人の見知った人物を見つけた。
歩「あ、佐藤警部に高木刑事。」
そこにいたのは、米花署刑事課課長の佐藤美和子警部と、同じく刑事課強行半係長の高木渉警部補だった。
高「おや、探偵団のみんな。」
歩「二人ともどうしてここにいるの?」
元「まさか、事件じゃねえのか。」
佐「事件といえるかわかんないんだけどね。」
歩美と元太の言葉に答えるように佐藤警部が話し始めた。佐藤警部の話によると、最近この近辺に不審者が出るらしい。そして、警察のことを聞いていくらしい。しかも、米花署近辺で。
高「今のところ、それに関しての犯罪は起こっていないんだだけど、気味が悪いからね。」
高木刑事がつぶやく。
歩「それで捜査を?」
佐「まあそんなところよ。」
未「けどそれっておかしいよね。」
そう言ったのは未来だ。
歩「え!?何がおかしいの未来ちゃん。」
未「だってそうでしょ。佐藤警部は課長さんでしょ。なんで、こんなことで外に出ているわけ?」
確かに、課長というポストの人間が、事件かもよく分からないことで外に出るのはおかしい。
その疑問に答えるように、優が言った。
優「どうせ机に向かっているのがつまらなくて、今回のことが外に出るいい機会と思ったからだろ。」
佐「さすがねえ、優君。」
図星だったようだ。
光「佐藤警部ちゃんと仕事しなきゃだめですよ。」
佐「わかってるわよ。じゃあ、時間だから。」
高「じゃあね、皆。ああ、優君に未来ちゃん。お兄さんによろしく。」
そう言って、二人は止めてあった車に乗り込み行ってしまった。
元「なあ、これって俺達の出番じゃねえか?」
志保、優、未来「え!!?」
光「そうですね。確かに調べてみる価値はありそうですね。」
歩「それに昨年のモグラ団子の事件みたいに防げるかもしれないしね。」
志、優、未「モグラ団子!?」
歩「あ、そういえばあの時はまだ四人だっんだ。実はね・・・」
歩美は「危険なレシピ」(アニメオリジナル)事件のことを三人に話した。
未「へえ、そんなことがあったんだ。」
元「とにかく、今回も俺達少年探偵団の出番だぜ。早速、捜査開始だ。」
歩、光「おおお!!!」
優「ちょっと待った。」
やる気満々の三人を、優が止める。
元「何だよ、優。」
優「捜査するにしても、今日は止めといた方がいいよ。だって準備も何にもしてきてないし。」
この意見に、志保と未来が同調した。
志「私はそっちに賛成。」
未「お兄ちゃんの言うとうりよ。
結局、捜査開始は翌日に持ち越された。
夜工藤邸新一の部屋
新「ふーん。不審者ねえ。」
優は昼間の事を新一に話していた。
優「新一兄さんはどう思う?」
新「どう思うって言われても、情報が少なすぎるよ。」
優「そうだよね。」
そう言って、彼はソファーに寝そべった。ちなみに、今ここにいるのはこの二人だけである。現在、工藤家の住民は実質六人である。内三人は、言わずと知れた新一、優、未来の兄弟である。そして残りの三人のうち、二人は優作、有希子夫妻だ。二人は、優、未来の引き取り後から、日本に戻ってきている。ただ、この日は取材旅行という温泉旅行に出かけていた。そして、残りの一人は、蘭である。蘭は、新一が戻った直後から、夕食を作りに来るなどしていたが、しばらくしてから工藤邸に住み始めた。最も、これにはある大きな事情も絡んでいた。実は、ついに新一と蘭は結婚する事に決めたのである。そして、その結婚式は間もなくに迫っていた。しかもその結婚式も、ただの結婚式ではない。なんと、快青、平和、高佐カップルとの合同結婚式である。ちなみに、本当だったら九月にやるはずだったが、小五郎が新一と蘭の結婚を中々を許さなかったため、一ヶ月遅延してしまった。その小五郎、今は新一の復活に伴い探偵をやめ、回顧録を出版して生計を立てている。(さすがに英理に頼る気はないようだ。ちなみに推理の部分は、新一に聞いている。)
話を二人の会話に戻そう。
新「ところでさあ。」
優「何?」
新「歩美のやつ元気にしているか?」
優はその質問に戸惑った。どうしていきなり歩美という単語が出たのか良くわからなかったからだ。
優「え、え、どうして?元気ありすぎるぐらいだけど。」
新「いや、実はな・・・・」
新一は優に、歩美がコナンであった新一を好きだったことを言った。
新「それで、あいつがまだひきずっているんじゃないかと思って。」
優「そう。」
優が寂しそうな表情をする。
新「どうしたんだよ、そんな顔して。あ、まさかおめえ歩美のことが。」
そう言われ、顔を真っ赤にして黙り込む優。
新「そうなんだな。一体あいつのどこに惹かれたんだ?」
新一がニヤニヤしながら聞く。
優「どこって、・・・・そ、その笑顔。」
優にとって彼女の笑顔は天使の微笑みに近かった。人との交わりが無い中で生きて来た彼にとって、屈託のない笑顔で接してきた彼女に心を奪われるのに時間は掛からなかった。
新(もしかして、歩美が元気な理由って・・・)
新一は頭にある仮説を建てる。
蘭「新一、優君。ごはんよ。」
下から蘭の声が聞こえてきた。
新「お、メシだってよ。行くぞ優。」
優「うん。」
二人は部屋から出た。そこで、新一は優にこう言った。
新「優。大切な人が出来たんなら、行動で示してやれよ。」
翌日 米花警察署前
優、未来「おはよう。」
元「よし、これで全員そろったな。それじゃあ、早速捜査について決めようぜ。」
自称団長の元太の指揮のもと、この日の捜査方法が決められた。捜査は、主に聞き込みが中心で、二人グループでやることが決まった。もし、捜査中に不審者と出くわしたら、すぐに探偵団バッチで仲間を呼ぶ。無理なことはしない。ちなみに前者は光彦の意見。抜け駆けは許さんということであろう。そして、後者は志保の意見である。新一のように猪突猛進して薬を飲ませられる、などということのないようにという戒めであろう。そして、六人は二人ずつに分かれたのであるが、その構成は、光志、元未、優歩というぐあいであった。これは優にとって大迷惑であった。ただでさえ、昨日の会話から歩美のことを意識してしまっているというのに、その彼女と組めというのだから。しかも、二人きりで。
とにかく、こうして探偵団は捜査を開始した。
先程から、二人は一言も言葉を発していない。子供二人組みにしては異様な光景である。しかし、なにか言おうにも、優は緊張してしまって何も言えない。
(くそお、昨日新一兄さんがあんなこと言うからだ。)
心の中で新一に毒つく優。それとともに、こんなことも思っていた。
(それにしても、俺はともかく、なんで歩美ちゃんまで何も言わないんだ?)
そう、確かに歩美も何も喋っていなかった。
(何か気まずいな。)
そう感じ、取り敢えず何か喋ることにした。
優「あのさあ、歩美ちゃん。」
歩「え、あ、何?」
突然声をかけられたので、驚く歩美。
優「歩美ちゃんってさあ、誰か好きな人いる?」
(って、え!?俺何言ってるんだ!!)
歩美「好きな人?」
優「あ、ごめん変なこと聞いちゃって。」
歩「ううん。いいよ、別に。いたよ、好きな人。その人はねえ、とってもかっこよくてやさしい人だったの。けど、その人には恋人がいてね、とても私の手の届く人じゃなかったの。」
(新一兄さんだ。絶対に。)
歩「そしてその人ね、別れ際に言ったの、いつか君に最もふさわしい人と出会えるって。」
(兄さんらしい台詞だ。)
言い終わった歩美の表情は、いつもの彼女からは伺い知れないほど寂しいものであった。
優「大丈夫だよ歩美ちゃん。歩美ちゃんならきっと出会えるって。」
なぐさめるつもりで優は言った。
歩「そうかな?」
優「そうだよ、って・・・・」
途中で言葉を切る優。
歩「どうしたの、優君?って、え!!」
歩美は驚いた。優の表情が真剣そのものになっていたからだ。そして、その表情はコナンと瓜二つであった。
(コナン君?)
心の中でそうつぶやく。しかし、すぐに我に戻った。
歩「どうしたの?」
優「あれ。」
そういって指差す優。見ると、コートを着て、サングラスをかけ、帽子を深く被って、しかも周りをキョロキョロ見回す、いかにもという感じの男が立っていた。
歩「あの人。」
優「ああ、何か怪しい。歩美ちゃん。皆に連絡して。」
歩「わかったわ。」
すぐに他の四人に歩美が連絡を入れた。その時、男が歩き始めた。
優「にがすか。追いかけるよ。歩美ちゃん。あいつの位置を常に皆に連絡して。」
歩「うん。」
二人は男を追いかける。しばらくして、元太をはじめとする探偵団の面々がやってきた。
(よし、これで挟み撃ちだ。)
その時、男が前から来る元太達を見るなり、突然横道に走り出した。。
歩「あ、優君。逃げちゃう。」
優「逃がすか!」
そう言うなり、彼はあらかじめ持ってきていたスケボーに飛び乗る。そして、男の前に出た。
男「くっ!!」
男は急いで戻ろうとするが、退路は探偵団によって塞がれていた。
優「観念したら、おじさん。」
優が低い声で言う。その時、歩美は再び優にコナンの姿を見た気がした。
男「全く、君達には参るよ。」
そう言って、サングラスと帽子の下から出てきた顔は。
全員「あ、千葉刑事!!」
全員が叫んだ。そこにいたのは、捜査一課の千葉一伸刑事だった。
歩「どうして千葉刑事ここにいるの?」
千「いや、実はね。」
千葉刑事が話すところによると、今まで米花署付近を徘徊していたのは、アンチ高佐同盟に所属している一課の刑事だったそうだ。ちなみに、アンチ高佐同盟とは、高木刑事と佐藤警部の間を裂こうという、白鳥警視を長として会員百人を誇る迷惑、いや下劣な団体だ。ちなみに、千葉刑事はこの団体には所属していないが、今日は他の刑事が手一杯だったため、白鳥警視が命令したそうだ。
光「それって職権濫用じゃないですか。」
志「ほんとね。それに白鳥警視もしつこいわね。」
二人があきれたように言った。
千「そうだね、けど優君はすごいね。まるでコナン君みたいだった。」
光、元、志「げっ!!!」
三人が同時にそう言った。実は、優は気づいていなかっが、三人はコナンがいなくなった後、歩美の笑顔の中に、なにかしら寂しさが含まれているのを知っていた。だから、三人にとって、コナンという単語は禁句であった。それなのに、千葉刑事は。しかし、それに対する歩美の反応は三人にとって意外な物だった。
歩「本当。優君とってもかっこよかったんだから。」
光、元、志「え!!」
にっこり微笑む歩美。その表情は三人とって久しぶりに見る、澄んだ笑顔であった。一方、そんな彼女に、急に鼓動が早くなった優であった。
数週間後 軽井沢の教会
「おめでとう。」
「お幸せに。」
黄色い声が飛び交う。今日はついに新一たちの結婚式である。ただし、披露宴はまだのため、それを祝う人数は少ない。それでも、工藤、毛利、服部夫妻等、世間一般から見ればそうそうたる顔ぶれがならぶ。
そんな中に、少年探偵団の姿もあった。
歩「うわあ、四人とも綺麗。」
蘭たちを見て、歩美が声を上げる。そして、その隣には優がいた。
優「そうだね。」
並んでいる二人の仲は、以前よりも縮まっていた。
そんな中、四人の新婦が一斉にブーケを投げた。それをいの一番で取ったのは園子と由美である。三つ目は恵子が取った。そして、四つ目は。なぜか。
優「え、え、え!」
なぜか優の手に収まっていた。
優「ええと。はい、歩美ちゃん。」
ブーケを歩美に渡す優。
歩「え!!」
優「花は歩美ちゃんにこそふさわしいよ。」
歩「ありがとう。」
ブーケを受け取る歩美。その顔は真っ赤であるが、嬉しさで一杯であった。そして、彼女は彼の頬にキスした。
おまけ
数日後の警視庁
目「おや?」
誰もいない一課を見て、目暮警視がつぶやいた。
目「みんなどこへ行ったのかな?」
千「ああ、皆さん実は。」
「なぜだあああ!!!!」
「美和子さん!!!!」(これは白鳥警部の叫び。)
自棄酒を飲んでいた。 |